冒険者
冒険者の説明回です。
地獄のレベリングを終えて、帰って来て。
ライナに、俺の裸を見られて。
ぐっすり寝た後、ライナと二人だけでデートをして。
次の日には、なぜかレイアと1日手繋ぎデートをする事になり。
結局、夜は二人と一緒に寝る事になってしまった。
二人いわく。
「「また勝手に出て行ったら許しません」」
なんか、結婚もしてないのに、不倫した後か、家出した後の亭主の扱いじゃね?
と、いろいろ思うけど、今は一番俺の精神負担がひどい。
だって、一応、100年近く生きた記憶はあるんだよ?はるか昔に、夜のお店に行った事もあったよ。
夜の格闘技の知識はあるんだよ。
横に美少女二人が寝てるだけで、ムラムラしないほうがおかしい。
しかも、多分二人とも俺が襲っても受け入れてくれるのがほぼ確実。
けど、もし断られたら、立ち直れないダメージになるから。
怖くて、手が出せない日々が続いた。
ヘタレ。ええ。ヘタレですよっ!
それに、まだ二人とも14才になるか、ならないかくらいの年齢だから、犯罪だしねっ!
と心を沈める事に専念する。
二人がぴったりくっついて、むにゃむにゃ言ってる姿を見るだけで、ちょっと幸せだったりしていた。
―――――――――――――――
とりあえず、数日後。学校に顔を出すと、突然理由も言われずに、担任にえらい剣幕で怒られた。
「とにかく、今すぐ、冒険者ギルドに行って来いっ!ライナとレイアも一緒に行く事っ!学校は今日は来なくていいから、とにかく行って来いっ!」
と凄まじい剣幕で学校を追い出された。
「えーと、シュンリンデンバークさん」
冒険者ギルドに来ると、すごく言いにくそうに、受け付けのお姉さんが本名を言ってくれる。
「えーと。今回は、みなし冒険者登録という事でいいですか?」
学校から持たされた書類を見ながら、首をかしげるお姉さん。
魔物を狩りまくった事を怒られるのかと思っていたけど、みなし冒険者として登録をしていなかったから、登録して来いと言う事だったのか。
魔物が一時期、全滅してた事は、僕が原因だとは知られていないみたいだ。
ただ、何度も「シュンリンディバグ。いや、リンデゥ、、」
と間違えているお姉さん。
あまりに言いにくそうなので。
「名前の登録て、愛称でも大丈夫なのですか?」
「もちろんですっ!」
返事早っ。
結局、お姉さんが舌をかまないように、冒険者登録はシュンで行う事にしたのだった。
「これが、みなし冒険者としての冒険者カードです。みなし冒険者は、この首都圏だけで、冒険者と名乗って良い事になっています。一応、Fランクと言う事で、Fランク指定の依頼とその一つ上下のランクの依頼を受ける事が出来ますが、みなしの間はランクアップはありません。ただ、依頼をこなしていただくと、ギルド貢献度は蓄積されます。本ライセンス取得時に、貢献度がたまっていれば、Dランクにすぐなれます。
首都圏でしたら、見習い冒険者も連れて出れますが、首都圏から離れてしまうと、冒険者資格が失効しますので、冒険者の規約違反になり、みなし冒険者の資格も失効となります。
気をつけて下さいね」
お姉さんが丁寧に説明してくれる。
「何か聞きたい事はありますか?」
「冒険者のランクアップは、飛ばし上がりする事はありますか?DからBとか」
「それはありません。一度ランクアップすると貢献度はリセットされます。一段ずつ上がるからこそ、上位ランクは高い地位と名誉が保証されています。Bランクからは、貴族や王族、騎士団からの直接依頼も発生しますので」
なるほど。不正してランクが上がったとしても、何度もやればいつかバレるから、不正防止も兼ねているのか。
なんとなく、冒険者ランクシステムが分かってきた。
「冒険者になれば、一定の支援が受けれます。Fランクですと、武器、防具の4割引、ギルド資金の借り入れ、宿屋の料金の3割引です。一個上ですと、武器、防具の3割引と、宿屋の料金の3割引ですね。これは、卒業したてのFランクやEランクの冒険者の保護と支援事業になってます」
「ちょっと聞いて見るのですが、Aランクだとどんな特典になるのですか?」
「Aランクは、素材買い取り価格の3割増し、ギルド施設の無料解放ですね。武器とかは、最高素材で、作っていただいたりしていて、鍛冶屋さんとの直接取引になりますし。後は、依頼受注時のみ、ポーションなどの消耗品の購入1割引もついてきます」
「最高ランクは、Aですか?」
「いえ、数名ですがSランクの方がおられます。今は4Sですから、4名ですね。名前は、お伝えする事ができません。国家機密の依頼もこなす方々ですので」
ちょっとキナ臭いな。暗殺とか依頼を受けていそうだ。
「では、最後に、ギルド借り入れ金は返済が滞ると、冒険者資格が剥奪されます。やむを得ず返済出来ない場合は、ギルドに申し出てください。返済延期のお話が出来ます。
また、一般人に対して、暴力行為、恐喝などを行った場合は、ギルド審議会にかけられ、資格剥奪か、ペナルティを受ける事になります。一般人に絡まれても、我慢してくださいね。ただ、なぜか、冒険者に絡んだ人は、よく突風に吹き飛ばされるみたいですけど。自然現象はギルドでは管理しておりませんので、理由は分からないんですけどね。最近だと、部屋の中で竜巻が起きると言う異常気象が起きたみたいですね」
怪我をさせるのは、ダメ。吹き飛ばしたり、ちょっと指導するのは目をつぶるけど、上手くやってね。
と言う事らしい。
そして、渡されたのは、銅のギルドカード。
ライナと、レイアは鉄のカードをもらっていた。
ちょっと重そう。
本カードは、銀で、Bランクが金、Aランク以上は白金 らしい。
「では、説明は以上です。ご活躍をお祈りいたします」
事務的に挨拶をされて、俺たちは受け付けを離れて、依頼ボードを見る。
意外と、ボードはきちんと整理されていた。
を。迷いの森の薬草採取の依頼がある。
ただ、森の中心部に入るのは禁止か。
やって見るかなぁ。
そういえば、冒険者登録時の絡まれテンプレイベントはなかったな。
誰か絡んで来るかと思ったんだけど。
俺は、とりあえず、依頼を受け付けに持って行って依頼を受けてギルドを後にしたのだった。
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そして、ギルドからシュンたちが出ると、数名が、大きく息を吐き出す。
「なんだよっ!せっかく新人に、挨拶しようと思ったのによっ!」
隣のおっさんに必死に引き止められていた、いかついおっさんが、怒鳴り返す。
「ばか野郎!ありゃ、爆炎の女神に、舞氷の聖女だっ!新人と思ったら、吹き飛ばされるぞっ!」
「さらに、暴緑のシュンだ。空中に吹き飛ばされるだけですめばいいが、あいつが一番ヤバい。この前、ビックバイパーを振り回して、暴れ牛にぶつけて、二体ともメイスで叩き潰してたのを見た。普通じゃねぇよ。イカれてる」
その言葉を聞いて、背筋に寒気が走る冒険者たち。
「あいつが通った後に魔物はウサギ一匹いなかった。まさに、暴風、暴緑(暴力)だよ」
シュンの地獄のレベリングの様子を見てしまった冒険者たちは、震えながら、うなずくのだった。




