0-0 序章:物語の舞台
はじめまして。
初の長編物に挑戦します。
誤字脱字などあればコメントで報告をよろしくお願いします。
序章はあくまで世界観の導入で、本編は第1章からになります。
―その昔、まだ大陸が未だ何者によっても統一されていなかった頃の話。
―人が争い、獣が放され、大地が荒れていた時代の話。
一人の青年と、一人の騎士。
そして、一人の踊り子と、一人の聖女が。
偶然にも出会い、旅と運命を共にした。
青年には、大陸の平和を実現するという誓約が。
騎士には、青年の志を守るべく己に課した使命が。
踊り子には、真実の愛を探求するという目的が。
聖女には、預言の言葉を布教するという悲願が。
各々の思いが、それぞれの胸に秘められていた。
彼らはあらゆる艱難辛苦を共に苦しみ、共に乗り越えた。
森の民と契り、海の巨獣を封じ、竜の峰を渡った。
旅の中で彼らを祝福した大陸中の精霊たちは、彼らが宿命を果たす助けとなる器を授けた。
青年には筆を。
騎士には剣を。
踊り子には楽器を
聖女には杖を。
青年は筆より御旗を生み出し、平和と太陽を掲げた。
騎士は手にした剣であらゆる敵を退けた。
踊り子は楽器を奏で皆を鼓舞した。
聖女は杖の加護に祈り皆を癒した。
そして、彼らの旅は、青年が大陸の覇者となる事で終わりを告げる。
青年の志に追従した大陸中の人々は、彼を崇め、彼を敬い、彼を讃えた。
人々は平和を監督し、安寧を維持する象徴として彼を│祀った。
以来、彼の血筋は“ 正統なる血族”と称えられることとなる。
彼の血族は大陸全土を支配圏とし、ここにヴァルメリア帝国は成立した。
人々はみな願っていたのだ。
その願いは、叶えられたのだ。
永遠に続く、穏やかな日々によって。
*ヴァルメリア帝国初代宰相クローヴィス著『建国記』より抜粋