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安心と安定

「私も戦ってよろしいでしょうか?」


この魔物ホイホイ拠点が、楽すぎて予定より追加で、さらに1週間も長く篭っていた。

毎朝100体は倒し、昼間は森で、50~60体の魔物を倒し、夜も100体近く倒す生活を繰り返していた。


これだけ倒しても魔物が尽きないのだから、森の中がどんなに危険か。

どれほど危ない所か実感してしまう。

まあ、こんな森の中での生活を40年もしてたのだから、戦い続ける日々は慣れていると言えば慣れているのだけれども。


それと、ご褒美ではないが、楽しみもある。夜は、ミュアに美味しいご飯を作ってもらい、(火の魔法はミュアしか使えないし、俺はなぜか、火起こしが出来ない)

夜は一緒に寝る(添い寝するだけ)

そんな生活をしていた朝。ご飯の準備をしていたミュアが、突然自分も戦いたいと言い出したのだ。

改めて彼女に言われて、自分のEP集めに夢中で、肝心のミュアのレベルを上げていない事に気付いてしまった。

俺と一緒にいる限り、魔物との戦いは避けられない。

なのに、彼女はレベル低いし、戦闘するにしても弱すぎる。


しかし、ミュアが怪我をするのは、嫌だった。

だからと言って、ミアのレベルを上げない限り、ミアを守り切れるかと言われればはっきり言って自信はない。

ライナとレイア。カイルたち。

一緒に過ごしていながら、助ける事も出来なかった人達の顔が浮かんでしまう。


真剣な顔で、俺を見てくるミアの顔を見ながら、しばらく悩み、悩んだ末。

結果としては、とりあえずミアの武器を作る事にした。


一番硬いスケルトンヘルドックの骨を出して見るも、しっくり来ない。

結局、作ったのは、ジャイアントバッファローの骨を圧縮し、その骨と筋を使ったコンパウンドボウだった。

ミアの力が無いため、力いっぱい引くのは難しい。

しかし、コンパウンドなら和弓のように馬鹿みたいな力は必要ない。

しかも、トリガー付きにしておくことで引きっぱなしにする必要も無くしておいた。

トリガーを作成するのは難しかったけど、何故か、データベースに作り方があった。

誰かがきっと昔に作ったのだろう。

矢はいろいろな魔物の骨から作り出せる。

 

付与は、つがえた全ての矢に電撃の効果付属。

小さい電流だけど、普通よりかなり威力は上がる。


かなり強い武器になった。


調べると。


[ボムズボウ]


世界に数十本しかないコンパウンドボウ。

本来なら、異世界で最新鋭の金属弓であるが、魔物の素材のみで金属に引けを取らない強度を保っている。

完成度が圧倒的に高く、トリガー式の弓はさらに少ないがその希少な一本。

電流による、小爆発の付与が矢に付く。

シュン作。 値段は、つけれないくらい高い。



「これを使って、撃ち抜け」


俺が渡した弓をミュアは不思議そうに何度もあちこちから見て、とりあえず矢をつがえる。


キチキチと言う音とともに、弦が引かれる

「そのトリガーを引いたら、発射する」

俺が、そう言うと、ミュアは素直にトリガーを引いた。


矢はまっすぐに拠点を囲っている、防壁替わりの光の壁に吸い込まれ、その先にいた魔物の頭を吹き飛ばした。


ちょっと威力強すぎたかも。

俺は、頭が飛んだ牛の魔物をみながら、少し反省するのだった。

そして、同時にEPが増えたのを確認した。


――――――――――――――――――


ボスッと良い音がして、Dランク指定のオオカミの頭が吹き飛ぶ。

ミュアに弓を渡して、さらに1週間。

ミュアが倒した魔物からも、EPがもらえる事が分かり、俺は、さらに森でミュアと過ごす時間を増やしていた。

ミュアのレベル上げは、拠点内からの攻撃のみにして、外にいる時は、自分のすぐ側か、絶対結界で四方を固めた中心にミュアをいさせるようにしていた。


とにかく、安全に。

ミュアに傷がつかないように。

そんなこんなでミュアにレベル上げをさせながらEP稼ぎをしていたら。


ミュアのレベルがみるみる上がり。そのステータスはこんな感じになっていた。



[名前] ミュア

[職業] シュンの奴隷

[種族]ハーフエルフ

[年齢]13


[ステータス]


[Lv] 30

[Hp] 900

[Mp] 1200

[力] 200

[体] 300

[魔] 510

[速] 400


[スキル]


絶対不幸 精霊言語 共通言語(人間) 矢作成

迅速 精霊魔法 (火 土)


[称号]

森の使い

※シュンの所有物(創造神の加護)

 


何か変な称号があると思い、検索してみた事もある。


[シュンの所有物(創造神の加護)]

 神の加護。レベルが上がると、必ず得意ステータスが[999]になる。

 レベルが上がりやすくなる。



そして、この検索結果に、絶対にこの称号はバレてはいけない物だと分かってしまった。

ステータスとレベルがある世界で、この称号は明らかに知られてはいけない効果。


ゲームでもないこの世界で、ステータスリセットや、レベルリセマラなんか出来るわけないのにレベルアップし続けると、得意ステータスが絶対カンストする事が確定している。


これだけでも十分強いのに、レベルが、普通の人が得なければならない経験値の9割くらいで上がってしまう効果までついている。

あまりに優秀な称号であった。


「マスター、私、強くなれましたでしょうか?」


ある日、ミュアが添い寝中にそんな事を聞いて来る。

俺の胸に頭を押し付けながら、ぴったりとくっついて来るミュアの頭を軽く撫でながら、十分強くなった事を伝えながら、ふっくらと健康的になり始めた彼女を抱き締める。


ミュアの服は、新しく作り直して、数着は俺の空間収納に入っている。

鎧は、今使っている胸当てと手足をガードするだけのライトアーマーと、動きやすさを重視した、鱗の帷子(かたびら)が入っていた。


川から取り込んだ水で毎日入浴をしていたのだが、ミュアは本当に可愛くなったと思う。


うっすら青い髪はさらさらで、俺の胸より小さい身長。目はぱっちりしている。

町を歩くと、視線が集まるような美少女になっていた。


俺の胸の中で、寝息をたて始めたミュアを撫でる。

最近は、二人になって、ミアも十分強くなったため、魔物を倒すスピードも上がり、1日、300匹以上は狩っていた。


ミュアの矢が足りなくなるくらいの狩り速度だ。

矢を作る時間ももったいない。


「無限矢の魔法弓とか作りたいな」


俺はミュアの頭を撫でながら、幸せを噛みしめそんな事を呟くのだった。


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