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9章 ー09
「ん?急に微笑んでどうした?」
「いえいえ、可愛いところがおありなのだと」
「可愛いのはリリアの方だと思うのだけど」
「近い、近い!」
また馬車が動いているのに隣に座って!
昨日もそうだった。
それで…………。
「ほら、可愛くまた赤くなった」
「可愛くありませんよ」
「可愛いよ」
なんなの、この応酬。
昨日の夜はレオさんの言う通り、レオさんがいたからこんな感じじゃなかった。
二人きりの時は恥ずかしくなくなるのかしら?
チラッと隣に目を向けると、ニコッと素敵な笑みが返ってきた。
「リリア」
「近いです」
「昨日は許してくれたのに……」
「っ」
「俺が嫌?」
ずるい!そんな顔して!
私が悪者みたいじゃない……。
アルフレッド様の顔が10センチもないほど近くにある。
青い瞳は今日も青空みたいに綺麗。
無駄な抵抗だろうけど、一応、馬車の壁まで後退する。
やっぱり無駄なようでアルフレッド様はジリジリと近づくてくる。
「それ以上下がると頭をぶつけるのでは?」
「では止まって下されれば良いのです」
「嫌だと言ったら?」
さっきの悲しそうな顔とは逆に楽しそうな気がするのだけど。




