5章 ー02
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「キャー、これでばっちりなんじゃない?!10日経ったし」
「姉様、良かったですね」
アルフレッド様が来るかも知れない金曜日の夕方、私はケビンと手を取り合った。
睡蓮を1つ浮かべた鉢には、水槽の水ごと移し入れメグが4匹入ってる。
水質安定の為に少しだけ赤玉土を入れ、あとはメグがより綺麗に見えるよう黒い石を敷いている。
水草がなくても、もさもさとした睡蓮の根が隠れ場所にもなるし、これだけで済んだわ。
うふふ、根をかき分け、やぁと顔を出すメグの可愛い事。
あっ、頭刺さって体抜けないんじゃない?
体を大きく左右に振ってどうにかメグは根から体を抜いた。
なんとまぁお馬鹿さんのような光景だけど、それがまた可愛いわ。
「今日、兄様が来たら良いですね!」
「ケビン、お兄様ではないわよ」
「でも、僕の好きお菓子が届いて"兄と呼んでも良い"みたいな手紙も入ってましたよ」
後でフォローして欲しいとの事だったから、帰り際にケビンの好きなお菓子を教えてあげた。
後日、教えたお店から菓子箱が届いたのだけど、そんな手紙が入ってただなんて知らなかったわ。
「忙しい方だから、きっと今日は来ないわよ」
「そうなんですかぁ」
ケビンは淋しそうに項垂れた。
万が一、来ても良いように私もメグの調整が今日で終わるよう考えていたのだけど……。
結局、アルフレッド様は土曜の昼が過ぎても来られなかった。




