5章 ー01
一番身に堪える野外訓練は冬山での野営である。
それを思えば、今回の草原での野外訓練は楽なものだ。
「アルフレッド様は馬上より、サーベルで戦っている時の方が生き生きとされてますね」
同じ国営騎士団の隊員であもあり、一応、俺の近衛隊員であるレオも汗を流す為に服を脱ぐ。
井戸の水は冷たく、その水を頭から水を被る。
「馬上より、地に足を着けた方が戦い易いからな」
本当は、居合いを詰めながらサーベルを交える戦闘が一番好きなんだが。
「たまにアルフレッド様は豪快ですよね。頭から水被ったり。こんな姿を令嬢の方々が見たら悲しむでしょうね」
「そうか?」
リリアは特に何も思わなさそうだが。
「あれれ?いつも『どうでも良い』とか言うのに、どうしたんですかぁ?」
レオがニヤリと笑う。
リリアの事はまだ公表していないから、彼女の事をいうのはまずいな。
「三兄弟のビジュアル担当で、色んなご令嬢から声を掛けられるのに、いつも笑顔でかわし、その癖、どの令嬢も怖いと怯えていたアルフレッド様が…」
「色々と言いたい事がある」
俺がいつ怯えた。
「冗談ですよ。ただそんな冗談を言ってしまうくらいアルフレッド様の雰囲気は柔らかくなりましたね」
そう言ってレオは綿のタオルを渡してくれた。
「国王陛下からの用事だとか言ってエスコリーネ男爵邸に顔を出された後も、上機嫌でしたしね」
「そんな事はないと思うが」
「そう言う事にしておきますか」
レオは勘が良い。
それは戦いにおいてもそうであり、俺と5歳しか違わない彼が近衛兵に選ばれた理由でもある。
それにしても"令嬢"と聞いてリリアの顔を直ぐに浮かべてしまうあたり、だいぶ毒されてるな。
どうせリリアはメグの事しか頭にないのだろうに。
作者が割りと好きなレオさん初登場の回。
彼の軽さが好きです^^




