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栗原さんは距離が近い  作者: タコヤキスト
6/7

お母さん

午後の授業が終わり、放課後になった。


「栗原さんお待たせ。」


「あ!昴君!こっちこっちー!」


今日も栗原さんと一緒に下校する。


下校の時もバレないように自分が遠回りをして学校から少し離れた交差点で待ち合わせをしている。


「それでさー!弓が超楽しくて!」


「操作難しいのによく使えるよね。僕には到底扱えないよ。」


この前買ったモンファイⅡの話題で盛り上がっている。


栗原さんはモンファイが滅茶苦茶に上手かった。僕の方がモンファイ歴は長いはずだが、手も足も出ないレベルだ。


「あ!今度ローカル通信でモンファイしようよ!お互い家近いし!」


「え…それって…」


「そ!私の家でも、昴君の家でもいいんだけど!」


「わ、わかったよ。今度やろうね。」


「うん!」


どうしよう。いきなりお宅訪問の約束をしてしまった。


と、そんな話をしていると、もう家についていた。


「それじゃあ、また明日。」


「うん!」


そして、お互い別れようとすると、


「お~~い!美穂ちゃ~ん!!」


と大きな声で栗原さんを呼ぶ声がした。


「え!お母さん!?」


後ろを振り返ると、そこには。栗原さんにとても似ている人がいた。


彼女の態度を見て、すぐに栗原さんのお母さんであると理解した。


「もー心配したんだよ!最近全然連絡してくれないじゃない!母さん美穂ちゃんのことが気になりすぎてお家まで来ちゃいました!」


「ご、ごめんなさい。忙しくて忘れてた……」


「もーしっかり連絡とってくれないとお母さん心配しすぎて寿命が縮んじゃいます!それよりも学校で友達はできた?ご飯はしっかりとってる?それと…」


「お、お母さん過保護すぎ!今度からしっかり連絡するから!」


「さすが私の娘ね!可愛いから許しちゃいます!」


(すごい人だな…)と呆然としながら見ていると、


「あら!そちらの方はどなたかしら?」と、こちらを向いた。


「えっと、その人は私の…」


「え!もしかして彼氏さん!?」


「違うよ!友達の昴君だよ!」


栗原さんは顔を真っ赤にして僕の方を向いた。


なんとなく(助けて!)と言われてるような気がした。


「は、初めまして。栗原さんのクラスメイトの遠藤昴と言います。」


「まあ!礼儀正しい子ね!私は美穂の母の栗原美香です☆」


栗原さんのお母さん、とっても元気な人だな…


「それでどうして昴くんと美穂ちゃんは一緒に帰ってたの?もしかして」


「お母さんが考えてるようなことはしてないよ!ただ私と昴君の家が近いから一緒に帰ってただけだよ!」


「そうなのね!因みにどのあたりかしら?」


「そ、そこです。」


僕は目の前の一軒家を指さす。


「あら!随分と近いのね!もしかして毎日一緒に登校してるの?」


「は、はい」と言うと食い気味に


「あら~~~~~」と美香さんがニヤニヤしながら栗原さんの方を見る。


「な…何よ母さんその顔は…」


「別に~~~。ただ毎日幸せそうだなーって。」


「も~母さん茶化すのやめてよ!」


「ふふっごめんなさい。つい可愛くて」


「昴君。いつも娘がお世話になってます。これからも美穂のことよろしくね!」


「こちらこそ栗原さんにはいつも助けてもらってますし、感謝を言うのは僕の方ですよ!」


「まあ!昴君本当にいい子ね!私のことは本当のお母さんと思って接してくれてもいいのよ?」


「ちょ!おかあさん!そのぐらいでやめて!ストップストップ!」


栗原さんは慌てて止めに入る。


「あら、残念。」


「全く……昴君大丈夫?」


「う、うん。」


「じゃあそろそろ僕は帰るね。」


「また明日ね!」


「あ!昴君ちょっと待って。」


「はい?どうしましたか?」


美香さんが携帯をポケットから出して「連絡先交換しましょ」と言ってきた。


「はい。いいですよ。」と、勢いに負けて連絡先を交換する事になった。


「……」栗原さんがジト目でぼくを見つめてきた気がするが、見なかったことにしよう。


「それでは僕はこの辺で。」


「また明日ね!」


そう言って栗原さんたちに背を向けて帰ろうとするとコソコソと栗原さんたちが喋っている気がした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「美穂ちゃんは昴君のこと、どう思ってるの?」


「そりゃあ…好きだよ。」


「あんなに優しくてかっこいい人、すぐに他の子に取られちゃうわよ!」


「わかってるって!私、頑張るから!」


「うふふ♪それでこそ私の娘よ♪」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


何を言ってるのか気になりながらも玄関の鍵を開けて家に入るのだった。

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