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6 二つの伊舎那(前篇)


「何故だ!」


伏した羅子と筑紫に対して、岐峰は声を荒げる。その声はその心の悲痛をすら部屋にこだまさせた。


「何故、俺達が帰るまで待てなかった!」


筑紫は、伏したまま言葉を発しようとしない。羅子もまた、只その叱責に耐えていた。




 淡路にたどり着いた岐峰を迎えたのは、憔悴した羅子と筑紫。そして、いまだ軍備をとかぬままの兵を率いた廉劫であった。


「主、お許しください。お妃様を、お守りできませんでした。」


血を吐くように言った筑紫の言葉が、事態の重さを告げていた。


 新しくしつらえられた座りなれぬ玉座に座りながら、岐峰は事の顛末を聞く。如何に信じがたくとも、その戦がこの淡路の沖で起ったのだということはこの館の物々しい警備が物語っていた。


 過遇知が立ち、国津が翻り、戦の火が立った。その責めを、王妃であった美君と遠家に全て被せたというのか。


 何のために、自分達が楽浪まで旅立ったのか。自分達が劉秀から勝ち取った全てを、内から叩き壊された。その思いが、岐峰に部下を叱責させた。


「俺達の帰りさえ待てば、このようなことには、ならなかった!」


悔しい。その思いが岐峰の胃の腑を締め付ける。


「なれば、」


伏した羅子が、声を発する。


「間に合えば、どうなさったというのですか、主。」


きつ、と。顔を上げた羅子の目は岐峰にも負けぬほどの悔しさに満ちていた。叱責に対する悔しさではない。恐らくそれは己の不甲斐なさに対するものだ。


「遇知の叛乱は、美君様を担ぎ、伊舎那を手中に収めんとしたものでした。あまつさえ兵が挙がった折、奥方様は敵地にあられた。囚われの身であったとはいえ、敵が奥方様を神輿に担いだ状態で兵を挙げた以上、この事態の収拾において、奥方様を救うことは如何にして為しえたと。」


羅子がその言葉の奥に自責をかみ締めていることも、聞くまでも無く判っていた。


「我々は、如何にすればよかったか。どうか、お教えください、主。」


その羅子の痛みなど、こうして聞かずともわかっているのだ。それでも、


「それでも、遠を排斥してはならなかったのだ。」


岐峰は、砂を吐き出すように、言った。


「この期に及び遠を庇うことは、伊舎那の体面を崩す行為にございます。」


静かなその言葉は、伏した羅子たちの後ろに立った廉劫のものだった。


「遠は最悪の機会を狙い、考えうるもっとも卑劣な手段で国を簒奪しようとしたのです。これを罰さねば、やはり伊舎那は、伊舎那岐峰は遠の傀儡であったのだと。伊舎那は遠なくしては成立しえぬ脆弱な国家だと、内外に喧伝することとなりましょう。」


廉劫の冷ややかな目は、冷水のように岐峰に降り注ぐ。岐峰は、それをすらわずらわしいと感じた。


「他人にどう思われようが知ったことか!」


「それは、国民の意思を無視するということですか、大王。」


岐峰の暴言に、いまだ廉劫は冷静に追求を続ける。そのようなことは判っているのだ。


「我ら日家は、寄る辺無く東の海に迷い出た。そこで遠と出会えた。この蓬莱の地で出会えたからこそ、手を取り合い、伊舎那と言う国を為すことを選びえたのだ!」


部屋にこだましたその言葉が、そこに在る全員の沈黙を呼んだ。


「大きな流れに敗れた我々が、暴力も排斥も無い国を欲したのは、そこに遠家と言う他者が在ったからだ。隣に遠が在ってくれたからこそ、我らはその理想に邁進出来たのだ。」


遠と日は、この蓬莱に迷い出た二頭の鯨であった。己の体の置場すら分からず漂っていたその二頭が揃えばこそ、他者と共に生き、共に高め合う理想を捨てずに済んだのである。


 遠という対岸の他者があればこそ、伊舎那は、岐峰は立っていられたのだ。


「そなたの言うとおりだ、廉劫。伊舎那は、遠なくしては成立しない。」


もはや、岐峰に反論を返す者はいなかった。岐峰は、羅子を立ち上がらせ、真正面から問うた。


「遠家はどこに逃れた?」


「知って、どうなさるのですか、主。」


その目の強さに、羅子は問い返す。


「話しに行く。遠と、美君と話し、帰り来るよう願う。」


「帰り来たところで、どうやって民を納得させるのです。」


「帰り来た後に、考えればいい。」


岐峰との問答の末に、諦めたように羅子はため息をつく。


「穴戸の南、球磨くまは火の国へ向かわれました。彼の地でどうなされているかまでは、わかりません。」




火山に囲まれた異郷の地、火の国。独自の文化と国民性を持つその民族は、伊舎那、一支との交流を絶っていた。南に琉球と隣接、そこから大陸との繋がりも深い。かつて、遠を裏切った民でもあった。


その火の国が、再び遠を匿おうという。撥耶の、それが信じがたいという思いも美君にはよく分かる。が、事実、撥耶は今、火の重臣、久米くめの屋敷に迎え入れられ、こうして美君と対面している。


「…そうか。そうなったか。」


過遇知の反乱の顛末を聞いた撥耶は、ため息と共にこぼす。美君がその口調から感じたのは、怒りでも、悲しさでも悔しさでもなかった。あえて言うなら、その全てがまじりあって色をなくしたかのような重たさだけであった。


 火の国の王、玖久智くくちは逃げ延びた美君らを捕えた後、手のひらを返したように処遇を変えた。捕らえた際の手際の良さ、撥耶が帰る前の切り替えの速さ。おそらく、漢軍と蓬莱との戦の顛末を見届けるため、韓国からくに、伊舎那両方に斥候を放っていたのだろう。


「玖久智の腹はいずれ知れようが、とかく命を拾えたことを喜ぶべきだろう。」


撥耶はそう、ため息とともに言った。


「なぜですか。」


美君の口を、ふとその言葉がついて出た。


「なぜ、私を責めないのですか。」


美君は岐峰と撥耶の留守を、守ることが出来なかったのだ。遠家を、守ることが出来なかったのだ。それを責める言葉を一言でもいいから聞きたかった。だが、


「お前が悪かったのか?」


撥耶はそういって、美君を観た。美君は、応えることが出来ずに息をのむ。その様子を見、更に嘆息する撥耶の思いを美君は伏せた目から伺う。


「誰が悪いかと言えば、遇知を抑えられなかった当主、つまり俺であろう。もしくは、彼奴らに主として認められることの無かった皇帝の血を持たぬ俺の出自。また、遠を排斥せぬまま永らえさせた岐峰自身にも責はあろうし、いってしまえば、俺たち二人が揃って国を空けたことが一番の失敗かもしれん。」


そろりとあげた美君の目に映った撥耶の顔に、美君を責める心づもりは見受けられなかった。


「責めるなら俺を責めろ。辛い時を一人で耐えさせてしまった。済まなかったな。」


慈しむように、本気で詫びるその声が、何より美君には痛かった。


「よろしいか。」


部屋の外から、声が聞こえた。この館の主、久米の声である。


「どうぞ。」


美君の声掛けに、御簾が上がる。久米はその彫りの深い顔をぬっと部屋の中につきだした。美君の促すままに、久米は腰を下ろしながら言う。


「失礼致します。姫君、御当主。皆様には度重なる御無礼、誠に申し訳なく思うております。」


撥耶は、その久米の言葉に答えることなく、正面に向き直り、問うた。


「率直に聞く。かつて、我らを殺しその首を取らんとした貴殿ら火の国が、今我ら遠を匿おうというのは何ゆえか。」


久米は、そのヌメリとした質感の目を撥耶に向け、暫く黙った。


「皆様の首を取る必要はもうないと、一番ご存知であられるのは御当主にございましょう。」


やはり、斥候を放っていたらしい。その知らせが届いたからこそ、美君らは捕虜から客人に変わったのだ。


「それは首を取らぬ理由だ。匿う理由ではない。」


久米は、撥耶の言葉に対し、やはりまた沈黙した。ヌメリとしたその目線を美君に向け、そしてまた撥耶に視線を戻す。やがて、ため息と供に久米は口を開いた。


「これは、わが主から正式な書簡が届くまで口にするなと言われておりましたが、仕方ありますまい。問われれば答えるべきでしょうな。」


久米が居住まいを正し発した言葉は、美君には理解しがたいものだった。


「主は、姫君を我が火の国の女王に迎えたいと思っております。貴方様を女王に迎え、火の国は、奴国と名前を改めまする。」


美君が久米の言葉を理解できぬまま唖然としている間に、撥耶はその視線で久米を射抜きながら口を開いていた。


「伊舎那の功を、攫おうと言う事か。」


「我らは、伊舎那王の生存を確認しては居りません。故に、伊舎那王を代行する姫君を迎え入れ、その下に侍る我らが、奴国を名乗っても不思議はありますまい。」


それが、玖久智の腹であった。美君は、自分の足元がぐらりと歪むのを感じた。


「遠家の処遇はどうする。」


「玖久智が執政として在らねば民が納得いたしません。その下にはなりますが、遠家もこの奴国の臣として共に女王に仕えていただきたい。」


撥耶の問いに、さも当然のように久米は返す。その問答の内容を受け付けるのを、美君の心は只拒否していた。


 遇知も言った、誰もが自分をそう扱った。この火の国も、また美君に物言わぬ玉であることを望む。皇帝の血を受けた、只の杯であれと望む。


「断れば、周囲の火の国の民が我等を襲う、と言うことか。」


撥耶は鋭く問う。これだけの内容を、いかに重臣とはいえ久米一人に託すのがおかしい。玖久智はこれを書簡で済ませようとしたのだ。恐らく、断られたときの始末に要する兵を率いるために。


「そうならぬよう、穏便にお話させて頂いている次第。」


久米のその言葉は、撥耶の問いに対する肯定だった。言下に、断るという選択肢をかき消すかのような。


「姫君、御当主。覚悟が決まられましたら、我らが都、阿蘇までおいでください。我が国の女王として貴方をお迎えしましょう。」


言うことを言った久米は、腰を上げ、部屋を出た。


 部屋を沈黙が襲う。日が翳り、夕闇が美君の目から撥耶の表情を隠した。


「美君、お前が決めろ。俺は、それに従う。」


闇の中、撥耶のその言葉が、美君の心にぐさりと刺さった。闇が、また美君を包み込んでいく。




 淡路の西より船を用意し、出立の準備をする岐峰の前に、羅子と筑紫が姿を現した。


「お一人で行かれるおつもりですか。」


羅子の咎めるような声に少し心が痛んだものの、岐峰は手を止めることはなかった。


「主。」


筑紫の声。


「出立される前に、一つお願いがございます。」


その声にこめられた必死の思いが、岐峰を振り返らせた。筑紫が、岐峰の目を見据えたまま、その場に跪くのが目に入る。


「どうか、この筑紫に処罰をお与えください。」


岐峰は耳を疑った。


「留守をお守りできなかったことは勿論のこと、遠家を追い詰める策を立案したのはこの私です。どうか、遠家帰順に先立ち、この筑紫に相当の処罰を。」


筑紫の言葉に、かけらのためらいも見ることは出来なかった。


 岐峰にとて判ってはいた。羅子や筑紫のやりようがその時取れる最善の策であったろう事は。それを間違いであった、赦してくれと謝罪することは、伊舎那の国体を否定することだということも。


 それでも、遠を切り捨てることは、岐峰には選べない。


「供に来い。羅子もだ。」


果たして、帰ってきてくれと頼むことなどできるのか、それすら岐峰には見えていない。


「対話の場にて、意見を交わせ。誰が良し、誰が悪しと言っているうちは現状を変えることは出来ん。」


見えていなくとも、対岸にいるのが美君なら。道が開けぬはずが無いと、岐峰は思っていた。


 


内海を進み、安芸の狭戸を超えると、その先には火の国が見え始める。岐峰らは、その直前の小島に上陸した。そこに岐峰の従姉、日和久ひわくが常駐しているためである。


「岐峰…。」


岐峰らと対面した和久は、その戸惑いを隠せずにいた。


「和久姉さん、事情は聞いた。美君と、妻と話がしたいんだ。今、美君はどこにいる?」


和久はその答えを知っている。彼女はそこに撥耶を連れて行ったのだから。


「岐峰、引き返しなさい。」


和久は岐峰の目を見ることなく言った。


「かの地、球磨くまはあなたの力の及ばぬ国、四方つよもつくにです。自らが追放したものをかの地に追い求めて、叶うものと本気で思っているのですか。」


和久に言われるまでもなく、岐峰にはそのようなことは分かっていた。


「行ってみないと分からないだろう。」


「岐峰。」


咎めるような和久の声も、岐峰の決意を鈍らせるものではなかった。


「四方つ国であろうとも、人であれば話せるはずだ。話すことが出来れば、思いを伝えることが出来れば人は動く。そうだろう、和久姉さん。」


岐峰は、悲しみの色の消えぬ和久の目を見ながら言った。


「動かないものもあるのよ、岐峰。どれだけ話してもわかりあえない人もいる。」


「分かりあえない者もいると云う事は、それはつまりわかりあえる者が在るということだろう、和久姉さん。美君は、わかりあえる人間だ。」


けして目をそらさぬように。岐峰は言葉に力を込めながら、和久に向き直る。


「どうしても、行くのね。」


「教えてくれなければ、自力で探す。」


その言葉を受けて、和久は真正面から岐峰を見据えた。


「自らの命を投げ打つような真似です。貴方は、伊舎那の民にとっての希望であり旗なのよ。」


「それを言うならば、美君こそ俺にとっての光明だ。なんとしてでも取り戻す。」


あの手の温もりが、岐峰の標であった。それを失うわけにはいかない。


 和久は、目をそらさぬまま、口を開いた。


「穴戸の狭戸から球磨に入りなさい。その地、久留米にとどまっているはずよ。」


和久の手を、岐峰は思わずとった。


「有難う、和久姉さん。」


美君に逢える。会って話せば、遠家をまた伊舎那に迎える事が出来る。岐峰の心に、その喜びがあふれた。


「岐峰、何があろうとも、生きて帰ってきなさい。たとえ何があろうとも。」


和久の言葉の裏に潜む悲壮に気付くことなく、岐峰は島をあとにした。


 穴戸の狭戸に船を止め、降り立つ。熱気と、彼方に見える火を噴く山。四方つ国、火の国、球磨の景観は、岐峰がいまだかつて目にした事のない、外界の様相であった。




「伊舎那王が面会をお求めです。」


久米のその言葉を、美君は信じることが出来なかった。まさか、国外に追放したものを追ってきてくれるわけなどない。そう、常識で考えればそうなのだ。


「どうなされますか。」


「無論、会います。」


美君の口が先に動いていた。撥耶に相談すべきであったかもしれない。火の国との事を考えれば、今会うのはまずいかもしれない。そんな数々の“かもしれない”が心をよぎる前に、美君は、口を動かしていた。


 苦い顔で去る久米の後に、撥耶が入ってくる。


「美君。」


「撥耶兄様、岐峰が、岐峰が来てくれたと。」


自分でも信じられぬその事実を、美君は確かめるように撥耶に伝える。


「会うべきではない。」


ピシリと言いつけたその言葉を、美君は予想もしていなかった。


「…何故です?」


「お前が今冷静でないように、岐峰もまた冷静でないのだ。考えればわかる。盆から返った水が元に戻ることは無い。」


撥耶の言葉は、確かに正鵠を得ているのだろう。それでも、


「私は、岐峰に、つまに会いたいのです。」


心の暗闇を再び照らした月の如き光が、その言葉の理解を拒んでいた。




 客間の御簾を開ける。


そこにいたのは、確かに美君の最愛のつま岐峰だった。


「美君。」


懐かしくも、愛おしいその声は、確かに美君の耳に届いた。頭で考えるより先に、美君は、愛しい夫の胸に飛び込んでいた。嗚咽と供に、涙がこぼれる。美君は子供のように、只岐峰の胸で泣きじゃくっていた。


 その暖かな手が、美君の背中に回り、岐峰の体温が彼女を包み込む。


「岐峰、岐峰!」


暖かく、眩い光が、美君の闇を祓っていくのがわかった。岐峰と言う光が美君という人間を闇から引き上げてくれる。


「赦せ、美君。」


岐峰の声が、その労わる思いが。美君には全てがただ愛しく思えて仕方がなった。




「遠家は伊舎那の臣であり、美君は我が妻、伊舎那王妃だ。遠家と美君に、伊舎那への帰順を願いたい。」


 美君の後を追ってきた撥耶と、岐峰の傍らにあった、羅子、筑紫。そして同席を願った久米を交えたその部屋で、岐峰は口火を切った。


「これは、異な事。そを国外追放に処されたのは他ならぬ伊舎那王家でありましょう。」


久米がその言葉に真っ先に口を開く。


「その国外追放は王命を持って撤回する。かの乱に対する審理は性急に過ぎた。」


「しかし、それでは我が火の国の面子が保たれ申さん。遠は我等の大事な客人。その言葉を信じおめおめと遠家と姫を引渡し、その上に貴殿の国土で改めて処刑されたとなれば、我らが主、玖久智の対面に泥が塗られましょう。」


のらりくらりと言う久米を、岐峰がねめつける。


「己が妻と己が臣を迎えに来た。返していただきたい。」


ヌメリとした眼を岐峰に向けると、久米は立ち上がった。


「かような大事、一家臣に過ぎぬ我には決めきれませぬ。阿蘇の主に諮りましょう。それまではこちらに御逗留のほどを。」


御簾の外でそういい残し、久米は去る。


「逃げろ、岐峰。」


沈黙の後、撥耶が口を開く。それに反応したのは羅子だった。


「我らは、正式な使節です。それを手にかけるようなことを?」


「数が少なすぎる。田丹羽たにわへ向かったときとは事情が違うのだ。たった三人、“来なかった”事にするのは容易い。」


撥耶同様に、美君は火の国の腹を知っている。火の国が岐峰を生かしておく選択肢を選ぶはずが無い。だとすれば、久米が向かったのは遠を手放すか否かを図るためではない。岐峰たちを殺す兵を用立てるためだ。


 会うべきではなかったのかもしれない。会うことをせずに、岐峰ではないと突っぱねることが出来たら岐峰の身を危険にさらさずに済んだのだ。


「逃げるならば、ともにだ。遠家を引きつれ淡路に帰る。」


岐峰は、頑として譲らない。


「乱でその数を減らしたとはいえ、遠は300以上の大所帯だ。それを見張る軍備を玖久智が用意していないと思うのか?」


「対話が通じぬなら仕方あるまい。戦ってでも連れて帰るのみだ。」


撥耶の言葉を岐峰は真正面から跳ね返す。“連れて帰る”ふと、その言葉が美君の胸に響いた。本当に、岐峰は自分を迎えに来てくれたのだと。


「冷静になれ、岐峰。」


「冷静に物を言っているつもりだ。美君のいない伊舎那は、もはや伊舎那ではない。」


その言葉が、美君の胸を打った。岐峰への思いが、その胸に溢れた。


「会って気付いた。俺は、美君のいない世界など生きていけない。」


-私も、私も貴方のいない世界など、生きてはいけない。‐


美君は、自分の頬を伝う涙をぬぐった。もはや、他のことなどどうでもよかった。岐峰とともに居たい。そのためなら、何を犠牲にしたって構わない。


「岐峰。」


美君のかけたその声に、岐峰らが振り返る。


「ここで、待っていてくれますか。私が、火の王玖久智に貴方と供に在れるよう、嘆願して参ります。急いで出れば、先に出た久米に追いつけるはずです。」


岐峰が、美君を見つめる。その眼差しに安心を与えるように、美君は微笑んで見せる。


「大丈夫、私なら、説得できるんです。岐峰。」


言いながら岐峰の胸に潜り込む。この暖かさを、もうけして忘れぬために。この暖かさを失わないために。


「けして、無理はしないでくれ、我が妻。」


愛しむその言葉が美君の耳元に響いた。この声を、もう手放したくない。


岐峰の胸から離れ、


「大丈夫です。我がつま。」


そういって、微笑を返す。


「羅子、筑紫、兄様。岐峰を守ってくださいね。」


全員にそう言って、美君は部屋を出た。




 身支度を整え、厩へ向かう。そこには撥耶がいた。美君を射すくめるその瞳は、責難の色をたたえていた。


「どうしようと言うのだ、美君。お前が出向いた所で、現状は変わらんぞ。伊舎那へ帰ることなどできん。」


撥耶の言うことは無論美君にもわかっていた。この段になってもはや、自分達はこの球磨を出ることは叶わないだろう。


「無事に、岐峰たちを逃がすほうが先だ。違うか?」


そう、それが最優先であろう、それは美君にも理解できていた。そして、


「そして、私はまた、岐峰を失うのですね。」


撥耶は、その言葉と、振り返った美君に口を止めた。


「私がこの国の女王になれば、3人の助命嘆願と岐峰一人を国に留め置く程度の我侭は許されるはずです。違いますか?」


撥耶の目は、美君を射すくめたまま、離れない。


「私は、岐峰とともにありたいのです。」


「美君、」


美君もまた、撥耶から目をそらそうとは思わなかった。


「兄様は、私に決めろと仰いました。私がそう決めたのです。」


それほどまでに、美君は岐峰を失うことが怖かった。


「一つだけ、言っておく。お前は今、兄上と同じ目をしているぞ。」


撥耶の射すくめる目が、美君の瞳に叩き込まれる。


「妄執に取り憑かれたものの目だ。」


「…兄様のような強い人には、わかりはしません。」


あの闇にまた堕ちる怖さは、けして撥耶には判らない。


「…判るはずがないのです。」


美君は、そういって馬を出し、厩を後にした。向かうは、阿蘇。そびえる火の山は、その熱で大気を歪めていたが、それが美君の目に止まることは無かった。




 美君が館を出て3日。岐峰たちは久米の館にとどまっていた。美君からの知らせがこない事に、岐峰にも流石に焦りが見え始めた。


「座られませ、主。」


羅子に言われ、御簾から離れるもその目線はいまだに外を追っていた。ふと、岐峰は室内に筑紫がいない事に気付く。


「筑紫は?」


「集落の古老が博識で面白いとか。昨日から入り浸っていますよ。」


暢気な事である。岐峰は苛立ちが募るのを抑えられなかった。


 御簾が開く。


「大王様!」


そこには、一支で別れた兎迂李とうりが立っていた。


「兎迂李!」


「よくぞ御無事で…!」


駆け寄る迂李の後ろに、撥耶と筑紫が続く。


「岐峰、迂李に船を出させる。脱出の準備を。筑紫。」


撥耶の言葉に、逡巡の後頷き、筑紫が絵図を出す。


「古老の話から、地理は掴めました。険しい道ではありますが、我ら3人のみ。山道を行けば、火の兵につかまることなく抜けられるはずです。」


「待て!!」


岐峰は、声を荒げた。


「撥耶、どういうことだ。」


「いち早く脱出しろ、と言っている。奴らはお前たちを生かして帰すつもりはない。」


「その為に、美君が阿蘇に向かったのだろう。それを待たずに逃げ出せと云うのか。」


「そうだ。」


撥耶はすげなく返す。問答の余地を与える気すら見えなかった。


「大王様、こう云っちゃあなんだが、事態は本当に一刻を争う状態ですよ。そこらの集落に住民のふりした兵士が潜んでるし、穴戸の狭戸もうかうかしてたら船で埋まっちまいまさぁ。」


迂李が急かすように言う。生かして返す気がない、と言うのは本当らしい。だが、


「撥耶、俺は美君やお前を置いて、この球磨を出るつもりは無い。」


岐峰には、どうしても譲れなかった。この身に染み付いた美君の温もりが、それを譲らせなかった。


「主、私も臨戦態勢の兵を確認しました。もはやこの館自体が囲まれていると考えたほうがいい。」


筑紫が続く。


「元来は、遠を見張り、いざとなれば攻撃するために配備された兵だ。正攻法では勝てん。隙を突けばお前達だけなら逃がすことが出来よう。機は今だ。」


理屈は、わかった。それでも、その結論を只岐峰の心が拒否し続けた。


「そなたと美君が供にあらねば出られぬ。」


岐峰は、撥耶の言葉に返す。


「岐峰!」


「お前は、我が臣だろう!」


一瞬、言葉の応酬がやむ。撥耶は、声を荒げた岐峰を只見つめた。


「お前は俺の命に逆らわぬと、そう誓ったはずだ。違うか、撥耶。」


撥耶は、言葉を発しない。場に沈黙が襲った。


「主。」


筑紫が、その重い空気を飲み込むように、口を開いた。


「どうしても、美君様を連れて帰るのですね。」


確かめるようなその口調に対する、岐峰の答えなどはとうに決まっていた。


「そうだ。」


力強く、頷いた。


 筑紫は、懐からもう一枚の絵図を出した。先ほどの絵図の南に、その絵図をつける。


「もう一つ、囲みの薄いところがこちらです。」


指したその先は、火の都、阿蘇に繋がる道だった。


「美君様は、まだこちらに居られるのでしょう。」


撥耶が、眉をひそめるのが岐峰の目に映る。


「筑紫、正気か。」


筑紫が、撥耶に向き直る。


「待てど来ないなら、迎えに行くより他ありますまい。」


岐峰は、筑紫の言葉に頷く。


「行こう、筑紫。」


岐峰が立ち上がり、筑紫が続く。それに引き続き、羅子も腰を上げた。誰もが、阿蘇に向かうことを恐れていない。背後に二人の気配を感じながら、岐峰はそれを頼もしく思った。


「今一度言うぞ、岐峰。冷静になれ。お前が背負う伊舎那の民のことを考えろ。」


撥耶の言葉を背に受け、岐峰は口を開く。


「伊舎那の民のために、美君が、お前が必要なのだ。」


続く言葉は、無かった。


「撥耶。」


振り返ると、撥耶の許から、丸いものが飛ぶ。危うく受け止めると、それは丸い果実。指で潰したのか、皮がむけたところから甘い香りがこぼれ、部屋を満たしている。


「もはや止めん。ただ、その香りを覚えて置け。次にその香りを嗅ぐ機会が来れば、息を止めることもな。」


「良く分からんが、判った。」


理解できないながらも、撥耶が自分達を送り出してくれるのを岐峰は感じた。それは同時に、撥耶との決別でもあろうと思う。しかし、振り返るわけにはいかなかった。


 目指すは、阿蘇。岐峰らは美君が向かった四方つ国の道をたどる。




 馬を飛ばすこと半日、たどり着いた阿蘇は火山に囲まれた暑い盆地にあった。阿蘇をぐるりと取り囲む山々はまさしく天然の要害、淡路と好対照の陸の要塞がそこにあった。


 筑紫の絵図に従い、険しい山道を通り、阿蘇の背後を目指す。何とかして美君に会う必要がある。


 阿蘇の町並みは、山を背に巨大な玖久智の屋敷がおかれ、その周りに環濠が張り巡らされていた。それぞれに20から30の竪穴の家が並ぶ。山から下りたそこは、屋敷の一つ外の堀の内であった。


「誰?」


岐峰は咄嗟に顔を隠し、振り返る。羅子も筑紫も、手は剣の柄にかかっている。正体が見破られれば、抜かざるを得ない。


 しかし、そこにいたのは、7歳程度の男の子だった。


「もしかして、新しい女王様のご家来?」


首をかしげながら、男の子は問う。これだけ屋敷の近くに住んでいるということは、この子供は火の国の中心にいる人間の身内である可能性が高い。


「…ああ、そうだ。」


新しい女王様、と言うのがどういうことかわからなかったが、これは好都合だった。そういうことにしておけば、何とか屋敷の中と連絡を取ることができる。岐峰は二人を抑え、子供に頷きながら、言葉を続ける。


「中に、美君という人がいるはずだ。その人に、岐峰が来た、外で待っていると伝えてくれないか。女王様の用事を伝えなきゃならないんだ。」


「女王様じゃなくて?」


「ああ、美君と言う人にだ。」


子供の反応の遅さにいらだちながらも、言葉を続ける。


「うん、わかった。他にいるか聞いてみるよ。」


「君、」


ふいに、筑紫が子供に問いかけた。


「なに?」


「その、女王様の名前は、なんと言うのかな?」


筑紫の問いに、きょとんとした顔をする子供。ふと、嫌な予感が岐峰を襲った。


「美君、伊舎那美君様って聞いてるよ。」


一瞬、岐峰の頭の中を空白が襲った。美君が、火の国の女王になったと言う。その意味が岐峰には理解できなかった。


「いや、女王様に、お伝えしておくれ。伊舎那王、伊舎那岐峰が迎えに来たと。」


思考の空白の間隙を突いて、子供に筑紫が言う。子供は頷き、堀を越えて屋敷に走っていった。


「筑紫。」


羅子の言葉に、筑紫は返す。


「いや、もう恐らく、身分を隠す必要はないはずだ。どう転んだとしても、な。」


屋敷から、迎えの人間がぞろぞろと現れる。見た限り、武装はしていない。


 彼らに従い、屋敷の中に入りながら、岐峰は自分に言い聞かせていた。どんなことがあろうとも、供に帰ることが出来るはずだ。何故なら、そこにいるのは自らの半身である美君なのだから。




 屋敷の中の玉座に、美君が座っている。その横に50絡みのひげ面の男が立っている。でっぷりとしたその体躯を窮屈そうにしながら、入ってきた岐峰らをねめつけた。この男が恐らく玖久智であろう。その玖久智が玉座に無く、玉座に美君が座っている。美君が女王位に就いたという事実を突きつけられるようだった。


「岐峰!」


岐峰を見た美君は、喜色満面の笑みで岐峰を迎える。


「来てくれたのですね、私の元へ。追ってきて、くれたのですね。」


「ああ、そうだ。言っただろう、お前のいない世界でなど生きられない。」


「私もです。岐峰。私はもう、それ以外には何も望みません。」


美君は、その玉座から立ち上がり、岐峰の手をとる。


「そこのもの、伊舎那王美君様にまず礼をなされよ。」


ひげ面の男が、岐峰に言う。意味を、はかりかねた。


「貴殿が何者かは知らぬが、美君様は亡き伊舎那王の後を継ぎ伊舎那王位に就かれた。遠家とこの玖久智を第一の家臣として、伊舎那、いや、奴国を運営していく所存。」


玖久智と名乗る男の言葉を、いまだ岐峰は理解できていない。


「俺は、ここに生きている。使いが俺の名を名乗ったはずだ。」


岐峰の言葉を、一笑に付し、玖久智は続ける。


「伊舎那王は、韓国にて身罷られたのだ。帰り来たのは遠家当主遠撥耶殿のみ。あくまで伊舎那王の名を騙るのならば、その不敬は赦されるものではない。ここで処刑せねばならぬ。」


玖久智は言葉を切り、美君に目をやる。


「だが、その偽りを改めるのならば、女王の情夫としてこの火の国においても構わぬ。そちらのお二人も、我が奴国の国民となるもの。丁重に元の住処にお届けしよう。西の地にある印綬をとりに行くついでにでもな。」


言葉を続ける玖久智を羅子が睨む。


「ご存知か、そを簒奪と言うことを。」


玖久智は、鼻で笑う。


「偽の伊舎那王一行が何を言った所で、我らが聞く耳を持つ必要はあるまい。女王の願いもあればこそ温情をかけているに過ぎぬ。さぁ、決めよ、痴れ物。あくまで伊舎那王を名乗るか、それともその偽りを廃し、命を拾うか。」


外から、兵がなだれ込む。退路を絶たれた岐峰はやっと認識した。これは、交渉ではなかった。伊舎那を奪うことは、火の国にとっての決定事項なのだ。


「何故。」


筑紫が問う。


「漢の劉秀帝が倭の統治を認めたのは奴国。その奴国に従うのがこの蓬莱の民の勤めであろう。わしの言うことに間違いはあるか。」


「なれば、わが主、伊舎那岐峰に仕えよ、それが道理だ。」


さらに言った筑紫の言葉に、玖久智は揺らぐ様子すら見せない。


「身罷られたと言ったはず。そなたらとそなたらの家臣が疑うなら、家臣には直に証拠となるご遺体も送り届けようではないか。なにより、暁の蛮族に過ぎぬ前君よりも、皇帝家の血を継ぐ美君様が王に就かれた方が国も治まろう、違うか?」


その言葉と同時に、兵たちが得物を抜き放つ。


「さぁ、認めよ。そなたは偽りを申した。そうだな?」


じりじりと、兵たちが近づく。


「頷いてください、岐峰。」


手をとった美君が、岐峰にささやく。岐峰には、その意味を理解できなかった。


「ここで頷けば、羅子達は淡路に返すことができます。貴方と私は、ともにあることが出来るのです。」


美君の手に、力がこもる。声に、思いつめた気持ちがこもる。岐峰の心を、わしづかみにするように。


「もう、私はそれ以外を望みません。そのほかの全てを捨ててでも。」


今、手を繋いでいる美君。この暖かさに、幾度も、幾度も救われた。そのために在ろうと、己の存在すらかけた。なのに、


「出来ないよ、美君。」


今、こんなにも遠い。その遠さに、岐峰は打ちのめされていた。


「それは、伊舎那の民に対する裏切りだ。」


そっと、美君から手を離す。


「俺は偽りなど言わぬ。正当なる伊舎那王たる伊舎那岐峰はここにある。」


静かに、だが明確に。その場にいる誰しもに聞こえるように、岐峰は言った。


「…岐峰。」


美君の表情は、伺えなかった。岐峰に、それを見る勇気は無かった。


その様を見ていた玖久智は、面白みも感じないといった様子で、手を上げた。


「左様か、ならば死なれよ。」


兵たちが動く。それよりも一瞬早く、羅子が動いた。出口に一番近い兵に肩から突っ込み、兵を押し倒す。その隙に、兵の得物を奪っていた。


「主!」


兵が倒れた先に、出口が開いている。羅子は、岐峰に駆け寄り、その腕をつかんだ。


「筑紫、行くぞ。」


筑紫は頷き、出口に向かって走る。


「生きて捕らえなさい。この女王に恥をかかせたものです。捕らえて私の眼前に連れてきなさい!」


岐峰は腕を掴まれ走りながら、背後に響くその美君の声を聞いた。聞きながら、別たれたお互いの間に、深く暗い溝が穿たれていくのを、岐峰は確かに感じていた。






6.二つの伊舎那 中書きに変えての大河ドラマ風解説


えっと、すいません。また前後編です。古事記での位置としては、伊舎那岐の黄泉くだりまで来たわけですので、国生み神話ももはや終盤。おいらもラストスパートで頑張ります。さて、今回はちょいと箸休め、地名の話です。いつもどおり、言われなくても判る、その時代は俺の時代だった、誰でも知ってることを得意げに話すお前のインテリを気取ってる感じが不愉快だ、と言う人は飛ばしつつ感想ダメだしください。あ、剃刀と街宣車は勘弁勘弁。




さて、黄泉の国編こと九州編です。前回から登場している穴戸あなと。これは長門の古い名前です。前回美君や岐峰がくぐった穴戸の狭戸せとは、つまり長門の海峡。関門海峡なわけです。


その前に立ち寄った和久姉さんの常駐する島は、瀬戸内海は大分県沖の姫島を比定しています。ここに鎮座する神社は比売許曽神社。天日矛あめのひぼこの妻とされるアカルヒメノミコトが祭られています。


そこから南に下った地が、現在の福岡県である久米領久留米。そしてさらに南に下れば、火(肥)の国熊本、大火山阿蘇のカルデラが見えるわけです。


旧国名である肥の国は、有明海を挟んだ対岸も含めた広大な地域です。肥前、肥後の分国は、丹後、丹波分国や大隈、薩摩の分国があった710年代よりも前だったそうですね。持統朝にはその分国が為されていたそうなので。


ちなみにこのあたりを(人、国ともに)表す言葉、熊襲くまそ。一説によれば、球磨くま地方と、その更に南である曽於地方をあわせて呼んだものではないか、という説があるそうです。


じゃあ、その時鹿児島県域や宮崎、大分県域はどうなってたんだろうって話なんですが、今回の話においては、関門海峡以下、九州の島は火(肥)の国の領土だったとさせていただいています。日向に大和王権の勢力が入ったのも、大分県域をとよの国としたのも、北九州を筑紫の国としたのも、鹿児島県域に隼人はやと勢力が勃興したのもこの物語の後とさせていただきます。


ともかくも、岐峰達は淡路を西に出発し、姫島に寄って、関門海峡から久留米へ、そして阿蘇山のカルデラに突入したわけですね。




さて、後編です。引き続きお付き合いの程を。




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