3章 ー07
「そんな大きいものだと観察できませんわ」
我が国のビオトープと言えば、川そのものじゃありませんか。
「観察したいのだな」
「はい、欲を言えば愛でたいのですわ」
あら、嫌だ。素直に答えちゃった。
それにしてもアルフレッド様は私を変な人だとは思ってないのかしら?
全く引いてる様子もないのが、物凄く新鮮だわ。
これも王子様特有の気質なのかしら?
民を変な目で見てはいけない的な。
「睡蓮鉢はどうだ?あそこでなら飼えるだろう?」
「名案ですわ!早速、どうやったら水質を保持できるか、雨が降り注いだ場合どうなるか、実験してみますわ」
真に受けてくれた挙げ句、こんな良い案を下さるなんて、さすが"王子様"だわ!
英才教育されてるだけはあるわね。
「では私は……なんですの?」
なんでこんな近くにいるの?
鼻先がぶつかりそうなくらい近くにアルフレッド様の顔がある。
「いや、名案を提示した褒美はないかと思いまして」
なんですって?!
褒美……。
「では、飼育出来るようになりましたら、一番に教えて差し上げますわ」
「ぶっ」
えっ?吹き出した?
アルフレッド様は手を口元に持ってきて愉快そうに笑っている。
「いや、さすがリリア嬢。俺の予想を遥かに超えてくる」
な、なによー。
「どうせ私は世間去らずの小娘ですわよ」
プイと顔を彼から背けた。
「いや、そう言う訳ではないが。褒美は昔から姫からのキスだと相場が決まっているだろう」
そう言って笑顔のアルフレッド様は顔を近づける。
「姫ではないわ」
無理、無理!
キスなんかしたことないもの!
「婚約者殿も姫と大差あるまい」
婚約者!
「その事について、どうなりましたか?」
期待の眼差しを向ける。
「ん?」
「この前、承知したって……」
「あぁ。リリアが白い目でみられるのが嫌だという事は承知した」
アルフレッド様は平然と答える。




