9章 ー02
「その場合は払うまでだ」
「……」
至極当然な事を言ったつもりだったが、リリアは不意を突かれたような顔になった。
「……きっと物凄い金額だと思いますわ」
彼女はゆっくりと瞬きする。
エメラルドグリーンの瞳に日光が当たり、煌めいている。
「そうかもしれんが、払えと言われれば払うだけだ」
リリアの口が少し動く。
他の令嬢とは違い紅を付けていない彼女の唇は好ましい。
そんな唇を一文字に結び、リリアは俯く。
ほんのり頬が赤い。
リリアは可愛いな。
「リリア、前にも言ったかも知れないが、俺はお前が良い。金でなるとかなるなら、それくらいする」
リリアの頬は更に赤くなる。
リリアのこういうところが好きだ。
他の奴には見せたくない。
「リリア」
馬車の速度を見計らいリリアの右隣に移動する。
「不安になるなら何度でも言おう。俺はお前が良いのだと」
リリアの顔が見えるよう、横髪を耳にかける。
癖のある彼女の髪はふわふわしている。
そのせいなのか、小柄だからかリリアは幼く見える。
「……私が良いのは何故ですか?」
遠慮気味にリリアが俺を見る。
「領民の為に自己犠牲を厭わないたころが一番好きかな。領民の為、延いては国の為に繋がる。その事を……」
リリアが目を丸くして、真っ赤な顔で俺を見ている。
何故だろう?
顎に手やり、今の自分の言動を振り返る。
……あぁ、もしかして。
「ちゃんと言ってなかったかもな。俺はリリアが好きだよ」
彼女は可愛いローズピンクの髪を握り、目を伏せる。
やっぱり照れている彼女は可愛い。
俺は指輪を嵌めている右手に自分の左手を重ねた。
「リリアは俺が嫌い?」
目を伏せたまま彼女は首を振る。
そうだと思っていたが、こればかりは一応聞かないとな。
「良かった」
空いている右手を彼女の左頬に添える。
その拍子にこちらを見たリリアの唇に初めて自分のを重ねた。
アルフレッド恥ずかしくないですか?!
私、書いてて恥ずかしかったです!
キャラが動いてくれて書きやすい作品なのですが、アルフレッドはたまに恥ずかしです(;^ω^)




