6章 ー03
◇
コンコンッ
「ん~」
昨日の夜よく眠れなかったからか、昼食後にいつの間にか寝てしまっていたみたい。
「はぁい」
「お嬢様、大変ですぞ!アルフレッド第三王子がまたお目見えに…」
「アルフレッド様が?!」
「……今日はやたらと嬉しそうですな」
「そ、そんな事ないわよ」
ヴァイセンの目を見れないわ。
「中で待っていて貰っています」
「有り難う」
本当にこの感情がすぐ顔に出るのをなんとかしたいわ。
玄関ホールにはケビンとアルフレッド様が何やら話していた。
「姉様!」
すっかりケビンは懐いているようね。
「こんにちは」
「エスコリーネ男爵は今日も不在だとか」
「えぇ、昼食後すぐに肥料の割合がどうのと、出掛けてしまいましたわ」
今度は肥料を見直すって張り切っているわ。
「さすがですね」
これは褒められているのかしら?
アルフレッド様は笑顔だけど、世に言うワーカホリックじゃないかしらと思うのは私だけかしら?
「今日は昨日、お借りしたメグの事で来ました」
「そうなんですの?私はあげたつもりでいたのですが……私も確認したいことがありますので、どうぞ」
私は応接室を指した。
ちゃんと美々姫の事を聞かなきゃ。
「ケビン、悪いけど二人でお話してくるわ」
「えー、姉様だけずるいです」
むくれるケビンも可愛い!
だけど、きっちり断らなきゃ。弟の前で美々姫の事を確認するとか無理だもの。
「ヴァイセン」
私に呼ばれたヴァイセンはケビンをうまいこと連れて行ってくれた。
「この屋敷の部屋に入るのは初めだな」
アルフレッド様が歩きながら楽しそうに言う。
今更だけど、この違い過ぎる環境を彼はどう思っているのかしら?
「その前にリリア」
応接室の扉の前で足を止め、私を抱き寄せる。
「ちょっと!」
「この前は防具が邪魔だったから」
すりすりしないで頂戴!
「リリアの髪は良い匂いがするな」
なっ!




