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1章 ー06
「あ、照れてる、照れてる」
「確かに恥ずかしい一言ではあったわね」
他人事だと思って。
私は教室に入り、鞄から出した教科書で顔を扇いだ。
「でもさ、お父様達が勝手に言ってるのを普通、本気にする?しかも…」
婚約者だなんて…。
「その辺はガイヤだからとしか言い様がないんじゃない?」
サラは苦笑いん浮かべた。
「でも良いじゃない」
「何が?」
「ガイヤが婚約者でも」
「「えー!」」
サラと私はびっくりした。
スズったらガイヤみたいな筋肉馬鹿が良いの?
「だってここに進学してきた理由は"実家のパン屋に貢献したいから"なんでしょ?素敵じゃない」
まぁ、良い志しよね。
ガイヤはパン屋経営の役に立てば…と、経営学科を専攻している。
「う~ん…」
でもガイヤかぁ。
小さい時から一緒だからか、そんな風に見れないよ。
ガイヤと手を繋いでデートとか……鳥肌立つもん。
「席に着いてー」
担任の先生が教室に入って来たので、私達は自分の席に座った。
だけど、なんだかモヤモヤして、午前中の授業は全く頭に入らなかった。




