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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
132/178

4-52 チャイナガールズ混成部隊VSドラゴンテロリスト!! その1

 


 -------N.A.Y.562年 8月17日 15時30分---------



 レイレイとシャオイェンは、闇の中でユー達と黒龍会に呼ばれたアジトまで向かっていた。


 シィウェンとの激闘により、熱で切られた鼻筋がまだひりついている。


 喧嘩した後の子供みたいに、レイレイの鼻筋にシャオイェンが絆創膏を貼ってくれたのだ。


 黒龍会のアジトは、黒龍省真下の所の南西側に位置の所に、三人は向かっている。


 レンガ造りの地面にいつの間にか変化していて、段々と地下の作りが変化していくのが分かる。


 構造が変化していっていてるということは、アジトがもうすぐということだ。


 よどんでいる空気がレイレイに更に重くのしかかってくる。


 ユーは相変わらずの恰好と、荷物だ。


 暗がりの中、ユーは声を出す。


「ふーん、あれだけ探し回ったのに、場所は結構分かりやすかったものね。もうそろそろ黒龍会の本アジトに到着ね……」


「そうですね、床の構造もなんか変わってきましたし……」


「昔は、ここら辺は教会のような作りだったみたいよ。

裏九龍城国はスラムとはいえ、せめてそういうものがないと、メンタルが崩壊してしまうという意味なのかもしれないわね……」


 シャオイェンは、どうだと言いたい表情のまま、口を開く。


「キリスト教徒は、この九龍城国の人々も結構いますよね?

様々な施設の中でも図書館アーカイブなどはキリスト教が寄付しているそうですしね」


「昔から、ここら辺はキリスト教徒がほとんどだったのよ。それも関与して、ここにずっと住んでいる人は、英語名を持っているのよね?」


「イギリス返還に伴って、更にはここも国へと独立進化したのですよね?」


「そうね、九龍城国はスラムから始まり、閉鎖されそうな危機を乗り越えた後が凄かったらしいのよね?」


 レイレイは歩きながら、ユーに一瞥する。


「どんなふうにすごかったのでしょうか? ユー大姐ターチェ


「こんな、アーカイブというか、文献が残っているそうよ? 我々、九龍城国の武器はクンフーのみ。だが、この国もまた武器なり」


「……この国自体が武器……想像できないわ……」


「現在の表側の九龍城国は、九つの龍、つまり省に別れているわよね?」


「はい、別れていますよね……」


「1エリアごとに、その長。英雄と呼ばれていた長がいたみたいなの」


「え? そんなことがあったのですか?」


おさは、強いだけじゃなくて、人間としてもとても立派で、周りの人々からも頼りがいのある存在だったみたい。

更に、その名残が裏九龍城国にもそれが色濃く残っているわ」


 シャオイェンは、両方の眉毛を撫でる。


 彼女なりに、気合を入れている証拠だ。


「でも、なぜ表側にはそれが残らなかったのでしょうか?」


「さあ、それはおねーさんも調査中でわからないのよね……」


 闇の中、一歩踏むごとに響き渡る足音。


 その足音は、3メーター先に立っている、黒服を着ている男たちに聞こえるのにも十分だった。


 粒子灯に照らされながら、黒服はユーたちの方を振り向いた。


「お前たち、チャイナガールズの者達か?」


 レイレイが先陣をきって、黒服に向けて声を出した。


「ええ、イーチーミンとかいう、金髪豚野郎に呼ばれてきてあげたわ!! 案内しなさない!!」


 黒服たちは、お互いに顔を合わせると、同時に頷いた。


 そして、手前の男がレイレイを案内した。


「レイレイレイ様ですか。レイリンが会いたがっていました。こちらへご案内します」


 黒服は「それでは、私はこれで」と、伝え終えるとそのまま入り口方向へと消える。


 レイレイは、シャオイェンと同時に首を縦に振ると、勇気を振り絞って一歩踏み入れた。


 レンガ造りの入り口を越えると、中は意外と広くて明るかった。


 長さ10メートルぐらいのテーブルの上には金の壺が置かれていて、


 真っ赤な絨毯が玉座に向かって走っており、メイヨウが首をうなだれて眠っている。


 反射的にメイヨウに向けて叫ぶ。


「メイヨウちゃん!!」


 レイレイは、何とかしてメイヨウに近づきたかった。


 だが、そうしたくてもできなかったのだ。


 メイヨウの右側には赤いコートの女性が立っていた。


「ふーん、本当に来たアル……。この女の子がどれだけの価値があるかなんてどうでもよいアル……」


 更に、左側には緑色の中国服に、金髪オールバック、金のネックレスをしている、チーイーミンが立っていた。


「よう、貧乳!! 待っていたぜ、ベイビー!!」


 レイレイは、奥歯をかみしめ、笑う。


「うっさいわね、ザコ!! アンタなんかようじゃないわ!!」


 レイレイの後ろに立っているシャオイェンが、彼女の耳元で静かに囁く。


「あの、ゲスイ男は、私に任せてください、レイレイ小隊長。それと、あの二人以外に二人ほど誰かが裏にいます……。

小隊長、気をつけてください……」


 レイレイは、声を押し殺しながら返答する。


「ええ、分かったわ。シャオイェン……」


「へっ……てめぇらにはわからねーだろうなー? メイヨウ様がどれくらいの価値があるかを!!」


「アンタらの言い分なんてどうでもいいわ、私達のメイヨウちゃんを返しなさい!!」


「俺たちはなあ、目的のためだったらなんでもやるぜえ? 黒龍会。


 いいや、ドラゴンテロリストはあらゆる手段をもって、目的を達成する……」


 レイレイは、その言葉を聞いた瞬間、無理くり口を開けさせられて、冷水を突っ込まれるような感覚だ。


 ドラゴンテロリストの、覚悟そのものの表れであるのと同時に、彼を侮っていたのでなおのこと感じたのだ。


 レイレイは、七星剣を鞘から抜き出しつつ、左手で顎をつたう汗をぬぐう。


 そして、後方にいるシャオイェンは梅花双刀を両手に持つ。


 ユーも中華包丁と中華鍋を持って、構える。


 レイレイは言葉をつづけた。


「銀龍ターレンから、指令がおりたわ……。我々チャイナガールズは、ドラゴンテロリストに向けて正式な意思決定を出します。

九龍城国カォルンセングォ合同混成部隊は、あらゆる手段を持ってドラゴンテロリストを排除します!!」



<世界観設定>



チャイナガールズ~超级近距离作战部队~


~Full-contact high-power team~(プロット段階の名称)


14人のチーム。

日本の、セーラーガールズと同じように、九龍城国専属の傭兵部隊


皆様々なクンフーーを持っている。


バニーガールズと似たような仕組みのスーツを着用。


みんな、基本的に徒手空拳。

バリアクンフーを利用して、素手で戦車を壊したりする。


武器(兵器)を持てば、十字聖教騎士団と互角に渡り合える能力がある。


九龍城国の、専属契約の傭兵集団。

格闘スタイルは、トウロウケン、八極拳、内気功、太極拳、などなど。

全員、徒手空拳にこだわる。


唯一の機体パワードスーツフェイエイを所持しており、

性能面でも、近接に特化した機体でもある。


ミサイル、拳銃、弓矢などは撃たせなければ勝ちという、独特の超近接戦闘にたけ、各自、その能力は、とにかく近づくことに長けている。


その為、細身である彼女たちでも関わらず、脚力、走力は相当なもので、

十字聖教騎士団すら、驚くほどの実力の持ち主たちである。

彼女たちの、走るスピードは平均して60~70キロぐらいのスピードが出せる。


中国語では一般的にチャイナドレスに該当する衣服を、「旗人の着る長い上着」から「旗袍」と呼称する。

詰め襟で横裾に切り込みが入った意匠は満州民族の民族服のシジギャン(sijigiyan、袍)に由来する。

このように旗袍という語は、語源に忠実に考えれば満州族の伝統的な衣服の内の上着を指すことになるが、現在はこれを旧式旗袍と呼称する。


チャイナドレスは、馬に乗るためにスリットを入れたと言われている。


チャイナガールの特殊スーツについて。

彼女達も、バニーガールズと同じ技術である、パーティカルロイドシステムで構成されている。

日本とは、また異なるシステムで、パーティカルロイドシステムも搭載しているが、気功を兼ねた独特のユニット構造をしている。

パーティカルロイド、更には気功を取り入れたドレスとなっている。

背中には、気功を溜め込むメインユニットが備わっている。

隊長と隊員とでは差別化がなされており、

隊長のチャイナドレスは特に超爆速の気を一気に叩き込めたり、ため込んだりできるようになっている。


背中には必ずその部隊の刺繍が入っている。

お腹の辺りには、パーティカルロイドのメインユニットが入っていて、

バリアを生成するための必須ユニット。


なので、他の部隊よりもかなりの近接パワーを放てる仕組みになっている。

基本的に空挺部隊で、降りて特殊強襲がメイン。


手袋とゴーグルなども支給されていて、空から飛び降りる。


青龍……攻撃力に秀でている。青いチャイナ服を全員着ている。

朱雀……速度、スピードに秀でている。赤いチャイナ服を全員着ている。

白虎……バランスタイプ。白いチャイナ服を全員着ている。

玄武……主に防御面に優れている。緑色のチャイナ服を全員着ている。


見た目は普通のチャイナ服であるが、チャイナドレスの固さは戦車と比較しても、尋常ではなく、

近接戦闘にたけるために、バニーガールズたちよりも、1.5倍ほど、強度を持っている。

そのため、その強度を逆に利用し、物理的にバリアをぶつけ、物体を破壊するという破壊技術を用いている。


パーティカルロイドシステムの利用は勿論のこと、足元を急激に冷却できるシステムも備わっていて、薄着ながら快適である。

これは、パーティカルロイド粒子が彼女たちの身体全身を外との温度を計測し、自動的に身体を温めたり冷やしたりしているからだ。

パーティカルロイド粒子は全身をめぐり、彼女たちの身体をなるべく健康に保っていくことも役割の一つ。

ちなみに、各個人差はあるが、脳波で「暑い」「寒い」を感知し、自動的に快適な状態で持っていっている。

最高気温は40度まで対応し、最低気温は-10度まで対応している。

なので、真夏時にはそのまま着用したまま眠る女の子も多い。


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