4章 ー02
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「そんな大変な事があったのか!」
夕食を囲みお父様に今日あった出来事を報告する。
「そうなんですの。でも、ケビンがとても上手に挨拶するもんですから、私、感動してしまって…!」
やっと平和が戻り、私はムニエルを頬張る。
「そうか。それは偉かったな」
お父様がケビンを褒めるとケビンは、えへへと照れ笑いを浮かべた。
「…つまり畑やこの家の有り様を見られたと…」
お父様は溜め息を吐く。
「その事については仕方ありませんわ」
畑を今更どうにか出来るわけもないし。
「それに品種改良をしている家だと知っているのですから、そこまで不思議ではないでしょう」
実際、アルフレッド様はあれを見て、どう思ったのかしら?
「テラスから見えるのが花畑ではなく、ジャガイモ畑だとしても不思議はないかね?」
不思議だし、おかしいわよ。
「それはそうとして、お父様」
「リリアも不思議だと思っているんじゃないか」
お父様はよく私の事を分かっているわね。
「睡蓮鉢でメグを飼おうと思いますの」
「睡蓮鉢で?」
アルフレッド様とのやり取りを説明すると、お父様は成る程と、頷いた。
「明日にでも買いに行くかい?」
「良いんですの?!」
食料以外の買い物なんていつぶりかしら。
「だいぶ余裕が出てきたらからね」
お父様…!
素敵な陶器の鉢を身繕いましょう。
うふふ、楽しみだわ。
「ついでに花瓶とか家の装飾品も見繕ってくると良い」
…実はそっちがメインでしょ?
「いや、ほら、いつまでも何もないのも淋しいだろう」
私の視線に気づいたお父様が慌てている。
「私は別に…」
「リリアはな…」
お父様の視線の先にはケビンがいた。
ケビンは、なんの事?と言わんばかりの顔を傾げる。
「分かりましたわ」
確かにケビンの今後の交友関係を考えると、周りの方とかけ離れた環境に置くのは良くないですわね。
仕方ない。明日はヴァイセンと買い物に行きましょうか。




