10章 ー07
3人とお別れすると、慌ただしいけれど、私の屋敷まで遠い為、グラダナ婦人ともお別れする事に……。
「次、リリアさんに会うのは婚約発表の時かしらね」
馬車に乗り、窓から顔を出すとグラダナ婦人がそう言った。
「えぇ、多分」
しょげている私の代わりにアルフレッド様が答えてくれた。
「楽しみにしていますわ。あまりリリアさんに迷惑かけては駄目よ?」
「かけませんよ」
「まあ!よくそんな顕示欲の強い指輪を渡しといて言えたものね」
「……」
アルフレッド様が笑顔で押し黙ってる!
「自覚がないみたいだから、何かあったら私に手紙をくれて良いからね」
婦人が私に優しく笑う。
「バングル公爵婦人……」
「アルフレッドのようにグラダナで良いわ」
「有り難うございます」
すみません婦人、既に心の中ではそう呼ばせてもらってます。
「気をつけてね」
「はい。婦人もお体ご自愛下さい」
手を振る婦人に振り返す。
「……随分、仲良くなったのだな」
はぁとアルフレッド様が息を吐く。
「お母様が生きていましたら婦人くらいの歳だと思いますわ」
どことなくお母様に似てる気もする。
「そうか……」
アルフレッド様はまた動く馬車の中、巧みに私の隣に座る。
「婦人の子供は義姉のみだ。リリアが手紙を出すと喜ぶかもしれないな」
そう言ってアルフレッド様は自分の肩に、私の頭をコテンとくっつける。
なんで?
見上げるとアルフレッド様はふっと力を抜いた笑みで私を見下ろす。
くっついて馬車に揺られるのも悪くないかな。
なんて思いながら私は目を閉じた。




