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なくそう
受験の季節になり僕は都内の高校に受験を受けることになった。
合否は見事に合格。
僕は彼女にこの事を内緒にして進学することになった。
君は、僕よりも学力が少し下だった。
だからこそ、僕はここで君と別れようと思った。
そうした方が、お互いのためだと思って。
中学校の卒業式の帰り道、君はいつもと同じ笑顔で僕と会話をしてくれた。
「いつも一緒だよ!」
僕は君に「そうだな」って答えた。
僕は君の笑顔が大好きだった。
でも君の笑顔は僕には価値が高すぎる。
その笑顔を向けるに相応しい相手がこの先も現れるはずだ。
僕はそう思いながら君と別れて、帰路についた。
その途中、なぜか涙が溢れてしまい。嗚咽と悔しさがこみ上げてきた。
もう決めたことだった。
君はこの近くの高校に行ってしまうだろう。
そう言っていた。
だから僕は走る。
後悔したくなかったから。
少しの休みを挟んで、僕は高校生になった。