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2013年版あとがきとオマケ

国生ミノ始メ あとがきに代えて




 最後までお付き合い頂き、誠に有難うございます。結局この物語がなんだったのかといえば、遠氏と日氏という二つの氏族が、どうしようもなく求め合い、手を携え、やがて別たれ、それぞれに存在しながらも焦がれあう、そのありようを描いた話です。


 そして何より、次シリーズ「三柱ノ貴子みはしらのうずみこ」、その後に来る「出雲争乱」、物語を締めくくる「東環記」に続く壮大な物語『古事人記』のプロローグでもあるのです。


 …と、でっかい風呂敷を広げてみましたが、果たして、本当に最後までかけるのかどうか…。ここまでで既に42,195km走りきったような心持なので、後まで続けるってなるとユーラシア大陸横断な気分ですし。まぁ、ゆったりしたペースでぼちぼち上げていきますんで、何卒お付き合いの程を(ぺこり)。


 折々のあとがきで小難しいことを書き連ねましたが、あれはあくまでも物事を斜向かいから楽しみたい人のためのツールです。ストレートに神代の蓬莱を楽しんでいただける方には必要のないものだと思っていますので、本当に読み飛ばしていただいてぜんぜん構わないんです。


 今回の『国生ミノ始メ』で、シリーズ全体の登場“神”物の3分の2は出揃いました。以下に最終登場人物一覧を記載します。わかる人にとっちゃもう既にこれが大いなるネタバレなので、冒頭には出さずじまいでしたがここでドドンと出させていただきます。






最終登場人物一覧【年齢は、プロローグ時点~第6話終了時】


・蓬莱の人々


日岐峰ヒ・キホウ(伊舎那岐王)【15歳~18歳】:弁韓諸国の豪族の一族日氏の生き残り。伊舎那岐氏の祖。


遠美君エン・ビクン(伊舎那美王)【15歳~18歳】:大陸南部の豪族、遠氏の娘。球磨伊舎那氏の祖。


遠比士エン・ビシ【45歳~47歳】:後漢に敗れ亡命してきた遠氏の長。前漢皇帝哀帝の孫に当たる。


遠撥耶エン・ハツヤ【20歳~23歳】:遠比士の異母弟。後の建速タケハヤ氏の祖。


提羅子テイ・ラシ【24歳~26歳】:日氏の家臣。後の天照アマテラス氏の祖。


筑紫ツク・シ【24歳~26歳】:日氏の家臣。後の月読ツクヨミ氏の祖。


過遇知カ・グウチ【20歳~22歳】:遠氏の家臣。遠家漢族側家臣団の一人。日氏に対し反感を抱く。


兎迂李ト・ウリ【40歳~42歳】:遠氏の家臣。水夫の頭。のちの天鳥船アメノトリフネ氏の祖。


日輝月ヒ・カグツキ【0歳】岐峰、美君の子。




帥牙比古スイ・ガヒコ【50歳~52歳】:一支イキ国の王。日氏の遠縁に当たる。遠氏、日氏を保護する。後に、帥氏は国内において神産日カミムスヒ氏と呼ばれる。


巴太廉劫ハタ・レンゴウ【33歳~35歳】:巴太はた氏の長。山城に拠点を持つ有力豪族。徐福の子孫を名乗る。


見珂布津ミカ・フツ【26歳~28歳】:遠津淡海とおつあわうみ出身の戦士。巴太の部下。後の建布津タケフツ氏の祖。


乙宇目嶺蓋(オツウメ・レイガイ【48歳~51歳】: 乙宇目氏の長。武庫、菟原、広岡一帯に拠点を持つ。


足納槌章柏アシナヅチ・ショウハク【46歳~49歳】: 足納槌氏の長。出雲・石見に拠点を持つ。


大杜志伊和オオトシ・イワ:因幡・但馬に勢力を持つ豪族。後の穴持なむち氏(大国主)の祖。


玖久智ククチ:球磨、火の国の王。後に球磨伊舎那氏の執政を排出する一族となる。


久米クメ:玖久智の家臣。後の天久米氏の祖。




・韓国の人々


日武遂ヒ・ムツイ【29歳~31歳】:弁韓の豪族の生き残り。日氏の同族。後に任那を運営する、国内において高神産日タカミムスヒ氏とよばれる一族の祖。


日和久ヒ・ワク【23歳~25歳】:弁韓の豪族の生き残り。日氏の同族、武遂の妹。後の和久産巣日ワクムスヒ氏の祖。




楚明ソミン):金関の宿屋の主人。後に倭に逃げてくる。


枯淡コタン:金関の宿屋の主人。楚明の弟。後に疫病で一族が絶える。


損蓮ソンレン:楚明の娘。後に倭に逃げてくる。




・大陸の人々(名前だけの人たちも含む)


劉秀文叔リュウシュウブンシュク:実在の人物。後漢初代皇帝。光武帝とおくりなす。


鄧禹仲華トウウチュウカ:実在の人物。光武帝の側近。後漢初期に活躍した雲台二十八将の筆頭。




劉玄リュウゲン:実在の人物。更始帝。緑林軍によって立てられた更始政権の皇帝。赤眉軍に破れ、死亡。


劉永リュウエイ:実在の人物。更始政権下の梁王。光武帝に破れ、敗死。


劉紆リュウウ:実在の人物。劉永の息子。光武帝に破れ、敗死。


劉縯伯升リュウエンハクショウ:実在の人物。光武帝劉秀の兄。春稜軍を組織し、新王朝打倒、更始政権樹立に貢献する。更始帝により暗殺される。


王莽オウモウ:実在の人物。前漢より帝位を簒奪し新と言う王朝を打ち立てる。赤眉、緑林の軍に破れ、死亡。


呂母リョボ:実在の人物。王莽に県令である息子を殺されたことを恨み、私財を投じて兵を組織。寿命により没する。その兵が後の赤眉軍となり、新を打倒する。




 ね、今回のシリーズの一番の仕掛けである神=一族がもろばれでしょ?エピローグ前に出しちゃうと興ざめかもな、と思いまして。


 さて、次何書こうか正直迷っていますが、次シリーズ「三柱ノ貴子」に入る前に、この岐峰や美君たちの周りの話で書ききれなかったものがもろもろあるのでそちらから書こうかなと思います。短編をちょいちょいあげます。よろしければまたお付き合いください。




最後に、本当に最後までお付き合いいただき真にありがとうございました。感想、ダメだしどしどし下さい。お待ちしています。




乱文ご容赦の程。


2013年10月6日 吉田業






★オマケ


裏あとがき アンサイクロペディアンによるアンサイクロペディア風人物紹介


(ざっくり登場順)




日岐峰:本話のヒーローにして、絶対的ヒロイン。「誰も傷付かない理想郷を作る!」をスローガンに、汚いことに目をつぶった結果嫁ごと嫁の実家を追放してしまう。




遠美君:本話のヒロインにして、メインヒーロー。泣き虫姫。暴走癖が事態を追い詰めていくこと多々。彼女の暴走が最終的にニッポンを二つに割る。




遠撥耶:本話の裏主人公にして、死にたがり野郎のトップランカー。死にたがることによって逆に死亡フラグを封じ込める離れ業を有する。医療に長けているのは、スサノオこと牛頭天王が、薬師如来と本地垂迹の関係にあるからです。




提羅子:苦労人。真面目で堅実。主人もちゃんと諌める常識人。でも聞いてもらえない。苦労人。地味に活躍している特殊能力も、幼馴染の活躍の前でかすむ。苦労人。




筑紫:伊舎那の諸葛孔明(あ、時代的に孔明より前だった…)。頭脳戦においてその能力をチートレベルで遺憾なく発揮する。むしろ5話はこの人が主役。




遠比士:悪役商会その1。政治家としての輝かしい手腕を発揮する。同時に、政治家らしく自らの策に溺れ没する。とても政治らしい人。




帥牙比古:兵力的にも貢献度的にも一番のはずなのに、あくまで他所の国を貫いたためか、廉劫や比士と比べて目立たない可哀相な功労者。




過遇知:悪役商会その2。こいつは悪い、絶対に何かやらかすというみんなの期待に、けして裏切ることなく応えるまじめな人。




巴太廉劫:濡れ手に粟で重臣の座をゲットするラッキーガイ。政敵が自滅する中着々と勢力を伸ばし、一の側近の座を射止める。




見珂布津:沈黙の善人。または沈黙のロマンチスト。ラブシーンに席をはずしたり、狙ったようなフォローを入れたりと、小粋な所が憎い人。




遠家の暁族側重臣:先祖累代の故郷漢水を離れ、はるばる蓬莱まで着いてきた忠臣の鏡みたいな人たち。遇知のせいで国を追われてもまだ主についていく。九州で落ち着いた生活を送ってくださいm(_ _ )m




遠家の漢族側重臣:The火種。正しい獅子身中の虫を体現するパフォーマンス集団。




沖の駐在兵:捨て駒。散々使われて始末される所だった可哀相な人。でも生き延びたんだよね。よかったね。




岐峰らを襲った刺客たち:捨て駒。上記に比べ誰からも省みられない可哀相な人たち。




兎迂李:登場が遅い割にいろいろ持っていく4話以降組その1。でも遠家の主力船の舵とっていたってことは、1話と2話の間の2年間に相当活躍していたはずなんです。賑やかしキャラっぽいけど実は凄いんだからねっ!




楚明:いい人。実はこの人の名前は蘇民将来説話から。




枯淡:正しいかませ犬。この人の名前も蘇民将来説話から。




村で岐峰たちを襲った人たち:お金で雇われた人たち。戦後の混乱で食うに困っていたと思われます。




日和久:登場が遅い割にいろいろ持っていく4話以降組その2。登場以来本話に足りなかった成分“姉キャラ”補充に大活躍。撥耶さんとの仲?それはまた別のお話。




日武遂:雰囲気の中で過去の悪事がかすんだ得な人。この人が裏切らなけりゃ岐峰って蓬莱に来てないよねって考えると、ある種ニッポン建国の立役者。




劉秀文叔:人情家の皇帝。あ、実際に凄い仁に重きを置いた政治をしたらしいです。真面目な話。




鄧禹仲華:人情家の帝国重臣。このとき右将軍ですけど、もっとえらい大司徒という地位に居ましたが、この話の前の段階で大下手打って降格になってたりします。真面目な話。




楽浪郡の兵士達:駆り出されたものの働かないまま解散。徴用の振りして荷物とか襲ってたみたいなので、実入りはあった模様。




乙宇目嶺蓋:国津の三連星その1。義理と人情に生きるおとこ。恐らく遇知が化けて出るとしたら、筑紫のところじゃなくてこの人のところ。名前がオツウメなのは、神戸市東灘区乙女塚から。これ、後で使いますけど。




足納槌章柏:国津の三連星その2。ヘタレキャラの確立により存在が際立った本話のヘタレ・スター。子孫は活躍しますから、もうちょっと長い目で見てあげてください。




大杜志伊和:国津の三連星その3。過遇知叛乱の最後のトリガーなのに、台詞の無い可哀相な人。子孫が挽回しますから、もうちょっと長い目で見てあげてください。名前は播磨の国風土記なんかに見える伊和大神と、オオナムチの父神であるオオトシとの合わせ。




伊舎那家中の伝令:遇知にあっさりだまされた純粋な人。この人に罪はありません。何故なら誰も彼の報告を真に受けなかったから。




水夫:夜に全速力で船を漕がされた可哀相な人。美君暴走のわかりやすい被害者。




久米:悪役商会その4。九州の方にも、全国の久米さんにも他意はありません。あしからず。




玖久智:悪役商会その5。部下の後に登場して、悪いことしか言いません。でも実際はプロローグ前にも悪いことしてます。つまり悪いことしかしてません。名前は狗奴国将軍ククチヒコから。




7歳の少年:キーパーソン。でもこの後登場予定もありません。名前もありません。すいません。




婢達:神代のキャリアウーマン。または神代のアマゾネス。ヨモツシコメがイメージですけど、容姿には触れてません。美人もいたと思うよ?




犬達:神代の警察犬。イメージはライジュウ。実際に九州が昔から犬使ってたかは知りません。でも犬は狩猟採集の時代からの人間のお友達だから。対等の立場で戦ってるから動物虐待じゃ在りません。




騎馬兵達:馬で来たものの馬は活躍しない人たち。でも、到着まで早かったのは馬のお陰です。ヨモツイクサがイメージ。




損蓮:最後の語り部。この人の名前をハリにしたら蘇民将来説話が完成するのですが、しませんでした。後で使うから。




日輝月:運命の子。また後で出てきます。名前はヒノカグツチから。カグツチは遇知じゃないのかって?別に一人じゃなくてもいいじゃないですか。




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