3章 ー04
服が何か…あっ!
農地に行こうと思ってたから、ズボンだし、ひっつめ髪だ!
さりげなく髪だけでも下ろそうかな。服装はどうにもならないし…。
他にこんな令嬢はいないだろうなと思うと、さすがにちょっと恥ずかしいわ。
「あれ?髪、ほどくんですか?」
「はい、見苦しところをお見せしました」
「いいえ、リリア嬢の事ですから何かと作業をしていらしたのでしょう」
えぇ、貴方が通ってきた玄関の石を懸命に磨いていたわ。
「そのままでも充分、素敵ですよ」
手練れだ!
そうじゃなきゃこんな台詞出てくる筈ないわ。
「姉様、本物の王子様みたいですね」
何故かケビンがキラキラとした目でアルフレッド様を見ている。
「一応、本物の王子様よ」
「聞こえていますよ」
アルフレッド様は愉快そうに笑っている。
「失礼致しました」
「いいえ、構いません。折角なので、メグを見ても?」
「勿論です」
私が先頭立って進むと「リリア嬢と二人で行っても?」と、付いてこようとしていたケビンにアルフレッド様は笑顔で言った。
「勿論です!失礼しました!」
見事な直角のお辞儀を披露して、ケビンは玄関とは反対側に走り去ってゆく。
「可哀想な事をしたかな?」
アルフレッド様はケビンの背を見送っている。
「そうですわね。きっと赤面してますわ」
「そうか。悪気はなかったんだ。後でフォローしてもらっても?」
チラリとアルフレッド様は私を見る。
「構いませんわ」
貸し1つ的な気分ですわ。
ルンルンな気分で玄関を出て、温室に向かう。
「有り難う。リリア嬢は……リリアと呼んでも?」
…嫌なんて言って良いのかしら?
足を止めて振り向くと、微笑みを浮かべたアルフレッド様と目が合った。
「駄目ならそう言って貰って構わない」
そんな顔を見ながら断れる人がいるのなら見てみたいわ。
「"リリア"で結構よ」
なんで私が照れるのよ。
自分で自分に腹が立つわ。
ズンズンと温室に向かい、温室のドアに手を掛ける。
「さつき来た時も思ったが、コリンダーが綺麗だな」




