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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
112/178

4-33 襲来、黒龍会!! その2


 シャオイェンですら、少し汗ばんでいた。


「凄いですね。なぜあの人たちは物おじしないのでしょうか?」


 その言葉に、畏怖の念が込められている。


 黒服達はこれでもかというほど、入ってくる。


 既に五人以上やられているのに、足音は鳴りやまない。


 黒服達は、死体を踏もうが何だろうが、ユーやヨンジーにそれでも容赦なく拳銃を向けてくる。


 五人一度に黒服達が入った瞬間、男一人が叫んだ。


「ぎゃあああああ!!」


 レイレイは何とか小麦粉をテーブルの後ろまで運んできたが、シャオイェンの横で、そっとテーブルから顔を出した。


 久々の怪力を見せつけられていた。


 先ほど気絶していたスゥ ウェイがいつの間にか立ち上がり、巨体を起こして、黒服を片手で持っていた。


 横に倒れているテーブルに向けて叫ぶ。


「二人ともぉ!!! テーブルに全体重をかけてくれぇ!!」


 レイレイとシャオイェンは、気を巡らせ、全体重を鋼鉄製のテーブルに体重をかけた。


 二人が抑えているのに、爆発音がして、テーブルは後ろへと下がった。


 その音が五回ほどなったら、既に終わっていた。


 黒服達の足音はいつの間にか気づけば消えていた。


「ようし、二人とも顔を出していいぞ!!」


 二人の目の前には、黒服の死体が五つも転がっていた。


「うわ、うっそ、なかなかえぐいわね……」と、レイレイですら、呆気にとられていた。


 テーブルに向けてウェイは、怪力で黒服達を投げていたのだ。


 黒服達の無残な亡骸は、首の骨が折れていたり、四肢がもげていたりしている。


「なるほど、驚異的な怪力な方ですね。メイドインガールズとほぼ同等のパワーとみました」


 ユーは、後方のテーブルへ向けて叫ぶ。


「レイレイちゃん、小麦粉と中華鍋は用意できた? ウェイさんと会長は部屋へ逃げて!!」


 老人は血だらけになった、エプロン姿のまま「ほほ」と言いながら客室へと向かう。


 ウェイは、大きな体躯を屈まさせ、老人と一緒の部屋に入る。


 レイレイは5メータ先のユーに向けて叫ぶ。


「ユーさん!! 私たちも手伝うわ!!」と、レイレイは中華鍋を放り投げる。


 ユーは飛んできた中華鍋の取っ手をつかんで、玄関へ振り向いて構えた。


「いーのよいーのよ、ここは裏九龍城国カォルンセングォ!! こういう襲撃に備えて色々な事に備えているのよ!! おねーさんにお任せあれ!!」


 ユーは黒い下着姿のまま、笑う。


「レイレイちゃん、小麦粉はテーブルの前に置いてね!!」


 レイレイはシャオイェンと協力して未開封の小麦粉を、盾代わりとなっている、テーブルの前に置いた。


 テーブルはこれでもかというほど、弾丸が転がっている。


 このテーブルが相当特殊な素材であることに、レイレイはようやく気付いた。


 ユーは片手で小麦粉を持ち上げる。


 シャオイェンがその様子を見て口を開く。


「あの方、なかなか怪力ですね……。私たちはチャイナドレスを着用することでパワーが増幅しますが、あのユーさんという人は素で結構なパワーを持っていますね」


「そうね、伊達に裏九龍城国の人々じゃないわけよね」


 ユーは、小麦粉を開封させ、中華鍋ですくい、そこら中に放り投げる。


「さあ、来なさい、黒龍会のおザコさんたち!!!」


 そして、真っ白になった粉塵がそこら中に舞う。


 レイレイとシャオイェンは、彼女の白く美しい背筋を見つつ、会話している。


「何をやろうとしてるのかしら?」


「小麦粉?……なるほど、そういうことですか……」


「なによ、シャオイェン。分かったの?」


「まあ、傭兵部隊のレッドバニーガールズがたまにやる戦法かもしれませんね?」


「え? 意味がわからないわ」


「まあ、見てのお楽しみですよ……」


 小麦粉がまかれすぎて、辺りは白いスモッグのように粉が舞う。


 その奥から、ゆっくりと一人の影が現れた。


「くそ!! これだけのやつら集めても全滅かよ!!」


 遅れてくるように、黒服が一斉に入り込む。


「てめぇら、いいか、必ずしとめろ!! おんやぁ? 目の前にいるのは、ユーさん一人だけじゃねーかよぉ!! そのかっこう、わざわざサービスかぁ?」


「イーミン、あんた、裏九龍城国の均衡を崩そうとしているみたいだけど、そんなのはやめた方がいいわよ!!」


「うるせぇ、このアマ!! てめぇら、構えろ!!」


 イーミンは黒服達を先頭に立たせて、後ろで吠えている。


 テーブルに隠れているレイレイに、一通の着信が入る。


 ルェイジーからだ。


 銃声が遠くで聞こえ始めた。


「な、ちょ、ルェイジーちゃん、間が悪すぎるわよ!!」


 レイレイの隣りでシャオイェンが小言をもらす。


「まったく、下着姿の女性を、襲うなんてレディに失礼ですね!!!」


 弾丸がテーブルに当たるたび、鋼鉄と鋼鉄をぶつけた音が鳴る。


「アイヤ、大丈夫アルか?」


「全然っ、問題ないけどね!!!」


「また後で連絡した方が良いアルか?」


「そうね、落ち着いたら連絡を返すわ」


 レイレイは、少しだけ頭をあげる。


 トンファーと中華鍋がぶつかる。


 イーミンという男は、スタンガンに、トンファーを持ちながら戦っていた。


「へへ!! てめぇ、イイ女じゃねーかよぉ!!」


「うわ、何アイツ!! ひくわー……」というところで、ルェイジーと音声を切った。


 そして、中華鍋に向けて、イーミンがスタンガンをオンにした。


 ユーは中華鍋を即座に捨てて、スレンダーな身体を翻しテーブルへ向けて走り始める。


 床に伏せている黒服達などお構いなしに踏みつけていく。


 レイレイの隣りにいたシャオイェンがテーブルへ体重をかけ始めた。


「何やってんのよ?」


「いいから、テーブルに体重をかけてください。すごい衝撃が走りますよ!!」


 レイレイはシャオイェンの言われ通りに、テーブルへと寄りかかる。


 ユーがテーブルを越えようとして跳躍したところで、粉がものすごい勢いで爆発した。


 ユーは吹っ飛ぶが、既にテーブルを飛び越えていたので、吹っ飛びつつも壁に衝突する程度で済んだ。


 レイレイとシャオイェンも二人でおさえていなかったら、危なかった。


 先ほどの人を叩きつけた時よりもかなり後ろへテーブルが下がったからだ。


「あいたた……」と、ユーは白い腰に手をあげながら、上半身を起こす。


「二人とも、大丈夫? というか、まだ顔とか上げない方がいいわよ!! 粉が鎮まるまで、待っていて!!」


 シャオイェンは、瞳を輝かせて四つん這いのまま、ユーの傍へ駆け寄る。


「ユーさん、凄いですね!! 粉塵爆発ですね!!!」


「テテ……そうよ。粉塵爆発は、粒子の細かい粉が集まり、それが舞うことで、電気や火を元に爆発するのよ。

ここのアジトはね、元からそれを考慮して設計されているの。

あらゆる部屋が武器になるように工夫がなされているのよね? しっかし、相手が大バカ者で良かったわ。

まんまとスタンガンを使ってくれるなんて……」


 ユーはすぐさま確認のため、テーブルから顔を出す。


 イーミンが真っ白けになって、口許から舌をこぼし、仰向けに倒れていた。


 どうやら、玄関横の壁に後頭部をぶつけて気絶したようだ。


「本当にダサいわね、おねーさんあんな男とは付き合わないわ。

付き合うんだったら、やっぱ若々しいチャオ君ね!!」


 レイレイは、固唾をのんでユーを見つめていた。




チー 一铭イーミン


黒龍会所属。

シィウェンの手下。

死んだ魚の瞳のようにやる気のない表情が多い。

男性、31歳。

金髪の髪をオールバックにしていて、金色のネックレスをしている。

入会したばかりなので、クンフーもそんなに強くないのと、

ヌンチャクを振り回すが、自信で扱えない。

ヌンチャク片手に、スタンガンという、よくわからない戦闘スタンスになっている。

スタンガンを所持している。

非常に、頭が悪く、ゲスイ手口を使う。

そこら辺のありとあらゆるものを、武器に使用したりするので、侮れない所もある。

が、所詮は雑魚なので、結局レイレイ達にあっという間にやられる。

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