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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

非常な悪魔は神様の横顔

作者: 怒筆丸 暇乙政

踊れる君。揺られる果実。

二人の足並みは怒れるアキレウス。


傲慢な瞳に隠された繊細な心は既に傷物で、

男の髭に隠された本音の口角は悪魔に支配されている。


カネにいとまを付けずにドレスを翻せば、

微かな灯のシャンデリア。


傀儡の人形共は今宵も細い糸に踊らされている。


本能の赴く様に語る月夜は、

闇に隠れる刺客のように、鋭く濁っては輝いている。


神秘の泉は再び汚れ、

血に飢えた人狼が君の心を弄ぶだろう。


死して望まれる屍の悲哀が、

冷たい墓石の下の棺に爪を立てている。


不快な歪が激情の産声を上げ、

歴史は常に繰り返され血が流れる。


走り出す。駆けだす。鞭を打たれる。

望まぬ牝馬はその息を荒げて、重い積み荷を背負わされている。


地平の太陽が上り下りしようとも、

我が心の行く先は、奈落の地獄と相場が決まっている。


短剣に塗られた青い薔薇色のエキスは決して触ってはならぬ。

それは大罪の妬みに飲まれたレヴィアタンの証。


鋭利な眼光のつわものは、

明け前の明星にその息を密かにする。


悪魔祓いは徒労に終わるだろう。

貴様の祈りに魂は無い。そこに真実などは無い。


知った気になった愚か者は、

底の知れぬ真意など解る筈がない。


倒れる硝子。流れる葡萄酒。

夜風が抜ける床の闇に、その温もりなどはない。


再び揺れるシャンデリア。

しかしそれは違うシャンデリア。


それに浮かぶ黒の隙間は、君を思うその隙間で、

ただただ右へ左と揺り籠の様に、

小鳥は放たれ何処かへ消えてゆく。


散り行くどす黒い乾いた血は、

冷酷に冷えて、冷めた寒空を凍り付かせる。


ああ、痺れるこの指先よ!

ああ、吐露されるその白い天使たちよ!

我はこの道をどこまでも行く!


その先に救いなどは無く、

ただただ男を待つのは煉獄の獅子たち……。

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