悪夢の始まり
「は~。もう真っ暗じゃん。」
もう冬だから暗くなるのが早くなるのはいいんだけどもうちょっと早く部活が終わらないかな。
帰り道街灯少ないから勘弁してほしいな。
そんな愚痴を心の中で思いながら足を動かす。学校から出てある程度進んだところで少し周りの様子がおかしいことに気づく。
(なんで家の明かりがついてないんだろ。)
周りにある家の明かりが一切ついていない。
(ちょっと怖いな~。でも家まであとちょっとだし頑張るか。)
私は別にホラーが苦手というわけではない。部屋の明かりをすべて消してホラーゲームをやったことだってある。そのあと寝れなくなったとかそういうことはない。
ないったらない。
(よし、あそこの曲がり角を曲がればもうすぐ家だし街灯だってある。)
少し早足で曲がり角を曲がる。
「え?」
その先にあった光景にびっくりしてしまう。
いやな汗が出てくる。
「なんで街灯がついてないの?」
その先にある街灯の明かりがすべて消えていた。
「大丈夫。大丈夫。」
そう自分に言い聞かせながら足を動かす。
「怖くない。怖くなんて無い。」
(ふふ・・・)
びくっと体が揺れる。
「怖くない。怖くない。怖くない。聞こえない。聞こえない。笑い声なんて聞こえない。」
もっと自分に言い聞かせる。そうでもしないと今すぐ倒れてしまいそうになる。
そう考えていると、目の前の街灯が一つだけついた。
「ひっ」
街灯の下に人が倒れている。腰までありそうな長い髪、白い服をきた女性が地面に這いつくばるように倒れている。今にも動き出しそうな雰囲気だ。
そんな状態の女性を目をそらさずにずっと見つめる。目をそらした瞬間、目の前まで来てそうで怖いからだ。
じっと見つめる。もう何分たっただろうか。
そこで変化が起きた。後ろから足音がする。
(ダメだ。目をそらしたらダメだ。でも気になる。何が近づいてくるの?)
「お~い。そこの君。いったい何をやっているんだ?」
反射的に振り替えってしまった。そこにいるのはパトロール中の警察官だった。安心してしまった。油断してしまった。気づいた時にはもう遅い。警察官の人も固まってしまった。
そう、いる。私の裏に奴が
もう遅い。その時点で私の意識は途切れていた。