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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
134/178

4-54 チャイナガールズ混成部隊VSドラゴンテロリスト!! その3


 ウェンハイは煙草を吸い終えたので、立ち上がるとツィイーに声をかける。


「姉さん、さっさと行きますぜー?」


 ウェンハイは、気絶したままのメイヨウを担ぎ上げる。


 レイレイは、怒りと悔しさでそのまま持っていかれるメイヨウを見るしかない。


 あまり、やりたくはなかった。が、ツィイーが背を向けた瞬間、レイレイは叫ぶ。


 こっちとしても、目的の為だったら、手段を選んでいられない。


「気功ユニット全開!!」


 シャオイェンは、何とか声を振り絞った。


「レイレイ小隊長!! マズいです!!!」


 音速に近い速度で、彼女の背中を捕らえた。


 そして、七星剣の柄を振り下ろせば、彼女を倒せる。


 確信した瞬間、ツィイーがゆらりと振り向きなおした。


 レイレイの限界まで握った両手拳を、振り向きざまに右手で回転方向を変更。


 ツィイーは、片手で一回転させると、レイレイの目の前の方向が完全にベクトルが変わった。


 音速まで達しているので、三回転ほど転がって、七星剣を床に突き刺してブレーキをかけた。


 ツィイーは、後ろを振り向いたまま、レイリンに指示を出した。


「レイリン!!! ついでに、チーミン!!」


 チーミンは、悪態をつきながら、トンファーと今度は拳銃みたいなものをユーとシャオイェンに構える。


 だが、それは拳銃ではなく、よく見ると先端が電気で帯びているのだ。


「へっ、ついでにだなんてよー。ひどいぜツィイーさんよお?」


 赤いコートの女性は、深呼吸をさせつつ、腰を落とし始めた。


 左側の玉座側まで近づこうものならば、このレイリンという女性が立ちはだかる。


 そして、レイリンは独り言のようにつぶやいた。


「チャイナガールズ、朱雀部隊隊長レイレイレイ、アル……」


 レイレイは、七星剣を構えなおし、両足の赤いハイヒールを地面に突き刺すイメージを思い描く。


 全ては気を整えるためだ。


 そして、七星剣の柄を自身の頬すれすれまで持っていく。


 金色の刃が、熱を帯び始める。


「なんで、私なのでしょうか?」


 レイリンという、赤いコート姿の女性は、眉毛を吊り上げ、笑った。


「アンタよりも速いという証拠を、証明してあげるアル!!」


「ったく……あなたも天性のクンフー狂いというわね……」


 シャオイェンは、梅花双刀を構えつつ、チーミンに声をかける。


「あなたは、無謀すぎますね?」


 チーミンは、トンファーと拳銃みたいなものを構えたまま、にやけ顔を絶やさない。


「この間は、油断したぜ……。けどな、二人がかりでも、勝算があるからこうやってんだぜえ?」


 シャオイェンの真横にいるユーは、あのみょうちくりんな形の銃を説明してれた。


「あの変な銃は、テイザー銃ね? 射出して、電気を流して捕らえる非殺傷銃。当たると動けなくなるから、シャオイェンちゃん気をつけて!!」


 シャオイェンは、瞼を落とし、深呼吸をさせた。


 あのイーチーミンの余裕が、引っかかるのだ。


 そして、あの人の怒りを誘うような笑顔。


 シャオイェンは幸いにして、そのような手には引っかからないが、レイレイだったらそうはいかない。


 逆上して、すぐさま相手に突撃することが目に見えている。


 左手には、大理石らしきもので出来た豪勢な長いテーブルが見えている。その隣に、イーチーミン。


 イーチーミンの右隣には、横を向いているレイリンと、レイレイ小隊長。


 空間を把握しなければ、この勝負、勝てない。


 そして、雑魚と思われていたチーミンの余裕な態度。


 何かが引っかかる。


 ユー大姐ターチェには、前衛に出てほしくない。


 万が一のことがあったら、彼女には連絡役を担ってほしいからだ。


 チャイナガールズを除いたとして頼れるのは、彼女しかいない。


「パーティカルロイド起動、気功ユニットオンです!!!」


 シャオイェンが叫ぶと同時に、レイレイも動き出した。


 初手で動いたのは、赤いコートの女性レイリンだ。


 掌を広げると同時に、レイレイの後ろへ回る。


「五行拳なめないアル!!」


 レイリンが拳を出すと、レイレイは七星剣で切ろうとした。


 だが、相手は赤い残像を残し、消える。


 そして、振り向いたレイレイの真後ろに移動していた。


「な!!」と、レイレイが声を出すと同時に相手の中国靴の裏が朱雀が描かれている背中を襲う。


 レイレイは、腕を交差させてそれをガードさせる。


 何とか間に合うものの、威力が突き抜け、真後ろへ吹っ飛んだ。


 レイレイは、しゃがみ込みながら、七星剣を床に突き刺し、ブレーキをかける。


 金色の七星剣は床を切り裂きながら、進む。


 レイレイは視線を背に向ける。


 背中には、レンガが積み上げられた壁があって、壁際まで持っていかれたのだ。


「次から次へと……でも、私は相手が強ければ強いほど、もっと強くなれるの!!」


 レイリンは、先ほどの表情とは異なり、深呼吸をさせる。


「まだまだ、遅いアル……。朱雀部隊長もたいしたことないアル……」


 相手の速いトリックが何なのか、レイレイは考えながら戦っている。


 独特なクンフーであるのは間違いないが、何よりもその速度が驚異的だからだ。


 スピードスターと言われるレイレイですら、ようやく追いつけるかどうかなのだから。


 先ほどのツィイーは別格だが、目の前にいる彼女は何とか追いつけそうな気がしている。


 七星剣の切っ先を抜き去り、レイレイは再び深呼吸をさせてから七星剣を構えた。


「速いのは認めるますよ……けれど、私もまだそこまでして気を回していないんですけどね……」


 レイレイが、「ですます」口調になるには理由がある。


 それは、相手を本敵として認めた場合のみ、礼儀が正しくなる。


 つまり、相手の実力を認めたからこそ、彼女はこういう口調になるのだ。


 レイリンという女性は、両手拳を広げ、まるでどこかで見たような呼吸だ。


 呼吸を震わせることで、威力が強くなるクンフーもある。


 そして、レイリンは特に呼吸法を意識しているのは間違いない。


 レイレイの呼吸法とは、リズムが異なるのだ。



レイリン


年齢24才ぐらい

女性

身長160センチぐらい


肌の色 黄色 

瞳 黒

人種 中国(湖南省長沙市)

利き腕 右手

クンフースタイル ?

一人称 私

所属部隊 黒龍会(一時的)


チャンツーイーに雇われた、フリーランサーの女性。

相対性理論が好きで、地球から離れれば離れるほど時間の流れが遅くなると信じている。

その為、実質地面から離れれば離れるほど滅茶苦茶速くなる。

ルェイジーと同じ方言を使っていて、中国、湖南省長沙市の農村の産まれ。

奨学金を出したNPOが超悪徳だと判明。

借りた奨学金が数十倍に膨らみ凄まじい負債をかかえることになった。

相対性理論に基づいた五行拳の使い手。

自身が速くなればなるほど相手よりも上回るという独自の考え方を持っている。

頭脳派なため、相手の挙動に対して、どの様に動けばいいのか

たえず頭のなかでイメージしながら戦う。

その為、形意拳を踏襲しているが、形意拳の中の五行拳のみで戦う。

土火木金水の通りの動きをし、チャイナガールズに立ちはだかる。

レイリンのコートはパーティカルロイドシステムを搭載していて、

極薄の粒子を身体全体に覆い、空気の抵抗を極力なくしているため、





シィェン 文海ウェンハイ


黒龍会所属。

男性。

身長158センチ。

瞳は薄茶色。

髪は、黒髪で、革のダブルジッパー(斜め)のジャンパーを羽織っている。

胸元には黒龍会のバッヂをしている。



会長に忠誠を誓う男性。

実は、黒龍を守るための一族の末裔。

ツィイーの事を慕っており「姉さん」と呼んだりしている。

暗闇でもサングラスをしており、暗闇に慣れ過ぎたせいか、光が弱点。

今回、レイリンを手招きした人物でもある。




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