表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/17

13話 二年半後

「それじゃあ、ビデオ通話、切るね」


「あぁ…」


 俺の人生の歯車が回り始めてから、二年半後。

 俺は最愛の妻と山奥で暮らしていた。

 小さな一軒家。

 昔住んでいた所と比べれば、本当に小さい。



 椅子に座りながら、外を見ている。

 大きな窓には、大自然が広がる。

 と言っても、今はもう、葉が枯れ落ちそうになる季節だ。

 夏の若葉。

 秋の紅葉。

 冬に向けて葉は、枯れ落ちる。



 何故自ら枯らすのか。

 昔は分からなかった。

 けど今は違う。

 きっとこうだと思っている。


「次に、繋げる為に、美しく、散る」


 今思い返せば、この山には、深い思い入れがある。

 辛かった思い出、楽しかった思い出、そして――。


 分かってる。

 分かってる。

 分かっているのだ。


 そっと、重なるように、俺の手の上に妻の手が乗る。

 優しい手。

 優しい指。

 全てで俺を気遣ってくれている。

 触れるだけで安心する。


 温かい。

 凄く温かい。


「―――。大好きだ。世界で一番かわいい俺の妻――。結婚してくれて、ありがとう。――愛してる」


「私も、大好き――」


 あぁ。

 これが、『愛』か。


 秋風は強く吹く。

 枯れ葉を残す木々達は、俺と同じで流れに任せるようだ。

 枯れ葉は、落ちていった――。


「…………」


 俺の人生が変わったのは、あの日からだろう。

 止まっていた俺の時間は、動き出し、今に至る。


 多くを学び、多くを知り。

 多く笑い、そして多く泣いた。



 これは、俺が彼女達を通して、成長する話である。

 どうか最後まで、見ていってほしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ