表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/312

王都動乱

にゃんから鉱山で話しを聞いてから数週間後。

俺たちは、王都に帰って来ていた。

帰ってからもしばらく待機命令を受けてしまっていたのだが。

突然招集がかかり、そして、冒険者のギルドマスターの部屋の中。


「何を考えているんだか。バカ野郎が」

ギルドマスターの部屋の中に集まった冒険者達の中で、ダルワンが頭を抱えていた。


「今、聞いた限りだ。シュリフ将軍が、クーデターを起こした。シュリフ将軍の長男のアラスも一緒になり、王を監禁したらしい」


ギルドマスターのその言葉に呆気に取られる俺たち。


「その情報の信憑性は、高いのかい?」

ロアの言葉に一つ頷くと、ゆっくりと、周りを見回しながら話し始めるカラさん。

「本来であれば、私達暗部が名乗り出る事もありませんし、このような情報を流す事も、絶対にありません。しかし、今私がお話しをしていると言う事で、信じていただくしかありません」


俺的には、カラさんが、暗部と呼ばれる、諜報、暗殺部隊の一人である事にもびっくりしているのだが、そんな事すら気にしていられないくらい、周りはざわざわしていた。


「お父様は何を考えているのですか」

ライナも、うつむいて涙をこらえているし、そのライナの手をそっと握るレイア。


「だからこそ、この人数と、人選と言う事だったと言う訳ですか。いきなりギルドからの招集がかかったから、何事かと思ったのだけどね。まったく父上と、兄には困ったものだ。まあ、僕が出世した事も引き金になった気はするけどね。砦を部下に任せて来て、良かったよ」


バル隊長が呆れた顔で、周りを見回す。


今、ギルドマスターの部屋にいるのは、バル隊長。ロア、ライナ、レイア、ヒウマ、にゃん、ギルドマスター、俺、サラ、リン、ダルワン、カラ。

そして。

金髪の真っ白い鎧に身を包んだ、12歳くらいの男の子。


まさかの、シュリフ将軍と、継承権がない王族の末の娘との子供だと言う。

それを聞いた瞬間、バル隊長が殺意を持って『クソ親父』と呟いたのにはびっくりしたが。


名前は教えてくれず、ギルドマスターや、カラさんからは、アルと呼ばれていた。


なぜダルワンがこのメンバーの中にいるのかと言うと、

ダルワンは、シュリフ将軍とも仲の良い友達だったらしい。

「知っていたら、殴ってでも止めた」

と泣いていたが、本当にこの酔っぱらいは、謎だらけである。


ギルドマスターは、今いる全員の顔を見渡す。


「別の情報もある。王妃や、第一王子、継承権のある子供達は、別の場所に監禁されているらしい。だが、場所の確認が取れていない上に、暗部も探しきれなかった。

かなり大変だが、彼らも探して欲しい。これは、国王からの直々の依頼と言う事になる。すまんが、助けてやってくれ。俺の甥っ子達を」


その言葉に、全員が驚く。


王子達が甥と言う事は。

「ギルマスて、王族だったんですね」

リンの呟きにため息を吐くギルドマスター。

「全てを捨てて冒険者になっただけだ。だが、シュリフ将軍の今回の動きは、許されるものではない」


ギルドマスターの話しもあまり聞いていない様子で、思い詰めたように考え込んでいたバル隊長は、まだ、ショックで泣いているライナを見て口を開く。


「ライナには、この任務は辛いかな。身内の後始末は、僕が責任を持つから、ライナとレイラは、バカ二人とは戦わなくていいよ」


静かに淡々とライナとレイラに話す。


「身内殺しは、重罪だ。何もバルクルスがやる必要はないだろう」

その言葉に口を挟むサラ。


「サラフィがシュン君と一緒にいるとは、驚いたけどね。僕を振ってまで、北に行った君が」


「勘違いされるような発言はやめてもらいたい。バルクルスには、リンダ殿がいるだろう。それにバルクルス殿は私の好みではない。しかし、昔の恩には本当に感謝しているからな。軍から、追放された身なれど、私の出来る事はやろう。出来る事といえば、このくらいだがな」


剣にそっと触れるサラ。


「で、そのアルと言う奴は、戦力になるのか?」


ヒウマが、きっぱりとフラレて落ち込んでいるバル隊長を無視して、ギルドマスターに尋ねる。


「残念だが、アルは、戦えない。アルと言う、王族の旗印が居なくなれば、我々は、王族の救出と、奪還と言う名目が無くなり、叛逆者になるからな」


ギルドマスターはきっぱりと言うが、俺はデータベースでアルを調べていた。


ーーーーーーーーーー

[名前] アルフェーグ ゼイロス

[職業] Çランク冒険者


[ステータス]


[Lv] 53

[Hp] 1600

[Mp] 800

[力] 520

[体] 550

[魔] 230

[速] 400


[スキル]


交渉 詐欺 先読み 星流断罪剣(スターダスト)


《星流断罪剣》

6連撃の連続剣技。

王家の血の人間が使うと、威力が3割増す。


転生者。13歳

前世過去の記憶はあまり無い。

ゼイロス帝国 シュリフ将軍と、現王の一番下の妹(享年 27)の子供。

隠されるように、生活しており、城には住んでいなかった。


母親は、冒険者になっていたが、最近、突然死してしまった。

以後、ギルドマスターが、面倒を見ていた。

内気な性格で、実は、受付のお姉さんが好き。

まだ幼い妹もいる。


ーーーーーーーーー



まだまだ、好きな食べ物など、いろいろ出て来ているがあえてスルーする。

昔からだが、相変わらずデータベースさんは、容赦なく調べてくれるものだ。


というか、母親の死んだ年が27歳かよっ。

亡くなったのが最近らしい。

てか、何歳で産んだんだよ。

ライナの父さん、13年前とはいえ、すごすぎる。


そのアルは、下を向いたまま、何も話さないが、とりあえず、すぐ死ぬようなステータスではないのが分かった。

HP低いけどな。


「分かった。とりあえず、そいつは守ればいいんだな」

ヒウマの言葉に、頷くギルドマスター。


「俺達の旗印だ。頼むぞ。それと、王と、城にいる王家の奪還だが」


「私が、指揮を執るよ。一応指揮官だからね」


バル隊長が笑いながら答えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] アルの検索であった父である「ゼイロスト帝国 将軍」はライナの父なのですか? 「アルの父さん、略、すごすぎる」ならまだわかるのですが。 舞台の国の名前も見受けした事が無いので、疑問です。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ