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小麦令嬢は婚約を破棄したい!  作者: 間波 結衣実


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4章 ー06


 ◇


「リリア、おっはよー」


 サラはいつも通り、元気いっぱいね。


「おはよう、サラ」


「眠そうね」


「うん。昨日、メグを睡蓮鉢に入れたんだけど、一緒に水草も入れるか悩んでさぁ」


「リリアは相変わらずね」


 サラの反応も相変わらずだわね。


「あ、あの!」


 ん?


 振り替えると学園内なので、当たり前だけど、学園の制服を着た男子が立っていた。


「ずっとリリア様にお礼が言いたくて」


「なんの?」


「僕はもっと北の方に住んでいて、家も貧乏だったんですが、リリア様のお父様が父に声を掛けて下さって……麦の苗や土地はタダで良いとの事で、こっちに引っ越してきたんです」


 あらま、そんな事をお父様はしているのね。


「お陰で今ではこうやって、僕も学園に通う事ができるようになりました!ずっとお礼が言いたかったんです」


「私は何もしてないわ。でも、父の事をまた1つ知れました。こちらこそ有り難うございます」


 私はスカートの裾を摘まんで、頭を下げた。


「リリア様は女神様みたいですね!」


 え?!そんな凄いものじゃないと思うけど!?

 何故か拝み始めたわ!


「リリア、凄い事になってるけど」


 サラが真面目な顔で言う。


「兎に角、顔を上げて下さい。お気持ちは分かりましたから」


 なんだ、なんだと、野次馬が。


 私はサラの肩を叩いて、走って逃げた。


「ちょっとー!」


 サラは口を尖らせた。


 いつも野次馬になっているんだから、対処法もサラになら分かるんじゃないかしら?!


「ストップ、こっち」


 騎士の服装をしたアルフレッド様が木陰から出てきて、手を引く。


 低い木の影に二人で身を潜める。


「どうしたんですの?」


「リリアに会いに来たのだけど、走ってたから隠れてるんだよ」


 ふーん、私に会いに来たんだ?


「メグの睡蓮鉢は来週の土曜日には完成するか?」


 ……別に期待なんかしてないわ。


「今朝、元気に泳いでましたし、大丈夫だと思いますわ」


「今、俺は女慣れした態度は取ってないと思うが?」


 アルフレッド様が首を傾げる。


「そうですわね?」

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