6章 ー07
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「よぉ」
テラスでランチタイムをとっていると、ガイヤが声を掛けてきた。
ガイヤは一緒にいた友達と離れてスズと私の間にパンを3つ置く。
「この前から有り難うな。俺が作ってみたんだ。良かったら皆で食えよ」
それだけ言うと去って行った。
ガイヤが作ったパンは不恰好だけど、愛嬌のある形してる。
「1つ貰うね~」
サラはそう言ってヒョイと口に運ぶ。
「ん~、見た目は売り物ぽくないけど、味は本物だね!」
味は本物って……。
「私も貰うね」
サクッ
サラの言いたい事、わかる!
味は売り物そのもの!
「美味しい!」
「良かった」
スズ、嬉しそうね。
なんならもう身内みたいな反応。
「スズは食べないの?」
モグモグとパンを食べながらサラが聞く。
「えっ、食べるよ」
スズはパクッと口に入れ、美味しそうに目を細める。
「スズ、ガイヤから聞いたのだけど、パンの旨さが分かるのが良いとか言われたの?」
サラの言葉にスズは手を止めた。
「ガイヤに聞いたんだ…」
さすがに苦笑いしてる。
「ガイヤのお母さんがケガしたって聞いて、様子見に行ったの。そしたら大変そうで、私、お会計なら手伝えると思って、でもそんなの悪いって言われたから思わず『ここのパン大好きだから、手伝わせて欲しい!』って勢い余って言っちゃって……」
あらま。いつも大人しくスズがそんな事言うなんて…ちょっと見てみたかったわ。
「そしたら『良さが分かるとは!』みたいな?」
サラが前のめりになって目を輝かせてる。
「……ガイヤのお父さんが、こんな子が嫁にきたら良いなって……」
おじさんが!
「いやん!もう親公認じゃな~い」
赤面しているスズと対象的にサラは、はしゃいでいる。
「はぁ、良いよね~。このクロワッサンもさぁ、スズが好きだからガイヤは作ってきたんでしょ~」
そうなの?!
スズは赤い顔で俯いている。




