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俺の武器っ!

「硬いんだよっ!」

力1000のステータスで殴るのに、びくともしないスケルトンヘルドック。


カッ と口が開くと、炎があたりにばらまかれる。

その炎を、水魔法をかけたメイスで、薙ぎ払いざま頭に一撃を入れる。

 ガッという鈍い音はするが、頭には、ヒビ一つ入らない。


さすがAランク指定。

「この骨野郎っ!」

力一杯、頭を横殴りにする。

ミシッと鈍い音が再び聞こえる。


着地と同時に、骨の爪が地面すれすれに走って来る。

それを、確認するかのように足下に見る。

再び跳んだ状態で、メイスの下に魔法球を出す。

魔法球に絶対結界を張り、そのまま魔法球を殴り、全体重をかけて、相手を絶対結界で押し潰す。


「びくともしてないか」

一回転して、着地。敵を見るも、全くの無傷。

笑みを浮かべながら、俺はスケルトンヘルドックをにらみながら、笑っていた。


多分、俺はあの一件で壊れたんだろう。

魔物を倒す事が楽しい。

強敵を追い詰めるのが楽しい。


俺の周辺何ヵ所かから、黒いもや が立ち上る。

魔物の姿がもやから現れる前に、俺の身長くらいある巨大な氷がその黒いもやごと、生まれるはずの魔物を吹き飛ばす。


「邪魔すんなよ」

ニヤリと笑ったまま、目の前の骨を確認する。

俺は、何度も何度も骨を殴る。

何回目か、力一杯振ったメイスが鈍い音と一緒に折れた。

「はははっ」

俺は笑う。狂喜。

「あきらめて、俺の武器になりやがれっ!いぬっ!」


折れたメイスを放り投げ、硬い骨に蹴りを入れながら、一度距離を取る。


土魔法で、ドリルを作ると、右手にまとわせる。

「第2ラウンドだ」


再び、スケルトンヘルドックが口を開けた時。

絶対結界を魔法球に張り、左手で掴む。


そのまま、俺は自分に、ダルワンが使っていた、物体を弾き飛ばす魔法を自分にかける。

向きは。。

骨犬のド真ん前。

左手の絶対結界の盾で、炎を防ぎながら、相手の目の前で。

まだ火を出している口に向かって、右手の即席ドリルを押し込む。


「死ねやぁっ!」

そのまま。右手から、ありったけの魔法を打ち込み続ける。

ビキビキという音が鳴り続け、ついに、耐えきれなくなったのか、スケルトンヘルドックの頭が弾けとんだ。

 バラバラとその場に落ちる骨。


俺は、魔法の反動と魔物の牙やら、炎やらで、かろうじてくっついているような状態になった右手に回復魔法をかけ、骨を一つ残らず拾い、街に帰る事にしたのだった。


――――――――――――――――――――――――

「先輩、シュンくんは大丈夫です?」


しきりに聞いて来る新人。

多分彼女も、迷いの大進攻はトラウマなのだろう。


「大丈夫よ。あの子は強いから。多分、このギルドのCランク冒険者以上に」


私が返事をした時、シュンくんが入って来た。


「倒した。コボルトシャーマンはいなかったが、スケルトンヘルドックがいたぞ」


シュンくんは、開口一番、言い捨てるように、こちらをにらんで来る。


出された前足は、明らかにスケルトンウルフの2倍近くある。

「せ、せんばい、スケルトンヘルドックて、Aランクしてぃ、、」


うん。よく勉強してる。

後輩をほめてあげたかったけど、今は目の前の討伐部位をどうするかが先。


「マスター!」


さんざん悩んで、悩んで、私に出来た事は、ギルドマスターを呼ぶ事だけだった。


―――――――――――――――――――――


俺は、買い食いした暴れ牛の串焼きを食べながら、宿に帰っていた。

結局、大金貨2枚で、交渉は落ち着いた。


まあ、倒せる事が分かったから、無理に値段を跳ね上げなくてもいいかなと考えたんだ。


スケルトンヘルドックの素材を売ってくれれば、さらに一枚追加すると言われたが、拒否する。

これは、俺の武器になるんだよっ。

俺はウキウキしながら、宿に帰って来た。


部屋に入ると、ローブも脱がずにすぐ作成に入る。


「まずは、持ち手」

握りやすい細さの骨を、スキルと魔力で、じっくりと小さく、固くしていく。太くなりそうなら、少し伸ばし、添え木のように、もう一本を合わせる。

 石突きの部分は、骨を絡めるようにし太く。

槍部分はそのまま、穂先部分は喉部分を、魔力で、鋭利な刃にして。


そして、持ち手部分が二股になっている十文字槍が完成した。


魔力を込めると、槍の先の部分が、青くなる。

テーブルに近付けただけで、テーブルから、白い煙が出る。


うん。

良い出来だ。


とりあえず、検索してみると。


ヒートエッジロッドスピア


シュンリンデンバーク作成の槍。

世界初の、穂先が高熱になる、ヒートエッジ採用。

素材は、ヘルドックの骨であり、軽く、頑強。


売れば、大白金貨に届く。




うん。納得。

いろいろ、中二っぽい見た目だけど、昔使っていた時より、全然良いものになった。


俺は、できた槍を一振りすると、空間収納に突っ込んだ。

持ち歩くと、いろいろ危なそうだからね。


そのまま、ローブを脱ぐとベッドにダイブするのだった。



―――――――――――――――――――――――

「シュンリンデンバークか」


初老にさしかかった、白いひげを蓄えた男性が口を開く。


「シュリフどの。やはり、間違いなく、Aランク指定、スケルトンヘルドックの足です」


「これを、単独討伐か」

「はっ。しかも、本人は無傷です」

銀色のマントを後ろに流しながらながら、唸る男性。

「どう見ても、普通ではありません。コボルトシャーマンと言い、今回といい、我が国にとって脅威になり得る強さです」

「国王陛下に、報告は?」

「滞りなく。Aランク指定の魔物の発生、処理の流れ通りに」


「儂は、判断を誤ったか?ライナをあやつにやるべきだったのか?しかし、ライナを守りきれん奴に渡すわけにはいかんっ!」


シュリフは、目の前にある足を見ながら、唸り続けるのだった。



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