4-42 レイレイの怒り その2
ユーとシャオイェンは、通路内のすぐ手前の扉を開けた。
既に黒服達三人が拳銃を構えていて、同時に発砲してくる。
「ユーさん、すみません!!!」と、シャオイェンはすぐにユーの背中を後ろから肩でタックルをさせ、倒した。
シャオイェンに薄青いバリアが発生し、三発の弾丸は天井、床右下、左下へと滑っていった。
ユーはすぐさま起き上がり、片手鍋を構えたまま、左側、扉前にいる黒服へと接近する。
他二名の黒服達はユーに発砲するが、全て外れる。
ユーは軽く跳躍し、黒服の頭上目掛けて、中華鍋を縦にふるう。
頭蓋骨が悲鳴をあげ、黒服の黒い髪から赤いものが噴射した。
右横にいた黒服が再びトリガーを引こうとしたが、腕がいつの間にか落ちていた。
冷静に、視線を前方に戻すと、そこには両手に兵器を装備している少女が、両目を真っ赤に光らせていた。
「さあ、私の梅花双刀で踊ってください!!」
その言葉が、彼が聞いた最後の言葉だった。
身体が四分割され、前のめりに頭から落ちた。
サングラスが砕け、二度と動かなくなった。
一人の黒服が、腰を抜かした。
「ひぃぃいいいいい!!」と、拳銃を持ちなおそうとするが、指のトリガーを引くことができない。
シャオイェンはパンツスタイルの、中国服を揺らし、靴先を男の左ほおへとめり込ませた。
男は真横へと吹っ飛び、壁に側頭部をぶつけ、気絶した。
シャオイェンは、その壁に違和感を感じ、すぐさまユーの傍へ。
右側の壁と左側の壁から弾丸がいくつも突き抜けて襲ってくる。
ユーは、しゃがみ込んだまま、シャオイェンに保護されているのだ。
「ありがとう、シャオイェンちゃん」
「我々と裏九龍城国の人々とは、正直色々と合わないと思っていました。ですが、私は勘違いしていたようです。
我々は立場が違えど、人であること。人であるということは、我々は我々の戦いをしなければいけないことです」
相手側は拳銃ばかりではなく、自動機関銃も持っているのはあからさまだった。
薄青いバリアに守られているが、シャオイェンの目の前にはそこら中に弾丸が無数に落ちている。
「そして、私はユーさんみたいな人が、裏九龍城国を変えてくれる。そんな気がしています」と、俯き加減にユーをシャオイェンは見下ろした。
ユーは眉をしかめ、彼女の真っすぐな熱い視線を逸らす。
「何言ってるの、シャオイェンちゃん。おねーさんは、単なるドラゴンマフィアよ……」
「ユー大姐とにかく、この場を乗り切りましょう!!」
最後に吹っ飛ばした黒服が守っていた部屋を、シャオイェンは視線を向けた。ここだけ、扉が鋼鉄製なのだ。
「ユーターチェ、あの鋼鉄製の扉、様子がおかしくありませんか?」
「そうね、凄く怪しいわね……」
「……ユーターチェ、ホフクは出来ますか?」
「おねーさんらしい動きじゃないけど、やってみるわ……」
シャオイェンは、相手に位置を知られないように靴音をなるべく立てず、その鋼鉄製の扉へと近づく。
梅花双刀で鋼鉄製の扉をバツ字切りに破壊した。
シャオイェンは、中国靴で扉を水平に蹴る。
扉が吹っ飛び、部屋の中の荷物が何なのか、分かった。
弾薬が入っている倉庫だった。
棚には、様々な重火器がぶら下がっていた。
小銃や拳銃。
ユーも遅れながら、何とか到着した。
この部屋だけは、特別製なのか、周辺から銃撃音がしているが、弾丸はここまでは突き抜けてこない。
ユーは、中華鍋を棚付近に置いた。
部屋周辺を見渡し、笑顔をさせたまま物色を始める。
「ふーん、良いじゃない、AKシリーズから、カラシニコフ、更にはベレッタまで揃ってるじゃない。
お、パイナップル手りゅう弾まで!!」
ユーは嬉しそうにAKと言っていた小銃に手を伸ばし、手りゅう弾を盗んだ腰ベルトにひっかける。
「さてと、じゃあ行くわよ!!! シャオイェンちゃん!!」
シャオイェンは、梅花双刀を握りなおし、双方の刃を足元へさげた。
「アイサー、ユー大姐!!」
運が良かったのか、相手側の銃声もいつの間にか止んでいた。
ユーは、身を低くさせて右奥の扉と左奥の扉に銃口を向ける。
左奥の扉が、うっすらと開いたのを、ユーは見逃さなかった。
ユーは相手の顔に狙いを定め、トリガーを引いた。
黒服の四肢に力が入らなくなったのか、扉に寄りかかりながら、そのまま黒服が横へと伏す。
ユーは腰ベルトのパイナップルのピンを抜き、開いた扉へ放り投げた。
相手側の慌てふためく悲鳴が聞こえた瞬間、扉が吹っ飛んで、壁にヒビが入った。
シャオイェンは、跳躍し、寝そべっているユーを越えて、着地。
左奥から黒服一人が扉から転げ、シャオイェンに銃口を向けトリガーを引く。
シャオイェンはすぐさま梅花双刀を振り回して、弾丸を弾く。
黒服はバク転をさせて、シャオイェンと距離を離した。
黒服二人が横並びになり、立ちはだかる。
一人は、メリケンサックを両手に装備していて、シャオイェンに接近。
右フックを入れようとした。
だが、シャオイェンはすぐに身を屈まさせ、黒服の顎に目掛けて、刀の柄を食いこませる。
骨を砕く音がし、黒服はのけ反りながら、身体が後ろへのけ反り、吹っ飛ぶ。
黒服側の連携も侮れない。
そのまま、もう一人がユーの方に銃口を向けようとした。
だが、ユーはうつ伏せから仰向けに体勢を変更し、銃口を黒服の眉間に目掛けて三点バーストで射撃を行う。
黒服の顔に銃創が刻まれ、黒服はそのまま仰向けに。
シャオイェンは、空中に吹っ飛んでいる黒服を、そのまま刃を交差させてあげた。
黒服の身体が四分割にされ、空中を舞う。
奥に残った黒服はそのままユーに狙いを定めた。
だが、ユーは両腕を挙げたままの状態のシャオイェンに銃口を向ける。
ユーはシャオイェンの頭頂部に目掛けてトリガーを引いた。
弾丸は毎秒でゆっくりと右回転しながら、進む。
おかっぱ頭のてっぺんに近づいた瞬間、半円状の薄青いバリアがシャオイェンを包む。
バリアにぶつかった弾丸はそのまま軌道を上方へ外れ、シャオイェンの刀に跳ね返り、黒服にその跳弾がサングラスを砕き、目に食いこんだ。
黒服がひるんだところを、おかっぱ頭の少女は容赦なく、バツ字切りにし、地獄へ送った。
ユーは仰向けの状態から、身体を起こした。
「ふー、シャオイェンちゃんがいなかったら、おねーさんもちょっと苦戦しちゃったかな?」
シャオイェンは、全ての扉、周辺を確認して梅花双刀を鞘にしまった。
「苦戦しちゃったじゃないですよ、さすがですね。まさか、私のバリアを利用するとは思わなかったです。
何というか、まるでどっかの特殊部隊の動きでしたね?」
「おねーさんは、単なるドラゴンマフィアよ? さ、レイレイちゃんの所に行きましょ!!」
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