第7話 平清盛 VS 白虎
清盛が白虎に連れ去られた空間は京の都とは似ても似つかない場所。清盛はすぐにここが京ではなく幻の空間であることを見抜いた。
「このオレに勝負を挑むとはな、オレが誰だか知っておろうに・・・」
「もちろんだ、平家の棟梁・平清盛。平治の乱にて源氏の棟梁・源義朝を打ち破り、武士の頂点に立った男」
「ほう、それを知ってなお、勝負を挑むか・・」
清盛と白虎は共に刀を抜き、身構えた。
「貴様も「力」を使えるようだが、霧では火には勝てんぞ、白虎」
「何も破壊力がすべてではない!」
互いの刃が交錯する。ものすごい衝撃波が起こり、空間が揺れる。明らかに火の力を持つ清盛の方が有利だが、臆することなく白虎はものの見事に受け流していく。
(こいつ、ワシの太刀筋を見切って・・・いや知っている)
(さすが清盛、この怒涛の攻めは知っていなければ防ぎきれない・・、だが・・・・)
刃が交錯し、離れた瞬間を狙って白虎が動いた。
「霧雨突き!!」
「ぬっ」
すさまじい突きが清盛を襲う。しかし、間一髪で避け、その隙を狙おうとした瞬間、無数の雨粒の槍が飛んできた。
「くっ」
(避けきれない・・・やるか)
「奥義・爆炎龍の怒り!!」
清盛の刀から莫大な炎エネルギーが発せられ、大爆発を起こした。
「まずい!!」
なんとか直撃を凌いだ白虎だったが、無傷とまではいかなかった。
爆風でつけていた仮面が少し割れた。
(あ、あの傷は・・・、まさか・・・)
「ここまで・・・のようだな」
「待て、お前はまさか・・」
「さらばだ、清盛」
白虎が去ると同時に周りの空間が元にもどっていく。気が付けば刀を手に、清盛は元いた部屋にひとりで立っていた。
「間違いない、あの傷は・・・しかし、なぜ生きている・・」