4章 ー06
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「リリア、おっはよー」
サラはいつも通り、元気いっぱいね。
「おはよう、サラ」
「眠そうね」
「うん。昨日、メグを睡蓮鉢に入れたんだけど、一緒に水草も入れるか悩んでさぁ」
「リリアは相変わらずね」
サラの反応も相変わらずだわね。
「あ、あの!」
ん?
振り替えると学園内なので、当たり前だけど、学園の制服を着た男子が立っていた。
「ずっとリリア様にお礼が言いたくて」
「なんの?」
「僕はもっと北の方に住んでいて、家も貧乏だったんですが、リリア様のお父様が父に声を掛けて下さって……麦の苗や土地はタダで良いとの事で、こっちに引っ越してきたんです」
あらま、そんな事をお父様はしているのね。
「お陰で今ではこうやって、僕も学園に通う事ができるようになりました!ずっとお礼が言いたかったんです」
「私は何もしてないわ。でも、父の事をまた1つ知れました。こちらこそ有り難うございます」
私はスカートの裾を摘まんで、頭を下げた。
「リリア様は女神様みたいですね!」
え?!そんな凄いものじゃないと思うけど!?
何故か拝み始めたわ!
「リリア、凄い事になってるけど」
サラが真面目な顔で言う。
「兎に角、顔を上げて下さい。お気持ちは分かりましたから」
なんだ、なんだと、野次馬が。
私はサラの肩を叩いて、走って逃げた。
「ちょっとー!」
サラは口を尖らせた。
いつも野次馬になっているんだから、対処法もサラになら分かるんじゃないかしら?!
「ストップ、こっち」
騎士の服装をしたアルフレッド様が木陰から出てきて、手を引く。
低い木の影に二人で身を潜める。
「どうしたんですの?」
「リリアに会いに来たのだけど、走ってたから隠れてるんだよ」
ふーん、私に会いに来たんだ?
「メグの睡蓮鉢は来週の土曜日には完成するか?」
……別に期待なんかしてないわ。
「今朝、元気に泳いでましたし、大丈夫だと思いますわ」
「今、俺は女慣れした態度は取ってないと思うが?」
アルフレッド様が首を傾げる。
「そうですわね?」




