再会
僕は、撃たれた。
なんの言い訳にもならない事象を自分で語るのも少し気恥ずかしい。
それもそのはず、僕は即死だったからだ。
鉛玉をぶち込んできたのは、僕が殺すと誓ったあの傷にある男だ。
君を……千愛を監禁して非道な実験に付き合わせたあの忌まわしい男に。
僕はあいつに恨みを持って祟殺してやろうかと思った。
でも、その手前で、僕の肩を叩く誰かが居た。
僕は振り向く……。
そこにあったのは、もう見ることができないと思っていた眩しくて輝いた笑顔。
世界で一番愛した優しくて強さを秘めた瞳。
「頑張った……ね」
「……うん」
彼女は少し浮かない顔をして僕の亡骸を見る。
事切れた僕の亡骸は、君の死体よりも綺麗な死に方だ。
我ながら恥ずかしくなる。
「…何も、出来なかったね」
「………うん」
そう言って君は僕に手を差し伸べる。
「……でも、無駄じゃないと思う」
「…なんで……なんでそう思うの?」
意外な事を言う君に僕は不思議に思う。
僕たちは死んだ。
それは、一つの物語が終わったことと同じ事だ。
「分かってるよ、死んだら全てが終わるのだって分かってる。でも……」
君が指差す。
その先に土で汚れた患者服の少女が僕の死体を見ていた。
少女は様々な死体を見て今まで笑っていた。
だがその顔は今は無表情だ。
不気味な目元からは月明かりに反射して涙が伝うのが分かる。
初めてみる泣き顔。
まるで、君のようだ。
「白緑………」
僕が名前を呟く。
それは、聞こえていたのか。
白緑は呆然としていた状態から立ち直り、すぐさま表情を一変させる。
まるで、怒っているように……。
「…なんか分からないけど、むかついちゃった…かも」
白緑は、僕を撃ったあいつに向けて手を向けた。
それだけであいつの右手は水晶に変化する。




