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8章 ー03
キィ
屋敷の扉が軋む音を立てて開く。
よく見る青い服を着たアルフレッド様と、その後ろに隊服を着たレオさんが見える。
「ようこそいらっしゃいました。淋し屋敷ではありますが、こちらへどうぞ」
お父様は応接室に案内する。
「カイヅカイブキを植えたのですね」
アルフレッド様がソファに腰かけるとお父様に笑いかけた。
アルフレッド様の対面に置いてあるソファにお父様を真ん中に私とケビンが座る。
「そうなんです」
お父様は誤魔化すように笑っている。
「エスコリーネ男爵、紹介が遅れましたが、彼は私の護衛であるレオ・ワグナー隊員です」
アルフレッド様の紹介にレオさんは神妙な顔つきでお辞儀する。
アルフレッド様もレオさんも公の顔って言うのがあるのね。
お父様とアルフレッド様が世間話をしている間、私とケビンはヴァイセンが淹れてくれた紅茶を飲む。
……あら?
この前と香りが違うわ。
さすがヴァイセンね。
「エスコリーネ男爵、とても勝手な話で申し訳ないのですが」
アルフレッド様の言葉にお父様は背筋を伸ばした。




