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無理矢理な奇跡を


「…やっぱりダメだった」



僕は魂のまま白緑があの動きを止める男に連れていかれそうになってるのを見て、落胆する。


やっぱり無理だった。

僕には誰も救えなかった。


項垂れていた。そんな僕に、君は思いっきり背中を叩いてきた。



「いた!?」



幽霊なのに痛いというのもおかしいが、とにかく痛かった。

君は僕に、君らしい笑顔で言った。



「ショウくんはすぐに暗くなっちゃう! そんなんじゃ奇跡なんて起きないよ!!」


「僕は君みたいに明るく…」


「私は! ショウくんみたいに!暗くなれないんだよ!! 前にも言ったけど、私にとってはそれがとっっっても羨ましいの!!」



彼女は叫びながら僕に説教し始めた。

幽霊なのに。

死んでいるのに。

何も、出来ないはずなのに。


その顔には諦めはなかった。



「私さ、ずっと前から思っていたことがあるの。どうしてこの超能力を身につけたのかなって」



白緑が恐怖の顔を浮かべている。

歯がかちあって震えている。



「そりゃ神様の采配とか、才能とかあるけどさ、もしかしたらって思ったことがあるの」



助けたい。

でも僕には…。



「私と君は、多分この瞬間、この場面をずっと待っていたんだと思う」


「…何だよそれ」


「だから、運命ってのがあるのなら今この瞬間かなって。だって地獄に行くはずの私が、未だに幽霊としてこの世に残っていたんだよ。だったらまだ仕事がある!」



君の話は無茶苦茶だ。

希望論すぎる。

でも、それを聞いて僕は考えを改めた。



「…運命が仕事を全うしろって言っているのなら……力を貸してくれないか千愛(ちお)。多分僕ひとりじゃ」



「言ったじゃん、運命は2人に仕事を残したって」


「そうだったな、それじゃ……やろう」



僕と君は、おそらくあり得ない奇跡を起こそうと思っている。


君と白緑(びゃくろく)は接点はない。

それでも今まで見守ってきた君なら、おそらく意味があるだろう。

今まで多くの血を流した。

多分これを終えたら僕らは地獄に落ちる。


それでも、君の顔に悔いはないように見える。


さぁ始めよう、一世一代のあり得ないご都合的な奇跡を。


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