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2話 プロローグ転生後

順不同でたまに少しづつ、ちょこっと書き直したりしてます



 ……二度と覚めることのないと思っていた目を覚ますと、そこには知らない天井があった。


(ん? なぜだ、私は確かに死んだと思ったのだが?)


 思ったことを喋ろうと口を動かそうとはするが上手く声が発声できないぞ。それと同様に手足も思ったとおりに動かす……というよりもうまく力が入らない。


(な、なんだ? 新手の魔法攻撃を受けているのか!?)


 私は状況を確認しようと周囲を見回そうとするが、視界が悪くぼんやりとしか確認できない。

 わかることは、知らない人間達が私を取り囲んでいる……ということだけだ。


「オギャー! オギャー! (な、何者だ貴様ら! この私を-魔法神-インフィニティと知っての狼藉か!)」


 ……ん? 今私はなんと言った?

 なんだか思うように言葉が発せられないぞ、どうなっているんだ!?


「おめでとうございます、元気な男の子ですよ」


(おわぅお!?)


 いきなり体を軽々と持ち上げられたことに私は驚愕した……が、それ以上に驚いたのは私の体の小ささだ。

 私はそのまま女性に抱えられたまま隣で寝ている顔立ちの整った綺麗な女性の下へ連れていかれ……。


「はじめまして限、私があなたのお母さんよ」


 その言葉と目の前に置かれた鏡を見て私は自分がどうなっているのかを理解した。


(こ、これは!)


 どう見ても赤ん坊になってます、はい。











 この私“-魔法神-インフィニティ”がこの世界に 無神 限(むじん げん)として生まれ変わって早15年の年月が過ぎた。

 私は今、日本という国で学生をやっている。


 そういえばこの前ネット小説を読み漁っていたんだが、私が体験したこの生まれ変わりの現象はどうやら転生というものらしい。

 しかし前世の知識があるといっても魔力の源であるマナのないこの世界では魔法は使えないし、歴史や科学もまったく違う。

 ただ、言語や数学はもとの世界と似ていたのでその分野は得意科目といってもいいだろう。


 転生して数年はいろいろと悩んだものだが、今ではすっかりこの世界に順応した生粋の現代っ子ですよ。

 どちらにしろ、前世のような殺伐とした生活はもうこりごりだ。


「まぁ、クラスの連中は異世界トリップとかに憧れてたりするがな。私はもう2000年もそんな世界で生きたし、流石にもういいわ」


 なぜ私がこの世界に転生できたかわからないが、もはやそんなことはどうでもいい。今の私にはこの世界での夢がある。

 それは……そう! 恋人をつくってイチャイチャしてあわよくばそのまま結婚して幸せな家庭を築くことだ! 子供は二人ぐらいがいいな。


 転生前はそれどころじゃなかったからな~、気づいたらもうジジイでしたよ……。だけど今はピッチピチの若い肉体ですよ! 育ち盛りなんですよ奥さん!


「と、いうわけで今年中には恋人つくるぞ~。明日から大型連休だし、チャンス到来だ!」


 春先最初の大型連休……クラス替えしたばかりだしここはいろんな子と仲良くなりたいものだ。


「誰を誘うか……隣のクラスの美紀ちゃんがいいかな~、それとも後輩の燐ちゃん! いや、やっぱり最近なにかといつも一緒にいる同じクラスの……ブツブツ……おっ、あれは」


 学校の帰り道に今までに仲良くなったお気に入りの女の子やこれから仲良くなりたい子のことを考えていたら道路の向かい側にもかわいい女の子が二人。


(他校の子か……それもアリだな!)


 しゃがみこんで何をしているかと思い見てみると、どうやら捨て犬に餌をあげているようだ。


(よし! ここは私も犬好きという設定でお近づきになろう!)


 いざ道路の向かい側へ、と道路にでたその瞬間! なんとスピードを落とさないトラックが躊躇なく私に向かって突っ込んできた!


「危ねぇ!」


 神回避! すぐに後ろに飛び退いたので助かったぜ……。

 危うく二度目の人生が台無しになるところだった。せっかく転生したのだからこの命はもっと大事にしないとな。


(てか多いなートラック)


 5、6台は通っただろうか? 最後のトラックはなんか落としていったな……何だ?


 あれは! とってもおいしそうで新鮮なお肉でした。ってなんでそんなもん落としてんだよ……。


「あっ! てか女の子達は!」


 あー……やっぱりもういなくなってる。

 仕方ない、これ以上出会いもなさそうだし今日はもう帰るか……と思ったらさっきの捨て犬がこっちに近づいてきたぞ。


「おお犬よ、私を慰めてくれるのか!」


 と、思ったら先ほどトラックが落としたおいしそうなお肉の所で止まったよ。

 ああ、目当てはソッチ(肉)ですか……。


「はぁ……さっさと帰って皆の明日の予定を聞くとしますか」


 今度こそ帰ろうとした時、さっきと同じ会社のトラックが遅れてもう一台やって来るのが見えた。


「またか……まったく、いったい何をそんなに運んでるんだ……っておい!」


 さっきの犬、まだ道路上で肉を食べてやがる!

 このままだとまずい! 犬の生スプラッタなんて見たくないぞ!


 ついさっきまで命を大事にとか考えてたくせに、気づいたら私は走りだしていた。


(ダメだ! これでは私も巻き添えに!)


 そう思った時にはすでにトラックが目の前に迫っており……。


(死んだな、こりゃ……。二度目の人生は短かったなぁ。トラック事故だしまた転生できたりすんのかな)


 そんなことを考えながら私は死を覚悟して目を閉じた。

 しかし、いくら待ってもトラックはぶつかってこない……てかなんか違和感がある?


(ど、どうなったんだ?)


 恐る恐る目を開けると私の足は地についておらず、眼前には青空が広がっていた。


「は?」


 空にはポッカリと穴が空いたような黒い渦があり、その渦はすごい勢いで私を吸い込んでいた。


「え? えええええぇぇぇぇ!?」


 そして私(と犬)はなすすべもなくその渦に吸い込まれていってしまう。


「どうなってるんだあああああ!!」

「ワオーン!」






-----






 ……目を覚ますとそこは見たこともない場所だった。

 日本では見たこともないような植物や動物、ファンタジーゲームに出てきそうな村が見えるのだが。

 いや、前世の記憶も含めれば「こんな感じのとこも旅したなぁ……」という場所ではあるけれど。ほら、あの豚っぽい生物なんか前世でよく食べたピグヌスそっくりじゃないか。


 辺りを見回すと人が、そして人っぽくないのもいる。あの人なんかすごく獣人族っぽいぞ。


 まぁそんな些細なことは置いといて、今私が一番言いたいことは……。


「なんで囲まれてるんですかねぇ……」



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