8章 ー07
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日曜の午後はアルフレッド様が頼んだ人達が色々聞いてきたり、採寸したりと疲れたわ。
「あっ」
学園の乗り合い馬車を降りると、スズの後ろ姿が見えた。
肩口で揃えた髪が歩調に合わせて揺れてる。
「おはよう、スズ」
「リリア、おはよう。土曜日はどうだった?」
「どう……」
目が右手にいこうとしてる!
やっぱり恥ずかしいからスズを見るけど、遅かったみたい。
じっとスズが指輪を見てる。
おずおずと右手を見せる。
「綺麗。素敵ね!」
「ありがとう」
指輪を見せるのは恥ずかしけど、褒められるのは嬉しい。
「……ふふ、よく見てたら誰がくれたのか分かってしまうわね」
スズが笑っている。
「スズ、分かるの?」
「えぇ、だってそのままじゃない。石が空色で、よく見たら指輪の縁が金色ですもの」
確かに。アルフレッド様そのままの色だわ。
「意外と独占的なのね」
「え?」
「だってそうでしょう?誰が婚約指輪を贈ったのか分からせて、他の人が近付かないようにしたいみたいだもの」
そうなの?!
らしいと言えば、そうだけと、近くにいなくても恥ずかし人だわ。
「愛されてるのね」
「愛!?そ、そんなんじゃないよ!」
「そうかしら?どんな経緯があったのか分からないけど、その人はリリアが好きよ」
スズ……。
スズが私の背中を押すみたいに笑っている。
「あのね、サラもいる時に話があるの」
「うん」
スズが優しく微笑む。
頑張れ、私。
ちょっと恥ずかしけど、ちゃんと自分の口で伝えるのよ。
きっとスズも応援してくれてるわ。
私はランチタイムに二人に告げる事を心に決めた。




