最終章 ー05
「あちらも俺は国防が役目だと言っているのだから問題ないだろう。それより早くリリアに会いたかった」
アルフレッド様が私をぎゅーとする。
「それにしても早すぎじゃないかしら?手紙届いたのは今朝ですわよ?」
「手紙は他の荷物と一緒に一度、集約場に集められてから、中間地点に寄って、その後、この国に届いて配達される。それより、中間地点に寄らずに帰る俺の方が早かったってだけだよ」
……船員さん、休みなしだったのでは?!
「リリアは俺に早く会いたくなかった?」
「そうじゃありませんけど」
ある意味、権力のなせる技ね。
アルフレッド様との差を感じたわ。
「けど?美々姫の事か?」
「そう!美々王女は……」
仲良さそうな写真が思い出される。
「彼女に聞かれたよ。どんな人が好みなのか。だから"民の為に懸命になれる人"と答えた。そしたら『第三王子であるアルフレッド様は国防について任されているのですわよね?でしたら、そのような人でなくても良いじゃありませんか』と、彼女らしい返答が来たよ」
はぁとアルフレッド様が溜め息を吐く。
「国防を任されているという認識の俺が貿易云々の話の場に必要か?と、思い始めて父に任せて帰ってきたという訳さ」
……良いのかな?
「もっと言うなら"兄達が民の事を考えて国務にあたっているのに、俺だけが違う方向には向けない。民の事を考える女性なのは最低条件だ"と伝えたから、もう彼女は何も言ってこないと思う」
私の心配はそっちじゃなかったんだけど。
見上げるとアルフレッド様と目が合った。
「貿易の事が気にかかる?」
「顔に出てますか?」
「出てるよ。俺がいなくても宰相がいる。何も心配しなくても良い」
良いのかな?
幸せは直ぐに壊れてしまう事を私は知っている。
成果が出始めた頃にお母様が亡くなったみたいに。
「大丈夫。俺は俺の大切なものを守る為、国防に努めるのだから」
アルフレッド様は私の右手を取り、薬指の指輪にキスを落とす。
「だから、俺の側にずっといて欲しい」
青空のような綺麗な瞳に見つめられて、恥ずかしくて答えられないよ。
私は返事の代わりにアルフレッド様の服に顔を埋めて頷いた。
恥ずかしいから顔を埋めていたのに、彼は強引に顔を覗きこませて、私の唇にキスするのだった。
相変わらずアルフレッドが恥ずかしい!
でも、ラストシーンは好きです(笑)
前回ここに書いた内容にお返事するかのようにリアクション下さった方々、有り難うございます(*^^*)
ほっこりしました♪




