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1-9 一日目、野営準備

チャイナガールズ、VSメイド編ではたまに飯テロが起きるので注意です。


自爆!! 誘爆!! 飯テロ!! ご注意!!!


元ネタを知っているヤツぁ、恐らく30は越えている!!


 一方、その頃、マーメイ達は、夕方に差し掛かり、野営(ブリーフィング)の準備をしていた。


 今回は、サバイバル訓練ではないため、銀龍と金龍が顔を出してきて、必要な野営セットをジープで持ってきてくれたのだ。


 銀龍は、扇子を仰ぎながら、マーメイに文句を言う。


「あのさ、マーメイ、あの時逃げちゃだめだろう」


 マーメイは、眉をしかめる。


「隊長さぁん、あれは仕方がなかったのですよぉ。彼……いえ、彼女達は別格すぎますぅ」


 調理器具を用意している、リームォも会話に混ざる。


「しかも、情報少なすぎりゅ……。あれはゴジラだ。ゴジラ倒すの……めんどくさい」


 銀龍は、銀色の龍が装飾されたキセルに、口をつけ、夕闇に差し掛かる空に、煙をはく。


「ゴジラねぇ。怪獣っていうやつ? 日本の何百年前もの作品じゃねーかよ」


 リームォは、調理器具をマーメイの横に置く。


「ゴジラ、おっきくて、つおい。リームォ、逃げるのに、せいいっぱいだった」


「んもう、リームォったらぁ、わざと捕まえられに行こうとしたでしょ?」


 リームォのことはおいておいて、銀龍も何となくゴジラは知っている。


 暗がりの中、日本を散々メチャクチャにしている、国内で作られたという、反国内社会的なとんでもない映像作品だ。


「ゴジラ……。分かりやすすぎんだろぉ」


 金龍は、針の施術が終わったのか、ホンホンと一緒にテント内から出てくる。


 中で聞いていたのか、ホンホンが会話の内容に首を突っ込む。


 グリーンマグドガルの攻撃が想像以上に強かったのか、か細いうなじに手をあててる。


「イテテ……。あいつらは、本当に動く要塞よ。みた? 素手であの破壊力。

10メーター位の鉄塔も倒れたみたいじゃない。

あんな芸当できるの、マーメイ位じゃないのよ。

もっう!! 本当ムカつく!! 今回は武器がないのが、超きっついわ!!」


 夜は更けつつあるのか、金龍のチャイナドレスも段々と目だたくなってきてるのが分かる。


 全員は、焚き火を囲みながら、それぞれ腰掛け椅子に座り始めた。


 ホンホンは、三つ編みをほどきながら、ほっぺたを膨らまし、ブーブー文句をたれている。


「あいつら、次会ったときは、覚えておきなさいよね!!」


 リームォは、姉のマーメイの手伝いで、塩、醤油などを取っている。


 マーメイは、中華鍋をふりながら、口を開いた。


「リームォ、豆板醤とってくださぁい。銀龍隊長さぁん、あの強さは正直ケタが違いますぅ」


 ホンホンは、しかめっ面のまま、首を左右にふり、髪をほどいた。


癖なのか、ケガをしているのに首を振ってしまう。「あ、()った!!」と、叫ぶ。


「そもそも、あんな化け物とどうして演習交流会になったのよ、銀龍!」


 銀龍は、キセルの灰を焚き火に捨てる。


「あー、落ち着けよ、ホンホン。腹がたっては、もっと腹が減るだろ?」


「しっかも、今回混成でバラバラなんて……リャンリャンと行動できれば、もうちっとマシだったわよ」


 銀龍は、滝のように流れている、長髪をグシャグシャにさせながら、面倒そうに頭をかく。


「あー、悪かったよー。けど、日本外人部隊のやつらの方が、チームワーク、スゲーだろぉーよー」


 マーメイは、何度か中華鍋を振り回し、各皿にそれを盛る。

 銀龍は、言葉を続ける。


「うちらは、気功ユニットやら、なんだ? あー、パーティカルロイドシステムのお陰で、つえーわけじゃないのよぉ。けどよ、ことのチームワークに関しては、どうでぇ?

しかも、人間関係は、良いんだろうけど、何か、今一歩足りないわけよぉ」


 金龍は、足を組んだまま、焚き火を眺めてる。


 リームォは、お皿を全員に配り始めながら、ボソリと一言。


「いじゃっていうとき、皆バラバラになりやすい。日本がいじん部隊の、セーラふきゅ、着てみたい」


 銀龍は、リームォに「シェンシェン」と、いいながら、銀色の扇子を勢いよく広げる。


「そうそう!! オレたちに足りないのは、ピンチだったときの、チームワーク!」


 金龍は、涼しげな顔で小く艶やかで、真っ赤な唇を開く。


「あれでしょ? 傭兵界隈の中では、一番チームワークで有名なのが、セーラーガールズ……」


 マーメイも自分の分のお皿を持ってきて、これで全員、食事の準備が整ったわけだ。


 彼女は、青いチャイナドレスのまま、膝上にお皿を乗っける。


「セーラーガールズ……。隊長さぁん、私も知っていますぅ。超絶技巧の職人的な傭兵集団ですよねぇ」


 マーメイの隣に座っている、リームォは、不器用な箸使いで、回鍋肉を、食べながら喋る。


「おねーたま、セーラーガールズ、かっきょいい」


 金龍は、箸でキャベツをつまむ。


「そうね、確かに足りないのも事実。そして、セーラーガールズの統一感は、軍隊よりも凄まじいわ。

聞いたところによると、全員、ほぼ同じ装備、遠距離不器だろうが、近距離武器だろうが、誰1人かけても補充が可能だという」


 銀龍は、眉間にシワを寄せて両眉をつり上げる。


「ふん、オレは嫌いだね、機械じゃないか!」


 金龍は、冷ややかに微笑させる。


「まあ、ああいうのって、国土がどうしても、出るじゃない?

あの人たちの行き着いた答えがそうだっていうことなのじゃないの?

日本の外人部隊もなめたものじゃないのよ。もとは、陸上自衛隊から出てきたんだけどねぇ」


 銀龍は、箸をそのまま金龍に向ける。


「あー、知ってる。今もあるけど、憲法9条大改革のときに、日本外人部隊が出てくるようになったんだよな?」


 金龍は、キャベツをゆっくり咀嚼し、飲み込む。


「そう、新憲法9条は、あらゆる日本人の温厚という言葉がひっくり返った瞬間だったわね」


「そうそう、あいつら、よりによって、一気に資源戦争に参加したんだよなぁ」


「きっかけはおいておいてね、銀龍。彼女たちは、同じ飛距離、同じ的、同じ武器、五百メートル射撃で、全員、ほぼ同じ的に当てたそうよ」


 銀龍は「へっ……」と鼻で笑いつつ、皿とお箸を地面に置く。


 大股を広げ、片足を椅子に置いた。


「まあ、いーや。とにかくよぉ、テメェたち明日はもっと気張って演習頑張れやぁ……それと、ボスには手を出すな。オレも金龍も手出しはされていないし、してねぇからよぉ」


 金龍は、クスクス肩を動かしながら、笑う。


「もし、やったら、どぉーなるかぁわかってるわよね、みんな?」


 金龍の不気味な表情を見ると、リームォが、背の高いマーメイの後ろに隠れる。


「おねーたま、金龍こわい……お尻、ぺんぺんされりゅ……」


 マーメイは、口許をふき、箸を置く。


「大丈夫よぉ、リームォ……。お姉ちゃんのいうこと聞いていればぁ、大丈夫だからぁ」


 リームォは、無言で頷く。


 ホンホンは、顔が青ざめている。


「二度と、あんな刑罰受けたくわないわ」


 金龍は、そんなホンホンを一瞥し、笑う。


 どんな種類、なんの笑いかは、全くわからないので余計にホンホンは、ゾッとしている。


「あらあら、ホンホン。また、あれを食らいたいの?」


 リームォは、ホンホンに近づく。


「ホンホンの顔、すごい青いよぉ」


 ホンホンは、リームォのちっちゃい両肩をわしづかみにし、刑罰の内容を教える。


「いい? リームォ、金龍のお仕置きは、凄いのよ!!」


 リームォは、上目遣いだ。


「しゅごい……?」


「そうよ、全身に針を打たれて、動けなくさせられたあげく……」


 リームォの、細い喉元が動き、固唾を飲む。


「ずっとくすぐられちゃうのよ!! しかも、超絶的ピンポイントで!! あ、あれは、確か、六時間ほどくすぐられ続けていたのよぉ!!」


 その瞬間、リームォの瞳孔が縮み、そそくさとマーメイの後ろに隠れなおす。


 金龍は「ぬふふふふふふ!!」と、笑いながら両手を動かして、リームォに近づこうとしてるので、リームォは、余計に隠れる。


「やっぱ、きんりゅう、こわぁい、、、、」


 銀龍は両手を叩いた。


「へぇへぇ、金龍。お遊びこれくらいにしてよぉ、オレたちは一旦綾たちの所に戻ろぉぜぇ……」



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