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9章 ー01
9章の始まりは王子から入ります。
リリアは他国の姫を思って、気分が重いままなのです。
グラナダ婦人の屋敷に向かう為、リリアと馬車に乗っているのだが、彼女に元気がない。
出発前にこれからの事を説明したのだが、上の空だった気がする。
リリアの父が色々準備してフォローしてくれたから良いが、大丈夫か?
「リリア、体調が悪いのか?」
「いいえ」
「では、どうしてそんな顔をしているんだ?」
「……」
言いにくいのか、眉尻を下げて少し開いた口を閉じた。
「…そんなに口付けして欲しいのなら甘んじよう」
「違います!」
やっといつもの調子が少し戻ってきたな。
「ただ……その……」
「よし、隣に移動するかな」
「大丈夫ですわ!ただ、その……もし、ジハ国が銀を安くした対価として、婚姻を迫ってきたらアルフレッド様はどう対応なさるのかと思いまして……」
色々と考えるものだな。
「友人に俺の事は伝えられたのか?」
「え?はい」
「なら、それが答えだ。他の人にも伝えている以上、もうどうにもならない。ジハ国には先約がいると答える」
「でも、もし、それで差額を払えとか言ってきたらどうされるんですか?」
リリアは必死だな。
なんでこうも、負の方向に発想が赴くのか。




