9章 ー04
「遅かったな」
アルフレッド様は領民が着ているような麻の服に着替えていた。
「遅くなり、すみませんでした」
ドレスの裾を持って頭を下げる。
「いや、良い。どうせレオの話が長かったんだろう」
「そんなにリリア嬢と二人きりだったのが、気にくわないんですか?着替えなきゃいけないのに、自分が呼びに行くって駄々を…」
「そうやってお喋りが過ぎるのだと言っている」
ひゃ~!アルフレッド様の目線だけで凍ってしまいそう!
用水のくだりは本当にあり得るかもしれないわね。
「あ、あの、アルフレッド様、着替えていますが、お夕食はどこで?」
氷の帝王みたいなアルフレッド様を何とかすべく笑顔で話題を変える。
「あぁ、近くに市場があるんだ。港が近いから珍しい物もある。そこで食べないか?」
「良いですね!楽しそうです」
市場とか面白そう!
「良かった。では行こう」
「はい!」
帽子を深く被ったアルフレッド様を先頭に、私はレオさんと並んで歩く。
「今の宿、私達以外にお客様いなかった気がするんですけど、気のせいですか?」
「いいえ。国営の物でして……私ら騎士団の者や、今のようなお忍びの時に泊まる所なんです」
「そうなんですね」
さすが国が相手なだけあるわ。
発想が私なんかとは違うわね。
「なので、別にアルフレッド様と同じ部屋でも大丈夫ですよ」
「え?!」




