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8章 ー08
ゴーン ゴーン
午前中の授業が終わるベルが鳴ったわ。
バスケットを持って、サラ達とテラスに向かう。
さりげなく右手を隠してるのだけど、授業中、右隣の人が右手を見つめてた気がする。
「昨日も手伝いに行ってたの?」
「ううん。お母さんにやりすぎだって怒られちゃって」
「そうなの?そんな事ないと思うけどな~。ねぇ、リリア」
「え?」
なんて?
うっかり聞いてなかったわ。
「も~。手なんかいじってるからぁ。ケガでもしたの?」
サラがテラスのテーブルに隠していた私の手を覗き込む。
「そんなんじゃ…」
「……今、なんか隠した」
うっ。とっさに指を隠したのバレてる。
しっかり、私!
言うんでしょ!
自分で自分を鼓舞する。
ゆっくりと指輪を隠してる左手をどける。
「えー!!」
サラ、声でかすぎ!
周りの人、見てるから。
「それ、昔流行った婚約指輪ってやつ?」
昔流行ったって…。
小声にしてくれてるから、一応、気を遣ってくれてるんだよね?
「例の?土曜デートの人?」
もの凄く顔、近いわね。
「えっと、まぁ」
やっぱり恥ずかしい。




