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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
100/178

4-21 牙龍会VS黒龍会!!

 

 チャオの右隣りにある扉が開き、黒いスーツ姿の男たちが二十人ほどぞろぞろと入ってくる。


 チャオはスーツの左胸にある鈍く黒く輝くバッヂが見えた。


 龍が彫られているバッヂだった。


「な、黒龍会!!」


 チンヨウは、すぐにクンフーを構える臨戦態勢に入った。


「貴様ら、我々に何の用だ!!」


 黒いスーツ姿の男たちが全員出そろったところで、カツリカツリと、地面と固いものが触れ合う音が響く。


 開いたままの扉から、サングラスにオールバック姿の男が入ってきた。


 杖を突きつつ左足を引きずりながら、入ってきたのだ。


「よう、皆さんお揃いのようだ……」


 男は笑いつつ入ってきた。


 その男の歯は金色に輝いていて、全て金歯で作られている。


 いかにも成金のような風体で、体格も中年男性特有の恰幅の良さだ。


 チンヨウは、構えをとかずにその男と対峙する。


「チャオ君、下がっていてくれたまえ!!」


 チャオよりもチンヨウは前に出ていく。


「ぉおう、誰かと思えば、お前か? 神龍会のチンヨウか。その後ろは拳龍会のチャオ、さらにその奥には五爪龍会のユーか……」


 ユーは顔から下まで舐め回されるように感じたので、胸元に腕を交差させて、隠す。


「おねーさん、絶対にこいつらの手下にならないから……」


「これから、でかくなるという組織なのによお、揃いも揃ってこう手練れが揃っているとよお、ワクワクするぜ!!」


「何よ、あんたたち、最近は人身売買しているそうじゃない!!」


「なあに、今に始まったことじゃねーだろーよ……ユーさんよ?」


「人身売買だけじゃないでしょ!! アヘンも相変わらず地下のどこかで作ってるという噂も聞いているし、おねーさん全部わかっているんだから!!」


「ふーん、まあアヘンはオレの管轄じゃないな……」


 粉々になった闘技場の奥側にいる、ヤオとビャオに注目する。


「おっと、忘れていたぜ!! お前さんたちには興味がない。それよりも牙龍会をつぶしにきた!!」


 二十人ほどのスーツ姿の男たちが拳銃を構えた。


 気絶していたヤオはようやく頭を二度ほど振って、立ち上がる。


 ビャオは、やれやれという感じで立ち上がり、白衣からマスクを取り出し口元を覆う。


「ヤオさん、手術開始ですよお!!」


「へえ、わかりやしたぜえ、ビャオ会長」


 ヤオはゆっくりと大きな体躯を立ち上がらさせる。


 そして、首の骨を二度ほど鳴らしてから、少林拳の構えをさせた。


「私はですね、絶えずリスクは考えているのです……」


 ビャオの隣りにある入り口から、ぞろぞろと白衣を着ている者たちが入ってくる。


 その人数は15人ほどだ。


 ビャオは白衣の内側を覗かせる。


 銀色のナイフみたいのが白衣の内側に何十本も刺さっているのだ。


 だが、それはナイフではなかった。


 ナイフよりも柄が細い。


 手術用のメスだ。


 ビャオはそのうちの一本だけを取り出し、黒龍会へ向けて叫ぶ。


「あなたたちに白衣を提供して、さらにはあなたの部下の治療代も踏み倒しですか。

我々と黒龍会の関係も……これで終わりですねえ!!」


 叫ぶビャオに対して、杖の男は「おまえら、やれ!!」と顎で指示を出した。


 男がチンヨウたちに一瞥をさせ、そのまま扉へと行く。


 チャオが真ん中に立っているルェイジーに向けて叫ぶ。


「ルェイジー、こっちへ来い!! 絶対やばい、混戦になる!!」


「アイヤ!! そうアルネ!! パーティカルロイド起動アルネ!!!」


 ルェイジーの体全体に幾何学模様がはしる。


 黒龍会側は、牙龍会へ向けて発砲。


 ルェイジーは巻き込まれるが、薄青いバリアに全てはじかれる。


 牙龍会側は幾人か足をおさえたりして動けなくなる。


 白衣を着ている牙龍会側が、メスを取り出す。


 拳銃を構えている右手をメスでなぐ。


 完全に静脈を狙っているのだ。


「ぐあああああ!!」と、男はあふれ出る赤い右手をおさえながら、拳銃を落とし膝をつく。


 もう一名が容赦なく、その男の喉元へとメスがのびる。


 叫ぶ暇もなく、黒服は絶命した。


 黒服の男はトリガーを、ビャオへ向けて引こうとした。


 だが、ビャオは驚異的な速度でかわし「ヒャオ!!!」とメスを投げてスーツの男の目へ。


「ぐぎゃあああああ!!」と仰向けになりながら、黒服は拳銃を落とす。


 そして、ヤオのヤクザキックが男の顔面へ放たれる。


 男は、壁の端っこまで吹っ飛んだ。


「やっぱ、俺つえーわな。あんな小娘に負けるなんておかしすぎる……」


 ヤオの後ろに向けて銃口が向けられる。が、拳銃の男はすぐさま叫ぶ。


「ゆ、指があああああ!!」


 すでに牙龍会の者が右手を狙っていた。


 ルェイジー達四人組は血しぶきと、硝煙のさなか、冷静に会話をしている。


「うむ、これはさすがにやばいな」と、チンヨウは拳銃を持っている黒服姿の男の肩を踏みつぶし、その手をねじってへし折る。


「アイヤ!! なかなか、刺激的アルネ!!!」と、ルェイジーは胸元に来たメスの柄を一瞬でつかみ、白衣の男に投げ返し、喉元にヒットする。


「おいおい、ちょっとやべーんじゃねーの? チンヨウさん!!」と、目の前で拳銃を構えられた瞬間、目つき、のど付き、金的をすべて叩き込み、拳を相手へ叩き込む。


 黒服はリング傍で戦っているヤオの方へと吹っ飛び衝突する。


 ヤオの身体は一切ぐらついていなかった。


 龍の形相でチャオをにらむ。


「ガキャア!! じゃますんじゃねぇ!!」と、吹っ飛んできた黒服の男を片手で持ち上げ、拳銃の弾丸を防ぐ。


 チャオは、背中を丸くさせた。


「おー、ヤオのヤツ、こえーこえー……」


 ユーは、周辺から飛んでくる弾丸やナイフを中華鍋ですべてかわす。


「さすが、特性の中華鍋ね!! 弾丸もメスもマルチ対応!!」


 右手が使えなくなっている黒服の男が、ユーに走り寄ってくる。


 ユーは中華包丁を男の身体に向けて、縦に回転させて投げる。


 黒服のワイシャツを貫通し、そのまま赤く染まったはらわたをこぼしながら、前のめりに倒れた。


「おねーさんね、ちょっと怒っちゃうよ? チンヨウシェンシン、はやく逃げよう!!」


「皆、私について来い!!」


 チンヨウは、入り口に立っている黒服の男へ向けて跳躍、両足で蹴り飛ばす。


 黒服の男は二十メータほど転げまわって、気絶した。


「皆、こっちだ!!」


 硝煙が排気されないので、段々と周辺がスモッグかかっていくのだ。


 四人はメスと銃弾をかわしながら、扉を閉める。


 暗い通路内には誰一人として、いなかった。


 ユーはしゃがみ込み、リュックからそれぞれから預かったランタンを取り出し、渡す。


「あーあ、中華包丁、勿体ない……ま、予備はあるんだけどね?」


 チンヨウはランタンのスイッチを入れる。


 ランタンの土台のメモリに注目した。


 エネルギー表示が3割ぐらいだ。


 10時間ぐらいはもつだろうが、そろそろ粒子を補充しないとまずい。


「ふむ、昨日からずっと補充はしていなかったが、そろそろ粒子を入れないとまずいか……」


 ユーはバッグのチャックを閉めてから背負いなおす。


「さてと、どうしましょうかね? 銀龍さんたちと合流する?」


 チャオが口を挟む。


「でもよ、とりあえず状況を整理したほうがいいんじゃねーの?」


 チンヨウは少し黙り込んでから、口を開いた。


「……銀龍さんたちの、闇市場に行くか?」


 ユーが探検服の胸元にあるボタンを二三個外しながら、意見を出した。


「おねーさん、汗かいちゃったし、神龍会の会長にところに行きたいなー」と、ユーは瞳を細くさせ、チャオを見下ろす。


「い、いや、なんだよ!!」


「おねーさんと、そんなに一緒にシャワーに入りたいの?」


 チャオは、顔を真っ赤にしながらルェイジーの後ろに隠れる。


「ふーん、ほらほらあ、おねーさんと一緒に入ろうよー」


 ルェイジーは笑顔になる。


「アイヤ!! チャオ、なぜ隠れるアルネ!!」


「俺はユーみたいなのが、苦手なんだよ!!」


「皆と一緒にお風呂入る、楽しいアルネ!!」


「いやいや、お前の感覚がおかしい!! 男と女が一緒に入るなんてありえねぇ!」


 チンヨウはずっと顎に手をさせていたが、鋭い瞳を細める。


「うむ、ユーさん。そうだな、一度私の会のところに戻ろう!!」


「もっちろん!! おねーさんは早くシャワーを浴びたいぞ」


 ユーは胸元の服をつまんで、パタパタさせた。


 チャオはずっとルェイジーに隠れている。


「いつまで、隠れているアルか? ルェイジー、オカマとお風呂入りかけたアル!」


 ルェイジーの話は、先月行われたユグドシアル大陸での出来事だった。


 筋肉ムキムキの屈強なオカマたちに囲まれながら、危うくお風呂に入りそうになっていたのだ。


「どっちが、良いヨロシ!!」


「どっちも、ヤダ!!」


「君たち、とりあえず神龍会に行こう。必ず四人そろって動くんだ。服部半蔵、更には黒龍会が我々を襲ってくるのは間違いない」


 チンヨウは、ランタンを片手に歩き始める。


 ユーも次に続いた。


 そして、ルェイジーはユーの背中に続く。


「ちょ、待ってくれよ、さすがに暗いよ!」


 チャオが最後尾になって続いた。



俊佑イン・チンヨウ


神龍会所属、副参謀的な役割。

蟷螂拳の使い手。細身で身長は168センチ。


26歳。

真面目、実直、落ち着いている感じ。

ルェイジーちゃんを「神童」と呼んだりもしている。

長い髪を後ろにまとめて三つ編みにしている。




チャオ……18歳、男性。


拳龍会所属。

身長160センチ。

黒髪、黒い瞳、髪ミドルまでボッサボサ。

浅黒い肌。

口元には黒いバンダナを巻いて、

ボロボロの黒いマントを羽織っている。

地下組織裏九龍城国の中でも、最強の暗殺形意拳使い。

彼の放つ方拳ポンケンは、チャイナガールズでさえ、手に負えないぐらい、威力が強い。

二のうちいらずの拳も持っていて、ポンケンを放つだけで、人は吹っ飛びます。

実は、地下組織にいるにも関わらず、非常に犬好きである。

ありとあらゆる闇を見てきたので、瞳は薄暗く、殺人となってもいとも容易く出来る。

拳銃などを持っていたとしても、素早く突撃し、引き金を引く前に事を処理しようとするので、どんな輩でもひく。

今回は、ルェイジーと共に神龍会と組むことになる。




(チェン) (ユー)


五爪龍会の副会長。

20代前半の女性で、髪は青色でボブぐらいの長さ。

美味しいご飯を作るのがとても得意。


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