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8章 ー09
「スズ、聞いた!?」
さぁ私、名前を言うのよ!
「良いなぁ」
サラはキラキラとした目で天を仰ぎ見ている。
「私も欲し~い!」
……自分から言い出しにくい。
アルフレッド様から貰ったの!って言うだけなのに、口が思うように動かない。
私ったら、パクパクとメグがエサを食べてる時みたいになってる!
「リリア」
スズの小声が聞こえた。
見ると右手を指している。
自分の右手を見ると、アルフレッド様から貰った指輪の宝石がキラキラと輝いていた。
「あ、あのね、サラ」
「なぁに?」
でも、サラを直視出来ない。
「これ、なんだけど……………」
「うん?」
私は両手で顔を隠す。
「……アルフレッド様から貰ったの」
「…………どこのアルフレッド様?第三王子と同じ名前だけど?」
「その人です」
言っちゃった!
そ~っと指の隙間からサラを見ると、サラは固まってる。
それもそうよね。
貴族と言えど、男爵令嬢である私が王子殿下と婚約なんておかしな話だもの。
自分の立場が分かってるから、この婚約嫌だったのよ。
立場ですら微妙なのに、他の令嬢のように社交場で華やかな振る舞いも出来ず、話せるのは麦の事だしね。




