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贈り物と効果?

「こないでっ!」


ライナの叫びと一緒に氷魔法が発動し、地面の一部と犬型の魔物の脚を凍らせる。

足止めに使える、氷の魔法だ。

魔物が良く使ってきて、さんざん悩まされた過去を思い出す。

2匹のオオカミの足が止まる。

レイアが持つナイフを振るうと、炎の矢が数本、足の止まった魔物を貫く。


氷の魔法を避けるかのように大回りで走って来た一匹は、レイアの前で光の壁に勢いよくぶつかり足止めされる。俺は冷静にその一匹を空中に撃ち上げる。

空中で、泣き顔になっているオオカミは、あっさりと俺の風魔法に切り刻まれた。


「よし、1体目っ!」


俺は次に迫って来ている、別の犬の魔物の横腹を殴り飛ばす。


空中に飛んだ魔物に、ライナが放った氷の粒が飛んでいくが、全部外れるのが見えた。


「もうっ。何で当たらないのっ!」

ライナが頬を膨らましている。ちょっと可愛い。

 ライナは怒りながらも、自分の身長くらいある杖を抱き締めるように持っていた。

そのすぐ後から、炎が飛んでいくが、それも全て空中のオオカミには当たらず外れて飛んで行く。


「あーっ!外したぁ!先生の馬鹿っ!魔法は必中て嘘じゃんかっ!」

レイアの声が聞こえてくる。

いや、炎の弾とか、空中の敵に当てるのが比較的難しい魔法を選択してるからだと思う。


空中で的になっていたオオカミが目の前に落下してくる。地面に着地する寸前にその頭を叩きつぶしてやる。


足止めの魔法が切れて、2体が走って来る。

ライナに足止めされて、怒ったオオカミは、ライナに向かってとびかかって来るが、ライナの前で、空中だけを引っ掻き驚いた顔をする。

オオカミが引っかいたのは、俺のメイスの頭に張った絶対結界だ。


ライナは絶対結界にぶつかり、動きが止まったオオカミに氷魔法を叩き込む。


レイアもさっき外れた事の憂さ晴らしかのように、連続で空中のオオカミに魔法を叩きこむ。

オオカミが息絶え、地面に落下したのを見た残りの一体は。


そのまま、くるりと向きをかえて逃げ出していた。


「終わったぁ」

「楽勝っ」


と言いながらも、二人は緊張が解れたのか、地面に座り込む。

楽勝と言いながら、レイアは汗でびっしょりになっていたりする。

「ふぅ。ちょっとびっくりしたなぁ」


俺が呟くと、

「ちょっと。 じゃあ、ないですっ!ワイルドウルフの群れとか、普通だと、逃げるだけの状況ですっ」


「久しぶりにヤバいと思ったわ」


二人とも、じっと俺を見て来る。

少し空中に視線をそらしながら、オオカミの群れを敵を見つけて、最初の一頭に魔法を使ったのは、自分だったなぁと思い出す。


普通にウサギ狩りをみんなでしてたら、ワンちゃん4匹が見えたんだけど、それが、まさかウサギを狩り始めるとは思わなかったんだよ。

オオカミより、ウサギのほうが買い取り価格はいいんだもの。

収入が減るのは本当に勘弁だから。


「でも、二人とも強くなったね」

「まだまだです。シュンくんに比べたら、弱すぎです」

「これのおかげってのが大きいよなぁ」


レイアは自分の持っているナイフを見つめる。

レイアのナイフは、さっき倒したオオカミ型の魔物の脚の骨に何度も魔法強化をかけた物で、接近戦特化の武器だ。普通のナイフよりかなり刃渡りが長いので、ナイフというよりは、懐刀(ふところかたな)くらいの長さがある。

この世界には、この長さの武器はないので、ナイフという事にしているのだが。


魔法の通りも良く、魔法の複数発動に補助がかかるように調整してみた。おかげで、火魔法の連続使用に上方補正がついている。武器を振りながら炎の魔法を連発で放てる、魔法杖の効果もある武器だ。


ちょっとググって見たら、ナイフロッドと名前が出て、大金貨5枚(およそ500万)とかあったけど、気にしない事にした。


ライナが握りしめている長い杖は、水牛といえばいいのか、牛型の魔物の骨から作った物で、水属性魔法との相性がすこぶる良い。


こっちは、一人で狩りをしていた時にたまたま見つけて狩った魔物だ。

正直、モツが美味しい魔物でもある。


見た目が、エグイから二人には出せないけど。

昔に良く自分用のごちそうとして食べたものだ。


ああ。話題がそれた。

ライナの杖は、発動時に氷の魔法強化の効果がつくように調整してたら、何をどう間違ったのか、振るだけで、氷の弾が出るようになってしまった。

まだライナの魔力が少ないから、今は放てる魔法はつぶてみたいな物だけど、俺が持つと、自動拳銃並みに連続発射が出来る事が判明している。


こちらは、アイスバレットロッド。

水魔法強化、氷魔法強化、氷魔法発動。


お値段、白金貨1枚(およそ1千万)


うん。  見てない事にした。



まあ、気合いを入れて作り過ぎたのは仕方ない。


レイアには、別の物も作ってある。

なんせ彼女は、よく接近戦をしたがる。

魔物を殴る事すらあるので、指抜きグローブも作って見た。

ヒートグローブ。手のひらから魔法発動がしやすくなり、熱さを軽減する。

火魔法発動時間短縮 40%

なんて効果が付いていたりするグローブで、これでどこかの漫画のように燃える拳で殴るという、笑える光景が生まれている。

お値段、大金貨7枚(およそ700万)


もう考えるのはやめてる。


ちなみに、自分のコブ付きのこん棒は、ただのメイスロッドで、全く補正がない。

補正をつけると、自分のどこが弱いのか、何が足りないのか、分かりにくくなるからあえてつけてない。


ちなみに、最初はメイスロッドだったのだが、最近は名前が変わり、ブラッドメイス(血塗られた棍棒)になってたのが、事件といえば、事件だった。お値段、金貨1枚。(およそ10万)だったりする。


ライナはしっかりと杖を握りしめて、必死にレイアの声にうなずいている。


ちなみに、二人には、値段は伝えてないけど、昔から良い物を良く見ていたせいなのか、ライナはあの杖を見た瞬間、泣き出した後、笑顔で受け取り、ずっと握りしめている。


レイアも、ほぼグローブを外してるところは見ていない。


本当にプレゼントを喜んでくれて嬉しい。


「休憩にしようか」

「はい。あ、これどうぞ」

と俺も座ると二人が寄り添うように側に座り直して、水筒を差し出してくれるライナ。


完全に俺に寄りかかるように座ってるレイアはちょっと目を閉じていた。


「あ、そういえば、魔法対戦の参加が決まりました」

ライナがにこやかに笑う。

「私も、先生から言われた。シュンのおかげだな」

レイアもうっすらと笑っていた。


「そっか。よかったね。二人とも、頑張ってね」

俺は二人に笑いかける。

これが、すごく異常な事態な事にこの時はまったく気が付いていなかった。

だから、普通に二人にお祝いの言葉をかける。


その言葉を聞いて、二人は、逆に驚いた表情をする。


「え?シュンくんは参加しないのですか?」


「うん。先生からは何も聞いてないよ。けど、試合に参加できなくても、見に行くからね。二人とも頑張って」


その言葉に、驚いた顔を続けていたが、二人とも笑顔になり。

「「もちろんです。シュン(くん)のためにも、決勝までは行きますっ!」」


と同時に叫ぶ。

その後で、レイアが、ちょっと意地悪な顔をしながら、

「ライナよりは上に行くからね」

とライナに挑戦状をたたきつける。


「レイアには負けません」

受けてたつといわんばかりのライナ。

そんなライナを見ながら、笑顔のまま、レイアはこちらを見る。

「今なら、ライナにも勝てる気がするんだよな。で、シュンにお願いがあるんだけど」

「ん?何?」

「より上位に行った方がシュンにキスしていいか?」

「はい?」

今、何ていった?

俺が少し混乱していると。


「な、な。それなら、絶対、死んでも負けませんっ!覚悟してくださいっ!」


「ふふ。シュンとのキスはもらう」


二人がいきなり立ち上がって、俺の上で火花散らしてるけど。

俺、いいよって言ってないんだけど。話し進んでるんだけど。


狩りの間の休憩は、一気に修羅場と化し、心地良い風は、俺を癒してはくれなかったのだった。

PV500を越えました。駄作ではありますが皆さんに読んでいただき、本当にありがとうございます。出来れば、誤字報告や、叱咤激励もいただけますと、本当に嬉しく思います。がんばるぞっ。

12 6 少し追加、書き換えしました。

2023 2 加筆修正しました。

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