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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
118/178

4-38 レッドバニーガールズVS毒ガスコマンダー鷺沼 その2

 


 -------N.A.Y.561年 7月3日 21時30分---------



 暗がりの中、バニーガールズたちは暗視機能付きのガスマスクをしている。


 地下道は下水道ではなく、清潔な街を保つために、多少綺麗な中水道が存在している。


 下水道ほどはひどくはないところを通っているのだ。


 保守の為に、ある程度は大きく作られているが、バニーマムに関しては、たえず中腰で移動するしかない。


 他の隊員とは異なり、マムは六角形の眼帯をしている為、フルフェイスのガスマスクはしていない。


 口許だけ覆うガスマスクをしている。


 パーティカルロイドを使用しているとはいえ、相手はあの服部半蔵。


 全員にも特製ワクチンを配布しているが、油断できない。


 毒ガスを使われたときは、一刻も早くワクチンを使用するしかないのだ。


 パーティカルロイドの粒子が全身を駆け巡ってはいるものの、1型を使用しているため、パーティカルロイドシェルがいつ切れてもおかしくない。


 かれこれ、1時間以上引っ掻き回して、ようやく逃げ道の無い一通路へと追いつめたのだから。


 内耳の通信網から声が聞こえる。


「バニー2(ツー)定位置に到着しました!」


「バニー3(スリー)も到着したにょん!」


「バニー4(フォー)……到着……」


 作戦中なので、お互いにコードネームで呼び合っている。


 2は真ん中、3は左側、4は右側だ。


 その奥には服部半蔵鷺沼が暗闇の中へと潜んでいる。


「さあ、来なさい、服部半蔵!!」と、バニーマムは声を潜めてつぶやいた。


 そして、コールタールのように真っ暗な空間から、声が聞こえた。


「うひひひひひ!! レッドバニーガールズ、やるじゃぁあああああないかぁあああああ!!」


 相手もガスマスクをしているが、よもや、化け物のような大声で叫んでいた。


 バニー4の声がした。


「バニー4、奥から人が沢山出てきました!! ハッキングされた中国国防部の兵士だと思われます!!」


 マムは、指示を出す。


「手段は選ばない、無力化しろ!!」


「アイコピーマム!!」


 バニー4は、ガスマスクの奥から真っ赤な瞳を光らせて、マチェーテを腰の鞘から抜く。


 五回ほど暗闇の中でマチェーテを振った。


 中国国防部の者達をあっという間にわき腹から豪快に切断する。


 バニー4からの通信だ。


「マム、二人逃がしました!!」


 マムが最も後方だ。


 即座に命令する。


「バニー5(ファイブ)とバニー6(シックス)、着剣チャージ用意!!」


 バニー5と6の声が同時に聞こえた。


「あーい、アイコピマム!!」


「アイコピー!!」


 小銃にバヨネットを取付け、あっという間に服を刻んだ。


 バニー6(シックス)から声が聞こえる。


「マム、すいません!! 残り1名です!!」


 マムの右目の高性能眼帯が真っ赤に光る。


 モードを切り替えて、予測モードに変更させた。


 奥側から、ゾンビのように両腕を失っている状態で、マムに襲い掛かる。


 バニーマムは肩ひもをぶら下げている小銃で対応するよりも、立ち向かってくる兵士の喉元を左側の片手で掴む。


「ああら、私に力で勝てるのかしら?」と、つぶやくと、あっという間に兵士の首がへしちぎれる。


 左手のグローブは赤い血に染まってるのだ。


「私はバトルドレス抜きで、常時200キロ程度しかないわ。現在バトルドレスを着ているから、400キロよ!!」


 倒れたゾンビの背中へと赤いハイヒールのかかとが突き刺さる。


 首がないのに、水中を泳ぐようにあがいている。


 マムは冷ややかな瞳でそのOD色の物体を見下げた。


「ふーん、それでも動くのね。やはり、パーティカルロイドシェルを断絶するしかないのかしら?」


 マムは、そのまま背中へ手をのばし、ハイヒールで抑えたまま、襟元をつかんで一気に引きさいだ。


 マムの力だったら、容易い。


 ようやく肌色が見えると、その物体は止まった。


「やはり、これが一番みたいね……」


 バニー4から通信だ。


「マム!! 服部半蔵が毒ガスを使いました!!」


「各自、フミガータスのワクチンを使用して!!」


 11名全員から応答の返事が同時にする。


 これで、全員分の安否がわかった。


「各自、近接戦闘の準備をして!! さあさ、ウサギちゃんたち!! 脱兎のごとく突撃よ!!」


「アイコピー!! バニーマム!!」


 全員が一斉に一通路の行き止まりまで駆け抜けていく。


 バニーマムたちは、一気に相手を追いつめた。


 服部半蔵は黒い装束を見に包み、ガスマスク越しでも笑い声が聞こえる。


 どんなに窮地に追いつめても、ヤツは笑っているのだ。


「うひひひひぃ!! レッドバニーガールズ……。面白いなぁ。本当に面白いなぁあああああ!!」


 身を四つん這いになるほど低くさせ、そのまま一気に駆け抜けようとした。


 あっという間に、バニーマムの所まで駆け寄る。


 そのスピードは、他の隊員のトリガーを引くよりも早く、バニーマムの眼前まで迫った。


 バニーマムは中腰のまま、相手のクナイを見切り、右頬すれすれでかわす。


 一瞬のうちに、マムの眼帯を止めているゴムひもが切れる。


 マムの赤い右目があらわになると同時に、クナイを持っている手首をつかんだ。


「覚悟しなさい? 毒ガスコマンダー鷺沼!!」と、マムは奥歯に力を入れ、相手の手首を砕いた。


「うひひひゃぁあああああああ!!!」と、鷺沼はそれでも抵抗する。


 マムの腹に目掛けて、サイバー足袋で彼女の腹を蹴った。


 マムは多少よろけ、相手と距離が離れる。


「バニー11(イレブン)!! 相手の後頭部へ目掛けてナイフですくいあげて!!」


「アイコピーマム!!」


 バヨネットの先めがけて、服部半蔵の頭巾のみを器用にすくいあげる。


 さすがの服部半蔵も後ろにカメラアイなどは装備していないため、その攻撃を免れることは出来なかった。


 服部半蔵の顔があらわになると同時に、バニーマムは携行用ライトを相手の顔面に向ける。


「うぎゃあああああ!! めがばがぁぁああああああ!!」


 相手にスキができた瞬間、そのままマムは相手の両足を払う。


 服部半蔵は仰向けに倒れつつも、あがこうとするので、バニーマムはしゃがみ込み、喉元をつかみ徐々に力を入れていく。


「ぐ、ぐぎゃがあぁああ、せっしゃはぁあああぁあああ!!」


 相手の顔が急激に青くなり、頸動脈のがグローブ越しでも伝わる。


「なあに? どうしたの? このバニーマムに返事すらできないの?」


 特殊なガスマスクをした女の子が、オープンチャンネルのまま話しかける。


「マム、それ以上やってしまうと!!」


「殺しはしないわ? 半殺しにしてあげようかしら? 前回の時のユグドシアル大陸の件もあるしね、どう? 苦しい?」


「マム、お願いです!! 私に代わってください!!」


「せっしゃはぁあああぁあああ!!!!」


 口許から泡があふれている。マムの握力も相当なものだが、相手のゴキブリ並みの生命力に、他のバニーガールズたちも閉口していた。


 ガスマスクをしている女の子は、左肩にぶら下げている携行用ポーチから、酸素マスク用の小さなスプレー缶を出した。


「これでも食らいなさない!!!」


 彼女は思いっきり、相手にそれをかぶせ、スプレー缶を押す。


 無理やり相手に吸わせる。


「ギャー!! これはぁああああああ!!」と、叫んだ瞬間、服部半蔵は仰向けに気絶した。


 ガスマスクをしている女の子は、立ち上がる。


 よく見ると、右耳には「G」と形どられているピアスと、右耳には「CO2」と形どられているピアスをしている。


「バニー7(セブン)ありがとう止めてくれて。危うく報酬を失うところだったわ……」


「いえ、こちらこそ、マムが足止めてくれなかったら、これで気絶させることもできませんでした」


 バニーマムは、赤い右目を光らせて笑う。


「いい、私達に逆らうと痛い目に見るわよ……」


 マムは高性能眼帯を拾い上げる。


 他の隊員たちは、気絶している服部半蔵に拘束具を着させた。


 バトルドレス対応の拘束具なので、自力で脱出するには不可能だ。


「でも、バニー7……いいえ、アスペルギルスちゃん。本当に聞いたわね、このガス……」


 ミリタリーコートを着ている、ガスマスク姿の少女は、マムと通信を介して話している。


「人には人の弱点があるものです。ようやく、何とか捉えましたね……。さっさとコイツを国防部へと渡してしまいましょう」


「そうね、作戦は終了!! さっさと地上へ戻るわよ!!」


 総勢11名のウサギたちは、ガスマスク越しからのぞく赤い瞳を光らせて、マムへ振り向き返事をした。


「アイコピー……マム!!」



バニーマム


年齢27才?

女性

身長180センチ

髪 ブロンド長髪。

肌の色 白人

瞳 右目 赤 左目 オッドアイ

人種 アメリカ人

口癖 この美女に文句ある?

利き腕 左手

コードネーム バニーマム、マム

BWH: 90 53 80

体重 77キログラム


チームのボス。

左目は青い瞳。

右目は黒い眼帯をしていて、ウェーブのかかった金髪の美女であり、ボスとしての迫力もある。

右目の眼帯を外すと、一応目は見えているが、ほとんど視力はない。

なので、高性能眼帯で視力をカバーしている。

六角形の高性能眼帯は、旧世代と言われているが、マムはとても愛用している。

眼帯を外すと、右目は赤い瞳をしている。

眼帯だけの生活をしているため、戦闘時以外は、実生活の時には左手利きになってしまった。

眼帯をはずせば、実は、超絶的アメリカン美女。

右目の眼帯にはパーティカルロイド技術を利用し、眼帯が視力補強と、情報収集。

衛星情報を見ることが可能になっている。

アメリカ政府とは既に繋がってはいないが、ある程度の技術をパーティカルロイドコアを交換条件に、取引をしている。

年齢は不詳だが、見てくれは二十代後半ぐらい。


元アメリカ傭兵女集団レッドバニー所属。

当時は副リーダーを務めていた。

長身の体格に似合わず、身軽な跳躍力と素手で戦車を転がせるほどの、怪力が特徴。

チャイナガールズのマーメイ以上の怪力の持ち主。

戦争相手からは、彼女がやってくるだけで、弾丸の命中率が悪くなる。

ウサギのようにぴょんぴょん跳ね回る様、気づいたときには、死んでいると言われるほど、

十字聖教騎士団から畏怖の念を込め「レッドバニー」と呼ばれていた。


非常に面倒見がよく、命をかけていることからか、いつでもみんなが帰ってこれるような場所を作ろうと、

レッドバニーガールズを結成したいきさつがある。

その為、彼女たちに頼む依頼人たちから金額の交渉も任されており、非常に強欲とも言われるが、

傭兵は非常にウェットワークでありながらも、値段に合わないと言われており、

全くひかない態度を取ることが多い。


実は中絶経験があり、

だからこそ、部隊内を守りたいという思いが強く、隊員一人一人を我が子のように思っていて、粗暴な銀龍とは一緒。


細身な方ではあるが、重いものを持つことを得意としており、バズーカを片手で二丁持つことも出来るし、

さらには装甲車を一人で持ってしまうことも可能。

ちなみに、細いハマキとウィスキーのロックが大好き。

使用武器は、レールガン、対物ライフル、ミサイルなど。とにかく、ごつくて重いもの!!

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