その後 新たな問題
光が暴れる。
そんな言葉が一番似合う。
緑色の光りが走り、世界が緑色に染まったかのようにすら見える。
パパの回復魔法は緑色の風が暴れるように走る。
【暴緑の】そんな二つ名が本当に似合うと思う。
しかも。
ヒウマおじさんを回復させながら、パパはオークの後ろに走り込み、その背中を切り上げていた。
叫び声を上げるオーク。
オークの叫び声に、引き寄せられるようにゴブリンが矢を放つ。
パパを狙った矢は、空中の壁に弾き飛ばされる。
次の瞬間、オークの首は無くなっていた。
「ミオ!にゃあさんを連れて少し下がるです!」
巨大な斧を持ったまま、ママが叫ぶ。
「無理するなよ」
パパの声が聞こえるが。
「子供を守るのは、親の務めです」
笑うママ。
パパが少し苦笑いをしているのが見える。
「最強夫婦は、怖いな」
ヒウマおじさんが呟くが。
「お前らも十分最強だろ?」
パパにそう言われて苦笑いを返すおじさん。
苦笑いを浮かべたまま。
おじさんはにゃんおばさんに乗って黒い風になっていた。
「グギュ」「ガギュ」
あちこちからそんな声が聞こえて来る。
にゃんおばさんに踏みつぶされているゴブリンの声だ。
時々、槍が地面に落ち。
激しい光を発生させたりもしている。
パパは、槍を構える。
突き出した槍から、光が飛び。
矢をつがえていた最後のゴブリンを打ち抜いていた。
「助かっ、、、た」
座り込んで茫然としていると、パパは僕の前に立つ。
僕がお礼を言おうとする前に、
パパの手が頭に置かれる。
そのまま、僕は、頭を撫でられた。
思いっきり。
「ごめん、ごめんなさい。パパ。だから、やめてぇ、あ、、吐く、吐く、、、」
ブンブンと頭を振り回されながら僕は気分が悪くなっていく。
「本当に危ない事をしたのです。しっかり反省しないとダメなのです」
ママも、助けてくれない、、、。
ああ。。このまま死んじゃう、、、
そう思っていると、揺れが止まる。
「うちのパパがわるかったのにゃあ、だから、ミオは悪くないのにゃあ。私も一緒に叱られるから、許してほしいのにゃあ」
にゃあが、パパの足にしがみついて上目使いでお願いしていた。
その姿を見て。
パパは大きなため息を吐いたのだった。