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1章 ー09
「よお」
「おはよう」
乗り合いの馬車をいつもの場所で待つ。
「久しぶりに幼い時の夢を見たわ」
「へー。どんな?」
ガイヤが私を見下ろす。
「パンがたくさん食べれる権利を貰う夢よ」
「……ふーん」
「その顔は覚えてるのね?」
ガイヤは遠くを見ている。
「まぁな」
「嫌じゃなかった?」
「なんで?」
ガイヤは視線を私に戻す。
「なんでって…」
「嫌な理由なんてなかったけど」
ガイヤはそう言ってやってきた馬車に乗り込んだ。
私はガイヤから離れた席に腰かける。
「なんで離れるんだよ」
わざわざ離れたのになんで隣に座るのよ。
「昔、好きでもないザリガニを目の前に突き付けられたからかしら」
「んなこと、したっけ?」
「それか虫の死骸が苦手な私の机の上に虫の脱け殻や、羽を置いたからかしら」
「根に持ってんなぁ」
ガイヤは笑ってるけど、笑い事じゃないからね。
こういう事をしてきた男子に良い印象なんてないわよ。
やっぱり何度考えてもガイヤは嫌。
私の嫌だった事を笑って終わらせるガイヤと結婚なんて御免だわ。




