最終章 ー08
「ドレスにレースが多いが、どこにも引っ掛けるなよ」
アルフレッド様ったら、意地悪な顔。
「あら、そう心配して下さるなら、そのドレスが引っ掛かりそうな腕のボタンを外して欲しいわ」
「はは。組んだ腕を離さなければ良い」
本当にこの人は…!
「さ、レディ、お手をどうぞ」
麦の功績の褒美が婚約だなんて……と、思ったけど、アルフレッド様に会えて良かった。
そうじゃないときっと、社交の場に出ることなんて二度となかったと思う。
ずっと小麦令嬢だと言われていたかも知れないわね。
「……」
私はアルフレッド様に手を差し出し、彼が自分の腕へと誘う。
正直、まだ怖い。
たかが男爵令嬢、しかも貧乏男爵だもの。
それでも……。
顔を上げると、直ぐにアルフレッド様は気づいてくれた。
彼は微笑む。
アルフレッド様の言葉を借りれば、彼が欲しいと思ってしまったのだから、腹を括るしかないわ。
大丈夫。
隣に彼が居てくれるのなら。
私は彼と一緒に生きていく為、ゆっくりと前に向かって歩き出したのだった。
《完》
最後まで読んで頂き有り難うございました。
思っていた以上の方々に読んで貰えて嬉しかったです^^
またどこかでお目見えできたら幸いです。
2026.2.18 間波 結衣実




