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8章 ー12
「姫様が銀を安くしてくれるのはアルフレッド王子に気があるからだって言われている今、行くのね」
サラがしんみりとパンをかじる。
「今と言うより、来月……」
「そんな細かい事は良いの!もし『銀を安くしたのだから私をお嫁さんに…』とか言われたりしたらどうするの?!」
私と同じ発想……。
アルフレッド様は私との婚約は正当なものだと言っていたけど、それは婚約が発表されたらの話よね?
まだ発表されていない来月だど、そんな話が出たり……。
「サラ!リリアが不安がってるじゃない」
「ご、ごめん…」
「ううん、いいよ。後でそんな話聞くより、今から覚悟しといた方が良いもの」
たかが男爵家に言った婚約話なんて、国の力をもってしたらすぐに揉み消せるものね。
アルフレッド様の気持ちは信じてる。
でも、立場上どうにもならない事がある気がして、私の心は一気に不安へと転じてしまった。
8章も終わりです。
アルフレッドの事は信じているけど、美々の事を思うとどうしても不安が拭いきれないリリアなのでした。




