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小麦令嬢は婚約を破棄したい!  作者: 間波 結衣実


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8章 ー07


 ◇


 日曜の午後はアルフレッド様が頼んだ人達が色々聞いてきたり、採寸したりと疲れたわ。


「あっ」


 学園の乗り合い馬車を降りると、スズの後ろ姿が見えた。


 肩口で揃えた髪が歩調に合わせて揺れてる。


「おはよう、スズ」


「リリア、おはよう。土曜日はどうだった?」


「どう……」

 目が右手にいこうとしてる!


 やっぱり恥ずかしいからスズを見るけど、遅かったみたい。


 じっとスズが指輪を見てる。


 おずおずと右手を見せる。


「綺麗。素敵ね!」


「ありがとう」


 指輪を見せるのは恥ずかしけど、褒められるのは嬉しい。


「……ふふ、よく見てたら誰がくれたのか分かってしまうわね」


 スズが笑っている。


「スズ、分かるの?」


「えぇ、だってそのままじゃない。石が空色で、よく見たら指輪の縁が金色ですもの」


 確かに。アルフレッド様そのままの色だわ。


「意外と独占的なのね」


「え?」


「だってそうでしょう?誰が婚約指輪を贈ったのか分からせて、他の人が近付かないようにしたいみたいだもの」

 そうなの?!


 らしいと言えば、そうだけと、近くにいなくても恥ずかし人だわ。


「愛されてるのね」


「愛!?そ、そんなんじゃないよ!」


「そうかしら?どんな経緯があったのか分からないけど、その人はリリアが好きよ」


 スズ……。


 スズが私の背中を押すみたいに笑っている。


「あのね、サラもいる時に話があるの」


「うん」


 スズが優しく微笑む。


 頑張れ、私。


 ちょっと恥ずかしけど、ちゃんと自分の口で伝えるのよ。


 きっとスズも応援してくれてるわ。


 私はランチタイムに二人に告げる事を心に決めた。

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