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10章 ー02
「とんでもありませんわ!私はエスコリーネが長女、リリアと申します。以後、お見知りおきを」
リリアは婦人会にお辞儀する。
「ふふふ。本当に可愛らしいお嬢さんね。さ、中へどうぞ」
リリアは……顔が強ばっているな。
「婦人、折角なのでこの前渡した睡蓮鉢を見ても?」
「えぇ、もちろん大丈夫よ。こちらに置いてありますわ」
婦人はガーデンに向かって歩きだした。
婦人の好きな白や赤の薔薇が咲き乱れている。
「素敵なガーデン……」
リリアは左右に目をやる。
「有り難うね。私、綺麗な物に囲まれるのが好きで、あのメグもとても美しいから気に入っているのよ」
「褒めに預かり光栄です」
リリア、嬉しそうな顔だな。
「まぁ!貴方がそんな風に笑うのを久しぶりに見たわ」
……。
「照れてるわね」
「そのようですね」
さっきまで緊張していたのに、リリアは婦人と愉快そうに笑っている。
それを見て安心したのだった。




