4-31 ルェイジーちゃんの新技!! 名付けて「眠拳!!」
チンヨウが心配しているその頃。
黒服達は入った瞬間、下着姿のルェイジーを見下ろしている。
トリガーを引くが、ものすごい反射速度で左へと寝返りをうつ。
布団には一つの焦げ跡がついた。
「ムニャムニャ……」
「な、バカな!!!」
もう一人の黒服がトリガーを引いた。
今度はルェイジーは右へと寝返りをうつ。
真ん中にいる黒服が「何やってんだ!!」と叫び、ルェイジーの白く健康的なお腹にゼロ距離で銃口をくっつける。
「ムニャ!!!」と、ルェイジーは突如男の金的目掛けて両足を蹴り上げた。
黒服の金的は、強烈に響き、威力が突き抜け、そのまま4メーター天井へと黒服は吹っ飛ぶ。
天井のコンクリートに黒服の頭がぶつかり、首の骨を折って、黒服の体躯は落ちた。
「う、嘘だろ!!!」と、もう一人が動揺しているところ、チャオが扉ごと蹴破り、黒服の背中が押される。
ルェイジーはそれと同時に、目をつぶったまま立ち上がる。
「むにゃ、チャーハン、おいしい、アルネ!!!」と、黒服の腹を蹴り、チャオは黒服の顔面に拳をめり込ませる。
ルェイジーは跳ね返ってきた黒服の鳩尾に肘を食い込ませる。
黒服は後ろへとよろける。
更にチャオは跳躍、両足で黒服の背中を蹴り飛ばす。
ルェイジーは、掌底を出し、黒服の腹にめり込ませる。
チャオは、目つき、喉つき、方拳を突き出す。
ルェイジーはすぐさま、そのまま両手を縦に突き出した。
「かめはめはー、アルネ!! むにゃ……」
見た目はコミカルだが、その掌底は黒服の体躯を突き抜ける。
「やべ!!!」と、チャオはすぐさま迫りくる黒服の背中をかわした。
黒服のガタイの良い身体は、そのまま吹っ飛び、リビング奥まで向かって行く。
チャオも口をただ開けるしかなかった。
「むにゃり、アルネ……」
チャオは両腕を後頭部に運び、一人残った黒服と顔を合わせる。
「オレを狙うか、ルェイジーの眠拳を狙うか、好きにすればいーんじゃね?」
黒服はどちらを狙うか、迷った挙句、ルェイジーに拳銃を向ける。
「くっそおぉぉおおお!!」
右へ左へとルェイジーの長い紫色の髪が揺れる。
「むにゃり、むにゃり……」
拳銃の銃口が火を噴くたびにルェイジーは全てかわしている。
「う、うそだあああああ!!!」
そして、ルェイジーが黒服に近づいた瞬間、眠ったまま眉を吊り上げ叫んだ。
「ド変態、エッチ、アルネーーーーーーーーーーーー!!!」
跳躍し、両足が黒服の顔面へとめり込む。
サングラスが砕け、部屋を通り越して黒服の男はゴロゴロと転がっていく。
リビングにいたチンヨウは、黒服の男の顔面へ真っ黒な中国靴で踏み込んだ。
ルェイジーは、ぱたりとそのまま枕を抱きながら、また眠りへとついた。
チンヨウがようやく入る。
「ルェイジー君、大丈夫か?」
静かに、ルェイジーはスヤスヤと寝ている。
「むにゃり、もう、おなかいっぱいアルネ……」
チャオがチンヨウに振り向くと、後ろに影がぼんやりと見えた。
「チンヨウ、後ろ!!」
チンヨウの後頭部に固い感触が押し付けられる。
「うごくんじゃねぇ……チンヨウ」
両方の眉毛を歪ませて、先ほどの温厚で弱い印象の男とは別人格の男が突っ立っていた。
「なるほど、ロン。貴様ドラゴンテロリストか!」
「ふん、こんなちっぽけなドラゴンマフィアごっこも終わりだぜ」
チンヨウは、両手を挙げた。
「貴様は会へ入ってからは非常に浅い。そして、貴様のクンフーが少しぐらい輝いてほしかったものだな……」
チャオがいつでも動けるように構えるが、チンヨウはチャオを動かないように指示を出す。
「チャオ君。きみが動くことなどない……」
「でもよ、チンヨウ……」
「いいから、動くなチャオ君。きみは正しい道を行かねばならない。良いクンフーとは闇に染まることや光に当たることではない。
本当の正しいクンフーとは、光と影の一対だ……。貴様、やはり私の事をもっと調べておくべきだったな……」
ロンは唇を歪ませる。
「あぁん? いいからよぉ、黙ってろよぉ。てめぇはここで死んで、オレは報酬をもらう!! シンプルな答えだ……」
「そう、やすやすと倒せると思うか? この私が、この裏九龍城国へやってきて、既に10年ほど経つ。
だが、私のクンフーはまだまだ道の途中だ。ロンよ、貴様にはその意味がわかるまい……」
「うるせぇ!!! ごちゃごちゃと! 死ねやぁあああ!」
ロンは、トリガーを引いたが、カチリと、かわいた音だけが響く。
「貴様は、まだ分かっていないようだな。弾丸などとっくに抜いていた。そして、もしドラゴンテロリストがいるならば、必ず正体を出すことは明白だった。
私が得意としていることは、あらゆる銃に対して、その手段を封じることだ!!」
後ろを向いたまま、ロンの右手を封じ、チンヨウはそのまま右足をあげて、金的、振り向きざまに頬へと肘を打つ。
相手が、後ろへとバランスを崩したところを、相手の脛へ垂直に体重をかけた。
ロンの斜めになっている脛の辺りから鈍く乾いた音が響き渡る。
「ぐああああああ!!!」
ロンは室内を転げまわっていた。
気づくと、長く白い髭を撫でながら、老人はロンを見下ろしていた。
「残念じゃったのう。ドラゴンテロリストなんぞに落ちてしもうて……」と、老人はロンの顔面を踏みつけた。
ロンの叫び声と動きは止まった。
だが、ロンの顔は実際にふみつけられてはいなく、ロンは恐怖のあまり気絶してしまった。
「ふん、度胸もないのに己のクンフーを捻じ曲げるようなことをしてしまったか……」
「チンヨウよ、大丈夫じゃったか?」
「老師様こそ、助けに行けず申し訳ありませんでした」
「そんなことないわ、久々の良い実戦じゃった……」
「は、ありがとうございます。しかし、こやついかがなさいましょうか?」
「ま、わしは裏切り者だとしても、多少は目をつぶる。
チンヨウが決めなさい。クンフーをただせば、この者は再起はあるか、それともダメなのか……。
お前さんが決めなさい……」
「私としては、今回の件に非常に直結しているのは間違いありません。彼に情報を聞き出すのも手なのではないかと……」
「そうじゃの、処分は今回の件の後でも構わんじゃろうて……」
「分かりました。ではヤツから情報を聞き出すのと、かたずけねばなりませんね?」
チャオは、ルェイジーが寝ていた客間を出て、そこら中に横たわっている、黒服を突っつく。
「そういや、ユーたち、大丈夫かな?」
「ふむ、彼女たちも大丈夫だと思うが……」
そして、紫色の髪の長い少女があくびをしながら出てくる。
「うーん、ルェイジーまだまだねむいアルー」と、ようやく目が覚めて、周辺を見渡す。
そこら中に黒服達がうめき声をあげながら横たわっているのだ。
「アイヤ!!! 何があったアルネ!!」
チャオは、無表情のままルェイジーへと振り向いた。
「おめーさん、寝ながら戦っていたぜ。俺はそれを見て、新たな拳法、眠拳と名付けたぜ!!!」
「アイヤ!! みんけん、格好いいアルー!!! ルェイジー、また強くなったアルネ!!」
ルェイジーはぴょんぴょん弾みながら、喜んでいる。
彼女の瞳が青くなる。
「レイレイたちにコンタクトしてみるアルネ!!!」
ルェイジーはレイレイに通信をかける。
レイレイ達は絶賛交戦中だった。
「な、ちょ、ルェイジーちゃん、間が悪すぎるわよ!!」
完全オープンチャンネルで開いているのか、シャオイェンの叫び声も聞こえる。
「まったく、下着姿の女性を、襲うなんてレディに失礼ですね!!!」
拳銃の音がそこらじゅうで響き渡っている。
「アイヤ、大丈夫アルか?」
「全然っ、問題ないけどね!!!」
「また後で連絡した方が良いアルか?」
「そうね、落ち着いたら連絡返すわ。うわ、何アイツ!! ひくわー」というところで、音声がきれた。
「チンヨウシェンシン、レイレイ達、交戦中アルネ!!!」
チャオはチンヨウに顔を向けた。
「どうする? 加勢しに行く?」
白い髭の老人は、冷蔵庫を見渡しつつ、気絶しているシャオディの傍に寄る。
「チンヨウ、さすがじゃのう。以前よりも相当威力が上がっとるわい」
「その前に、コイツらを締め上げて色々と聞こうではないか……。私はシャオディをとらえる。
チャオ、ロンをとらえてくれ。
それと、老師様、周辺に散らばっている神龍会に電話をしましょう。片づけを手伝ってもらいましょう」
老人は、これだけの乱戦ながら、奇跡的に無事だった壁掛け式の電話機の受話器を取った。
「よう、わしじゃ……」
ルェイジーは、玄関にあるスイッチをつける。
暗がりだった部屋は、一気に明るくなった。
傍に倒れている黒服を見下ろす。
「アイヤ!! すごいアルネ、最小の力で黒服さんたち、喉元がおられているアルネ!!!
さすがは、神龍会会長さんだけアルネ!! ルェイジーもぞっとしたアルヨ!!」
「とりあえず、ルェイジー君も手伝ってはくれぬか?」
「アイヤ、任せるアル!! ルェイジー、ロープをグルグル巻きにするのは、訓練したアルヨ!!」
チャオは気絶しているロンをロープで巻きながら、話す。
「何だよ、チャイナガールズって、そんなことまでするのかよ?」
「ルェイジー、勉強は苦手アルけれど、でも、そんな銀龍でもチャイナガールズにおいてくれるヨロシ!!」
「ふーん、あのおばさんが、そういう人なんだー」
「銀龍おばさんじゃないアルヨ!!」
「まあ、どっちでもいいんだけどよ……」
チャオは「よいしょ!!!」と、ロンを縛り上げる。
「とにかく、ハッキリ言えることはよ、黒龍会が本気を出してきたことだ。
あの、ユーや赤い服を着ている人たち、大丈夫かな?」
チンヨウも、気絶しているシャオディを完全に縛り上げる。
「これでいいだろう。あとは老師様にお任せしてもよろしいでしょうか?」
「うむ、良いじゃろう……」
チンヨウは鋭い瞳を、更に細めた。
「いよいよ、潰しあいが始まるか……」
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