人生の挽回
翌日休みの京子は昼過ぎに徹の家を出た。なんとなく暗い気持ちになった。徹ともう会うことがないんだろうな、と思っていた。カメラも壊れてないし、そう偶然に外で会うこともきっとない。でも徹といるとなんだか気が休まる感じがして不思議に思えた。しかしこの日は春の光が目を指していた。この気だるい空気の中、京子は家に帰った。家に着くとソファーに避になり「大嶌徹か…」とひとり呟いた。すると携帯が鳴った。知らない番号からだ。出てみると徹だった。『あのさ、誕生日いつ?』「5月12日だけど…」それを言うと『ありがとう』と言って電話は切れた。
京子は真面目に働いていた。そして相変わらず飲み会ばかり開いていた。この日、金曜日でどこのお店も混んでいる。気がつけば徹と偶然会った居酒屋に来ていた。
はしゃいではいるけれど、ふと、徹が座っていた席に目が行く。違う人が座っているのに。
京子の誕生日の日は仲のよい友人たちと、韓国料理を食べていた。女子だけのパーティーはみんな声がデカイ。
その中でもいちばん京子がデカイ。宴は23時まで続いた。この日はほろ酔い気分だった。しばらく歩いてからタクシーを拾おうと思っていた。夜道を歩いていると携帯が鳴った。徹からだった。『誕生日おめでとう。このめでたい日に、ニュースがあるんだ』
「なに?」
『俺の写真が賞を獲ったよ!』
「すごいじゃん!どんな写真?
『今画像送るよ』
届いた画像は京子が初めて徹の家に泊まった時の寝顔だった
「なによこれー!」
『モデルやってもいいって言ってたからさ!』
「もう最低な誕生日」と笑う京子であった
終わり
お読みいただきありがとうございました。
また書きます。




